台湾ツウも知らない台北の歩き方!本邦初公開の若者で賑わう真面目なエロス食堂、観光客のいない超穴場夜景スポット、保護犬猫と触れあえる美味しいカフェなどに行ってみた

人々が親切で夜市は楽しく食べ物が美味しい、そんなイメージで親しみを持つ日本人が多く、フォルモサ(美麗島)とも呼ばれる島、台湾。日本からの旅行先としても常に人気で何度も足を運ぶ人の多い台湾ですが、今回は本邦初公開(※)となる現地若者で賑わう真面目なエロス食堂や、観光客どころか誰一人いなかった、台北を一望できる穴場夜景スポット、たくさんの保護犬猫と触れあえる美味しいカフェ、台湾デジタル担当大臣オードリー・タン氏の実は誰でも入れるラボなど、台湾ツウにもあまり知られていない台北を調査してきました。台湾に割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.tw」です。
※2023年5月18日現在、弊社調べ。

◆台湾はどこにあるのか?

台湾は太平洋西部、日本の与那国島から約107kmの距離に位置し、時差は日本からー1時間です。主に中国語と台湾語が使われています。面積は3万6千平方キロメートルで九州よりやや小さく、人口は2,326万人(2022年)です。使用されている通貨は、台湾ドル(1台湾ドル=4.4円※)。※2023年3月時点。

= 目次 =

◆本邦初公開!真面目なエロス食堂「純愛小吃部」

◆観光客どころか誰一人いない穴場夜景スポット

◆たくさんの保護犬猫と触れあえる美味しいカフェ

◆可愛い民宿から徒歩で行ける朝市ローカルフード ~台湾の食事事情~

◆実は誰でも入れるデジタル担当大臣オードリー・タン氏のラボ見学

◆街で見かけた.twドメイン

◆現地SIM 速度調査~台湾編~

 


◆本邦初公開!真面目なエロス食堂「純愛小吃部」

羽田空港から台北松山空港まで約3時間30分。台湾と言えば夜市の屋台飯。しかし、我々はまず平日夜でも現地の若者で賑わう80年代風食堂「純愛小吃部」(ピュアラブシャオチーブ)に向かいました。台湾の東大と言われる台湾大学がある公館エリアにあります。台湾によくある町食堂のような外観ですが、ガラス窓には大きな「純愛」の電飾。外から見える内装は赤く怪しく照らされています。右側のドアから入店してみましょう。

入店してまず面食らうのが、壁に貼られている数々の日本人セクシー女優のポスターです。これが「純愛」のイメージなのでしょうか?更に驚くのは客層の多くを若くオシャレな女性やカップルが占めていること。

30人ほどの店内は女性客22人、男性客8人と圧倒的に女性です。ポスターの本来の客層と思われる、いわゆる「おじさん」は見当たりません。

モザイクを入れないと紹介できないような過激なポスターもたくさん貼ってある中、特に気にする様子もなく食事を楽しむ若者たち。内装と食べ物さえ見なければ「ここはスタバかしら?」と錯覚するほどです。スタバには間違っても貼ってなさそうなポスターの数々。

80年代風成人向け雑誌や大人の玩具を展示しているコーナーを発見。立ち読みはできますが、席に持って行くのは禁止、一部販売している商品もあります。説明してくれた店員さんは若くて可愛らしい女性でした。ちなみに入店の年齢制限はないそうです。

注文は、店員さんが持ってくるメニューと料金の載っている冊子の中から、食べたいものにチェックをして渡す明瞭会計システムです。メニュー冊子の表紙もなかなか刺激的なので一部をペンで隠して撮影。

メニューの大半はごく一般的な台湾料理ですが、昭和ヤンキー風当て字の料理「愛死天流(アイシテル)滷肉飯」を発見。無視することはできません。注文します。

ペットボトルのそばにある豚バラ肉をかけたご飯が「愛死天流(アイシテル)滷肉飯」(80台湾ドル、約352円)です。他のボリューム満点な料理と比べると小さいですね。純愛は控えめなようです。味はまさに台湾の伝統的な郷土料理滷肉飯、小さくても大満足です。

