まだやってる?ヴァージン諸島のタックスヘイブン事情に迫る

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この写真は、一体なんでしょう?答えは、のちほど。

ドメイン島巡り第4回は、タックスヘイブンとして有名な島のひとつ、イギリス領ヴァージン諸島に行ってきました。世界中から様々な企業に利用されたこの島は、島全体が裕福で富裕層も多いはずなので、あわよくば我々もタックスヘイブンしてしまうことが目的です。

ダウンタウンで見かけたボロボロの中古車!?
◆ノータックスで買えるiPhone
◆遂に「租税回避地」を発見?
◆ヴァージン諸島の魅力
◆.vgドメインの意外な使い道

そもそもタックスヘイブンとは、課税が完全に免除される、または著しく軽減される国や地域のことで、「租税回避地」とも言われます。
“そんなことが実際にできるなんて、まさに天国!”となるので、「Tax Heaven」と思いがちですが、タックスヘイブンのスペルは「Tax Haven」(税の回避地)が正解です。


ヴァージン諸島は、カリブ海の西インド諸島にある約160の火山性の島と岩礁で形成されています。
西半分(約50の島)がアメリカ領、東半分(約60の島)がイギリス領なのに、通貨は全て米ドルなのです。

空港には無料の不動産冊子が置いてありました。

なんと、約1億4000万円もするラグジュアリーなビラも紹介されています。

他の物件も1億円以上のものばかり!

さすがタックスヘイブンの島。大富豪しか住んでいないのでしょう。大富豪やタックスヘイブン関係者から詳しい話を聞くため、ダウンタウンへ出発。

空港からの道はかなり凸凹で、車の中で体が飛び跳ねます。

車に揺られて約30分。ダウンタウンのはずれにあるTORTOLA PIER PARKに到着しました。

Tortola Parkは、お土産屋さんやツアー会社などが入った、小さなショッピングモールと言った感じ。

トイレが…びっくりするほど綺麗。便器は日本が誇るTOTO製。ここに住めそうです。


◆ダウンタウンで見かけたボロボロの中古車!?

胸の高鳴りを抑えつつ、タックスヘイブンの島のダウンタウン中心部へ!

しかしそこで目にしたものは…。

動いているのが不思議なくらいの車や、リアガラスの代わりにビニールを貼る車・・・

駐車場にも窓ガラスやライトが壊れている車がたくさん駐車してあります。

そして島の人たちは、ヒッチハイク!?をしているようです。

大富豪様はどこに・・・?
ここが本当にタックスヘイブンとして有名な島なのかどうか心配になってきたので、聞き込み調査を開始しました。


①お寿司屋で調査
ヴァージン諸島でお寿司屋を発見!超高級タックスヘイブン寿司で成功した日本人が経営するお店に間違いありません。

しかし店員は、優しそうなジャマイカ人の方で、日本人はいませんでした。

せっかくなので、金粉がふりかけられている超高級寿司を一貫食べようとメニューを見ると、

リーズナブルなお寿司が中心で一安心。このお寿司屋さん、フィリピン人が経営されているとのこと。
メニューには、カラフルでトロピカルなロール寿司が多い気がします。

中でも、カラフルで美味しそうな「マンゴードラゴン」($13)を頼んでみました。海老の天ぷらを酢飯で巻いてマンゴーを上にのせた斬新なお寿司。マンゴーの甘さと酢飯、海老の天ぷらのサクサク感が意外と合います。

お寿司は大変美味しかったのですが、大富豪情報を得ることはできませんでした。ふとお店の庭に目をやると、お寿司とは真逆の「洋風な銅像」が立っていました。

②中華料理屋で調査
お寿司屋の近くに中華料理屋を発見。聞き込みに入ります。

狭い路地を進むと、、なんとも可愛らしい玄関。

店内はこんな感じです。

とても豊富なメニュー。

「Sweet & Garlic Shirmp」( $17)。酢豚の味付け。海老もぷりぷりです。

焼きそばとチャーハン $8~$12。量が多いですが、美味しいので完食しました。

お店のスタッフは、とても親切な中国人でした。先ほどのお寿司屋同様、特別高額ではありませんが、美味しい料理を堪能することができました。しかし、タックスヘイブンに関する情報は得られませんでした。


