世界最大のカブトムシ“ヘラクレスオオカブト”をグアドループへ探しに行ったら、衝撃の結果が待っていた

グアドループ諸島とドミニカ島に生息する世界最大のカブトムシ、ヘラクレスオオカブト。その名前は、ギリシア神話で登場する英雄「ヘラクレス」から由来しています。160mmを超えるサイズは希少価値が高く、1体10万円以上で取引されています。このカブトムシの王様を探しに、グアドループに行ってきました。グアドループに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.gp」です。

※取材は2020年2月上旬に行われました。

◆グアドループはどこにあるのか?

グアドループは、バステール島、グランドテール島、マリーガラント島等で構成された、カリブ海に浮かぶ島です。マルティニークと同様に、フランスの海外県の一つ。グアドループ住民はフランス国籍を有しています。母国語はフランス語、通貨はユーロです。

= 目次 =

◆フランス人のハワイ

◆海老の天ぷらが海老フライにしか見えない

◆ザリガニを見かけないザリガニの滝

◆ヘラクレスオオカブト調査、衝撃の結末

◆.gpドメインとグアドループいろいろ

◆現地でのSIM購入&速度調査~グアドループ編~

 


◆フランス人のハワイ

日本からグアドループ行きの直行便はありません。アメリカ経由、カナダ経由、フランス経由等で行くことができます。我々はカナダからアンティグアバーブーダ島を経由して向かいました。

アンティグアバーブーダ島からリアット航空の飛行機で約30分。グアドループのグランドテール島にあるポワンタピートル国際空港に到着。フランスの海外県だけあって、空港の公式サイトのドメインは「.fr」です。

宿泊先の「カリビアビーチホテル」は、空港からタクシーで40ユーロ(約4,800円)。約20分のところにあります。

ホテルにあったパンフレットの数々。レジャー情報がたくさんあります。グアドループはフランス人にとって、ハワイのようなビーチリゾートです。

快適なお部屋。シャワーもちゃんとお湯が出ます。ドメイン島巡りでは、アメリカ領サモアのように、お湯が出ないシャワーのホテルに泊まることもあるのです。

朝食会場となるレストランにいる猫たちは人に慣れています。

ホテルからの眺め。何もしないで、美味しい物だけ食べてのんびりしたくなります。

しかし、我々の任務は、特大サイズのヘラクレスオオカブトを見つけることです。ホテルのスタッフに「どこに行けばヘラクレスオオカブトに会える?」と聞いたら、「え?ヘラクレスオオカブト?知らないなあ」と首をかしげられてしまいました。世界最大のカブトムシとは言え、世の中には昆虫に興味が無い人は沢山いるので、知らない人がいても当然と言えば当然ですね。

 


◆海老の天ぷらが海老フライにしか見えない

ドメイン島巡りでは、訪問先で必ず日本食を食べるように心掛けています。今日は、和食レストラン「YOSHI」で夕食。もしかすると、ヘラクレスオオカブトの魅力に取りつかれて、日本から移住したオーナーのお店かもしれません。「YOSHI」はクアドループで3店舗ある人気のレストランです。

ホステスさん風の女性が紹介するメニューを手に取り、食事を選びます。こんな素敵な女性達がオーダーを取りに来るのでしょうか?

期待とは裏腹に、若い男性のスタッフがオーダーを取りに来てくれました。店内を見回すと日本人の店員は一人もいません。

お寿司と海老の天ぷらと緑茶を注文。お寿司がいつ来てもいいように、醤油を小皿に入れておこうとキッコーマンの瓶を手にしたところ、入っていたのは甘いソース。ソース入れの方に醤油が入っていてビックリです。

緑茶を注文しましたが、来たのはミントティー。海外県と言えども、やっぱりフランス。オシャレですね。値段は4ユーロ(約486円)。

海老の天ぷら?が到着。8.5ユーロ(約1,020円)。注文したのは海老の天ぷらです。これは・・・海老の天ぷら・・・ですか?日本人からすると、どう見ても海老フライ。でも、気にしないことにしました。タレはみたらし団子のように甘いものの美味しく頂きました。

お寿司「Yoshi rolls」がきました。18ユーロ(約2,160円)。サーモン、アボガド、カニカマ、海老の天ぷらではなく海老フライ、チーズが入った巻き寿司です。お寿司は薄い錦糸卵で巻かれていました。カリフォルニアロールの豪華版といった感じでとても美味しい!

お好み焼きのようですが、こちらもお寿司「Le Nid d’ oiseau」。18ユーロ(約2,160円)。なぜかメニューに鉛筆で丸印がつけられていたので、注文してみました。サーモン、チーズ、カニカマが入ったサクサクの食感でお菓子感覚で食べられます。味もお好み焼き風。日本で見たことのないメニューですが、日本でも人気になるかもしれないと思わせる味でした。

お店を出る時に、若い男性スタッフにヘラクレスオオカブトのことを尋ねると、「知らないなあ」と言われてしまいました。少し不安になりつつ、明日の調査に備えて宿に帰ります。

 