なぜか泣いている招き猫のイラストに純愛と描かれたペットボトルは、「純愛の水」(30台湾ドル、約120円)。味は普通のミネラルウォーターのようです。涙は“愛の涙”なのでしょうか。料理はどれも美味しく、日本人の口に合うと思います。

お手洗いをお借りします。期待を裏切らないお手洗いでした。

目に飛び込んでくる刺激的な内装の店内で台湾郷土料理を食べるギャップに最初は戸惑いつつも、帰る頃には慣れてくるのが不思議です。

ところで「純愛小吃部」はなぜこのようなコンセプトの店になったのでしょうか?
探検隊の古くからの友人、台湾人のコウさんに聞いてみたところ「女性の性の解放」をテーマとしていることがわかりました。アングラな内装からは思いもよらず、文化的、社会的、政治的な側面がある真面目なエロス食堂なので、若い女性が安心して楽しめるのですね。台湾大学のお膝元公館にあるのも納得でした。

 


◆観光客どころか誰一人いない穴場夜景スポット

富陽自然生態公園(フヤンエコパーク)は超穴場の夜景スポットという情報を仕入れていた我々は、前述のコウさんと待ち合わせた富陽自然生態公園に向かうためタクシーに乗り込むと、運転手に「富陽自然生態公園なんて聞いたことない。住所は?」と聞かれました。住所を伝えても途中で「迷った」と言われたので、その付近で降ろしてもらうことに。タクシー運転手も知らない穴場なのか、単にぼられただけなのかはわかりません。富陽自然生態公園はMRT「麟光」駅から徒歩5分なので地下鉄で行くことをお勧めします。

17時30分、富陽自然生態公園到着。うっすら暗くなってきました。この公園は4~10月頃は蛍が見られることもあり、自然保護のため全ての街灯を消しています。

公園内にある福州山の頂上が穴場夜景スポットとのこと。20分ほど登った先にある頂上で、果たして美しい夜景が見られるのでしょうか?福州山登山開始です。

公園入口付近にある、かつての防空壕。

街の灯りが遠ざかり、あっという間に暗闇に吸い込まれました。まるで森の中です。

携帯のライトがないと一面真っ暗。探検隊もさすがに案内役のコウさんがいないと不安になります。

暗闇の中、息を切らしながら急な坂道を登り続けます。階段がある箇所もありました。台湾も日本の習慣と同じで、山で知らない人とすれ違う時には「ニーハオ!」と挨拶するそうなので、その機会をうかがいました。しかし、誰一人としてすれ違うことはありません。3月なので蛍もいません。そのままひらすら登り続けること20分、暗闇を抜け何かが見えてきました。

やっと頂上にある福州山公園に着いたようです。やはり誰もいません。

そして……17:50、台北を一望できる絶景スポットに到達!

台北101の灯りがキラキラと我々を褒め称えてくれているようです。この夜景を独り占めできるなら、暗闇を20分登る価値はあるのではないでしょうか。ちなみにまだ明るい時間帯や、蛍が見られる時期には現地の人たちが散歩に来るようですが、観光客でごった返すようなことはなさそうなので、やはり超穴場スポットと言えるでしょう。

下山途中、どこからともなく切ないメロディが聞こえてきました。どうやらその音は遠くから移動しているように聞こえます。耳を澄ますと「エリーゼのために」です。いったい誰がこんな時間に、何の目的で大きな音で流しているのでしょうか?コウさんに聞いてみると、なんとゴミ収集車が流しているメロディでした。台北に住んでいる人ならば誰もが知っており、1日中1時間おきに、夜は4回ほど街を巡っているそうです。台湾は一年を通して暑いため、日本のようなゴミ置き場はなく、ゴミ収集車まで自分でゴミを運ぶ仕組みになっています。日本の習慣との大きな違いですね。