◆ノータックスで買えるiPhone

③電器屋で調査
飲食店ばかり行っても、お腹が膨れる一方なので、街の電器屋さん「iSMART」で聞き込みです。

店内の様子。

プレイステーション、Wii、Xboxなどのビデオゲーム関連も豊富です。

Mac Book AirやiPhoneなども売っています。

そして、試しにiPhoneのコネクターを買ってみたところ、なんとノータックスで買えました!レシートの税金の欄が0円です。

ヴァージン諸島では、iPhoneでもなんでもノータックスで購入できるので、それを目的に旅行する人もいるようです。後日英領バージン諸島から戻った際、プエルトリコ空港の税関において、免税範囲を超えるものを買ってないか、かなりしつこく調べられました。

④ネットカフェで調査
今度はネットカフェに潜入。

中に入ると、あれ?電器屋さん?お店間違った?電化製品やノートPC用バッグ等の関連アイテムが売られてます。インターネットを利用できるパソコンは1台も置いてません。レジにいた男性スタッフに聞くと、ネットカフェは奥のスペースにあることが判明。このお店以外にも「本屋+ネットカフェ」があるそうで、我々がよく知っている「ブースが並んだネットカフェ」は、ヴァージン諸島では一般的ではなさそうです。ちなみに、ネットカフェには誰もいませんでした。


◆遂に「租税回避地」を発見?

聞き込み調査が一向に功を奏さないので、ネットで再調査。すると、ペーパーカンパニーが集まっている建物があったので直接行ってみました。このビルの住所は、「AKARA BUILDING; 24 DE CASTRO STREET WICKHAMS CAY 1; ROAD TOWN; TORTOLA; BRITISH VIRIGN ISLANDS」。関東財務局が警告を行った、無登録で金融商品取引業等を営む業者も入っているビルです。

ようやくタックスヘイブンの入り口まで来ました。早速手続を進めたかったのですが、ヴァージン諸島では、2017年6月から税関係の個人・法人情報がすべて政府のデータベースに登録されることが義務づけられ、ペーパーカンパニーの設立が非常に難しい状況となっていました。(参照元:ZUU online

一番最初の写真は、市庁舎のそばで見かけたペーパーカンパニー用と思しき私書箱でした。私書箱には長い間放置されている郵便物が残されており、使われていないようです。


◆ヴァージン諸島の魅力

実際にヴァージン諸島に行って分かった事は、ジャマイカ人やアフリカ系移民が多く、ビーチがとても綺麗なマリンアクティビティにもお勧めの、治安の良い島でした。日本車が多く走る街並みにも親近感が湧きます。残念ながら、タックスヘイブンをやってそうな大富豪には会えませんでしたが、ヒッチハイクをして助け合う人達、ボロボロになった車でも乗り続ける、物を大切にする人達に会うことができました。

■空港近くにあるビーフアイランドビーチ
空港から車で約5分という近場なのに、絶景なビーチ。なんと一人もいなくてプライベートビーチで感覚で楽しめます。レンタルパラソルは置いていないので、日焼け止めクリームは必須です。

■お世話になったタクシードライバーさん。皆さんとても親切で、お別れをする時は少しうるっとしてしまう滞在でした。

 


◆.vgドメインの意外な使い道

ところで、「.vg」ドメインはイギリス領ヴァージン諸島に割り当てられたccTLD(国別トップレベルドメイン)です。その綴りから、ビデオゲームのサイトにもよく利用されています。

SEGA
sega.vg
Impeller Studios
itb.vg
Gamers
gamers.vg
MUSH
mush.vg
Play.vg
play.vg
LEET
leet.vg

こんな使われて方をされているなんて、ヴァージン諸島に住んでいる方達には思いもよらないのではないでしょうか。

 


 

■ 今回訪れた場所

 

■ ヴァージン諸島の行き方はこちら

■ .vgドメインの詳細はこちら