◆ザリガニを見かけないザリガニの滝

翌日、我々はヘラクレスオオカブトを探すためだけにタクシーをチャーター。料金は5時間で160ユーロ(約19,200円)です。運転手さんにヘラクレスオオカブトがいる場所に連れて行ってほしいと英語で伝えましたが、フランス語しかわからないようなので、ヘラクレスオオカブトの写真を見せて再度説明。しかし、何のことだかわからないといった感じです、、。

さすがにおかしいと思い、インターネットで調べてみると、あることに気がつきました。ヘラクレスオオカブトは、グアドループならどこにでもいるわけではなく、バステール島にのみ生息しているのです。我々がいるグランドテール島に、カブトムシの王様はいないのです。運転手さんに、バステール島にあるグアドループ動物園へ向かうようにお願いしました。この動物園には昆虫もいるのです。どうりで、グランドテール島のホテルや和食レストランのスタッフ聞いても知らないわけです。サトウキビ畑が広がる景色を見ながら、動物園に向かいます。

途中で「Cascade aux Ecrevisses」(ザリガニの滝)を発見。寄ってみることにしました。ここは、バステール島の中心より少し上の位置にある保護地区です。

入口には敷地内の地図と、ここで見ることができる動植物が紹介されてます。「ザリガニの滝」と言われるだけあって、様々な種類のザリガニがいるようです。

案内を見ていると、なんとヘラクレスオオカブトも紹介されているではありませんか!!

期待に胸を膨らませ、木々が生い茂るエリアにどんどん入っていきます。整備された道は、とても歩きやすいです。

カブトムシがいそうな場所を注意深く探します。

いませんね。。。

とうとう一番奥にある滝に到着してしまいました。

「ザリガニの滝」は、多くのザリガニがここに生息していることから名づけられましたが、今ではそのほとんどが姿を消してしまったそうです。約1時間、ヘラクレスオオカブトを探しましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。

 


◆ヘラクレスオオカブト調査、衝撃の結末

グアドループ動物園に着きました。グアドループ国立公園の端に位置するこの動物園では、広大な熱帯雨林の自然の中にクモザル、アライグマ、イグアナ、オウムといった西インド諸島やガイアナ地域の哺乳類や鳥類、爬虫類など約85種、450の動物が生息しています。入園料は14.5ユーロ(約1,761円)。

高さ20メートルにかけられたつり橋を渡っていきます。ちょっとしたスリル、と言うより怖かったです。

いよいよ昆虫館に到着。

念願のヘラクレスオオカブト!自然の姿ではありませんが、ようやく会えました!

大きくてカッコいい!微動だにしないその存在感。ガラス越しにも迫力を感じます。

写真を撮ること数分。全然動きません。

あまりに動かないので不思議に思い、飼育員さんに「ヘラクレスオオカブト、全然動きませんね」と話しかけたところ、

「うん、これは標本だよ」。なんと天然のヘラクレスオオカブトはほとんどいなくて、グアドループでも見つけることは難しいとのこと。。。。現在、この島のものは保護生物に指定され、採集及び島外への持ち出しが禁止されています。そのため、日本に流通しているヘラクレスオオカブトは、そのすべてが繁殖個体となります。 宮崎県延岡市北浦町のように、ヘラクレスオオカブトをふるさと納税の返礼品にするケースもあるようです。 飼育員のヘンリーさん(左)とドミニクさん(右)、教えてくれてありがとうございました。

悲しい現実を引きずりながら、園内のお土産屋に立ち寄ります。

ヘラクレスオオカブトキーホルダー、タオル、ぬいぐるみ等のお土産を探しますが、ありません。日本のお土産屋ならきっとあるのに・・・。動物図鑑で1ページだけ紹介されている程度でした。

絵葉書はありました。ヘラクレスオオカブト、グアドループでは人気がないのでしょうか?絵葉書を購入して動物園を後にしました。

なお、グアドループでポケモンGoをすると、地域限定のヘラクロスを見つけることはできました。ヘラクレスオオカブトはいませんが、ヘラクロスはいます。

 


◆.gpドメインとグアドループいろいろ

フランスの巨大スーパーマーケット「カルフール」がありました。

広大な店内。何でもそろっています。

マクドナルドもありました。黄色い「M」のマークはありません。

 

カルフールから車で約10分、南国らしいフルーツも豊富に取り揃えている「スパイスマーケット」。

 

2015年5月にオープンしたメモリアルACTeは、グアドループの歴史博物館

 

「.gp」を探しに、ダウンタウンを散策します。

カッコいい壁画アートがいたるところにあります。

マルティニーク同様、フランスのドメイン「.fr」は見かけるのですが、グアドループのドメイン「.gp」は、なかなか見つかりません。

ようやく「.gp」発見! https://www.fraikin.gp/

商用車および産業用車両をレンタルするフレキン社でした。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~グアドループ編~

カルフール内SFR社の販売店がありました。

SFR社のSIMは600Mプランで15ユーロ(約1,800円)。パリでも利用できます。速度は20Mbpsでした。

ホテルのWiFiは、6.2Mbps、ソフトバンクのローミングサービスは710Kbps、空港からホテルまでタクシー乗車中に使用したGlocalmeは16Mbpsでした。


■今回訪れた場所

■ グアドループまでのアクセスはこちら

■「.gp」ドメインの詳細はこちら