切ないメロディを流すゴミ収集車を発見しました。


◆たくさんの保護犬猫と触れあえる美味しいカフェ

台湾の人たちは動物にとても優しい。それを象徴するようなカフェが、日本では珍しい同じ店で犬にも猫にも触れ合える保護犬猫カフェ「浪浪別哭」(ランランビエクー)です。このカフェは入店までのハードルが少し高いので簡単に説明いたします。

まず扉を開けると二重扉になっており、その先は勝手には中に入れません。左側の壁に貼ってあるポスターのQRコードをスマホで読み込むと予約フォーム(英語表記あり)が開くので、そこに名前等入力して待ちます。この内扉は絶対に自分で開けずに、帰るときも必ず店員さんに声をかけなければなりません。

順番が来ると店員さんに名前を呼ばれるので、やっと入ることができます。

店員さんに扉を開けてもらい中に入ると、まずは犬エリアです。とても人懐こく可愛いワンコたちが店内を自由に動き回っています。子犬もいます。

メニューはパスタなど本格的ディナーからスイーツまで豊富。このような豪華メニューも日本の動物系カフェでは珍しいのではないでしょうか。

我々が行ったときはカフェタイムだったので、チーズケーキ158台湾ドル(約632円)とアイス乗せチョコレートケーキ178台湾ドル(約712円)を注文。どちらも見た目も美しく、濃厚な味わい。

何よりも可愛いワンコたちと遊びながら食べられるのは最高です。

猫派のみなさまお待たせしました。奥には猫エリアがあります。仕切りはありますが、犬エリアから自由に行き来できる我々を待ってくれているようです。

猫エリアにも多くのお客さんがいましたが皆静かに猫を眺めながら食事をしています。ちなみに犬エリアにいたお客さんは8人、猫エリアにいたお客さんは12人。たまたまかもしれませんが、猫派が若干多いようです。

食事をする人々を見下ろす猫。この子は突然飛んできて腕をひっかかれましたが、可愛いので問題ありません。皆さまはお気を付けください。

お手洗いのドアに日本語で書かれた「さくらみみ」の説明がありました。さくらみみとは管理と見守りをされている「地域猫」の目印。インターリンクは社会貢献活動の一環として、保護猫活動団体をサポートしています。

壁にはここで家族を見つけた多くの保護犬猫たちの写真が貼られています。

全ての子の苗字にこの店の名前でもある浪(ノラ)がついていますね。ここで家族をみつけた浪たちがみんな幸せな日々を過ごしていますように。

 


◆可愛い民宿から徒歩で行ける朝市ローカルフード
~台湾の食事事情~

 

1)門草行旅(The Door Inn)
今回宿泊したのは古い町並みが特徴の迪化街にある、とても可愛らしい民宿「門草行旅」。古い建物をリノベーションしたホステルです。

観葉植物に囲まれた1階はフリースペースになっています。スタッフの方が1人作業をしていました。落ち着いた雰囲気です。

部屋は1人で宿泊するには十分なコンパクトさで洗面台に置かれたドライフラワーからアロマの爽やかな香りが漂っています。2人部屋もありますが、1人客にも優しい作りですね。

宿泊者は誰でも4階にあるバルコニーでくつろぎ、昔ながらの台北の街並みを楽しむことができます。

ただひとつ気を付けてほしいことは、エレベーターはありません。細い階段があるだけです。荷物は自分で運ぶ必要があるので、体力に自信のある筋トレをしたい方のみ重たいスーツケースで来ることをお勧めします。

 

2)大稻埕慈聖宮の朝市 

門草行旅から徒歩7分ほどのところに、地元の人たちから愛される「大稻埕慈聖宮の朝市」があります。寺院の参道にずらりと屋台が並び、廟の中庭にある巨大なカジュマルの木の下で大勢の人たちが食事をしています。ローカルな雰囲気が魅力的です。

食事中の老夫婦が食べていた料理の写真を撮っても良いか聞いたところ快諾してくれた上に食べる?とお箸まで渡してくれようとしました。台湾は優しい人が多いですね。朝からもりもり食べることが長生きの秘訣でしょうか。

屋台がありすぎて迷います。豬腳麵線120台湾ドル(約528円)に決めました。台湾で「豬」はイノシシではなくブタを指します。余談ですが、台湾では干支も猪年ではなくブタ年だそうです。

豬腳麵線、豚足がたっぷりと入り生姜がアクセントとなって臭みもなく美味しいです。麺はやわらかめで、コラーゲンたっぷり。食べた瞬間にお肌がツルツルになった気がしました。

タイムトリップしたような古き良きノスタルジーに浸っていると、Uber Eatsのバイクを発見。やはりここは現代社会だったようですね。お寺の正面で若く背の高い男性2人が熱烈なキスをしていましたが、誰も気に留める人はいません。これもとても現代的ですね。

 


◆実は誰でも入れるデジタル担当大臣オードリー・タン氏のラボ見学

忘れがちですがドメイン探検隊が所属する会社はIT企業。台湾と言えばデジタル担当大臣オードリー・タン氏が日本でも有名です。タン氏の「社会創新実験中心(ソーシャル・イノベーション・ラボ)」は誰でも気軽に入って見学できると聞き、行ってみることにしました。

向かう途中、テスラの充電器がある駐車場を見つけました。テスラは開発当初、電気自動車関連パーツを台湾で調達していたことなどもあって、台湾は「テスラの技術の原点」を支えてきたと言われています。

台北市仁愛路にあるラボに到着。

タン氏自らが「台北に来たらぜひ寄ってほしい」と公言している通り、誰もがそのままふらっと入れる構造になっています。2階まで吹き抜けの非常に開放的なラボです。

この建物は日本統治時代には工業研究院、中華民国統治時代には空軍基地でした。その後は民間の企業に売られずに政府が取り戻し、2016年に台湾の文化部、経済部などの部署が共同で使用。創意的なプロジェクトであれば誰でもが利用できるソーシャル・イノベーション・ラボに生まれ変わったのです。

タン氏に会うには事前予約が必要ですが、ここのラボ自体は予約なしで自由に出入りでき、若い革新的な社会起業家に場所を提供したり、SDGsなど様々なセミナー、展示会や料理教室にも使われています。古く歴史のある建物を、新しく柔軟に活用している印象を持ちました。とにかく全体的に広々としていて気持ちの良い空間です。

お昼時だったので、みなさんどこかへ食事に出かけたようです。

シンプルな近代美術館のようにも見えますね。

2階建ての建物の中に15部屋ありました。

建物全体が自然と融合していますね。

設置してあった再生ボックスを開けるとバナナが入っていました。

タン氏は35歳の若さで行政院に入閣、台湾のコンピューター界における偉大な10人の中の1人と言われるプログラマーでもあるので、ラボには彼女の功績や写真が大きく展示されているのかと思いきや、そうしたものは一切ありません。彼女はあくまで国民のサポーターに徹して、居心地の良いラボを提供していることがわかる自由空間でした。とてもユーモアのある大臣だそうです。台湾の新しいイノベーションはここから生まれるのですね。

 


◆街で見かけた.twドメイン

台湾にはccTLD「.tw」以外にも、IDN(Internationalized Domain Name、国際化ドメイン名) ccTLDの「.台灣」や、台北を表すgTLD「.taipei」があります。しかし、台湾ではFacebookのアドレスを活用しているお店が多く、街でこれらのドメインを見かけることはほぼありませんでした。

オフィス関連用品を販売する九乘九購物網。

跳蚤本鋪はフリマショップ。今日はお休みのようです。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~台湾編~

事前に契約していたAiraloのeSIM台湾データプランは繋がりませんでしたので、台北松山空港にて中華電信のSIMを購入しました。現地の店員さんがその場で丁寧にSIM交換をしてくれました。

7日間、5GB、800台湾ドル(約3,520円)でした。台湾市の公館で計測したところ速度は20Mbpsでした。

海外に行く予定のある方は、「2023年、最強の海外用eSIMはUbigi!」をご参考にしてください。

 


■今回訪れた場所

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