アフリカ大陸の南東、約400㎞のインド洋上に浮かぶマダガスカル。その国土面積は日本の約1.6倍にあたる約59万km²で、世界で4番目に大きな島です。島は8000万年以上前に他の大陸と切り離され、動植物は80%以上が固有種という独自の進化を遂げています。世界最大のバニラの生産国でもあり、旧宗主国のフランスの影響で町中には本格的なフレンチや日本のラーメンなども楽しむことができます。我々ドメイン探検隊はそんなマダガスカルの魅力や食文化、動植物の魅力を探ってきました。マダガスカルに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.mg」です。
◆マダガスカルはどこにあるのか?
インド洋に浮かぶマダガスカルはアフリカ大陸東海岸から400km東のインド洋西端に位置しています。人口は2,892万人で首都はアンタナナリボです。使用されている通貨はマダガスカル・アリアリ(1マダガスカル・アリアリ=約0.033円※)。公用語はマダガスカル語、フランス語です。日本との時差は-6時間です。
※2023年10月時点
= 目次 =
◆15時間半で行ける世界で4番目に大きい島
◆神戸で修行したヨラさんの豚骨ラーメン店と日本人オーナーの和食レストラン
◆治安が良くない市場と「マダガスカルの車窓から」~マダガスカルいろいろ~
◆マダガスカルにしか生息していないキツネザルに会う
◆フランス料理が安くて美味しい~マダガスカルの食事事情~
◆「.mg」のレジストリを訪問~街で見かけた.mgドメイン~
◆現地SIM速度調査~マダガスカル編~
◆15時間半で行ける世界で4番目に大きい島
日本からマダガスカルへは、レユニオン、エチオピア、モーリシャス、ヨハネスブルグ、パリ経由などがあります。その中でも航空料金が安く所要時間の短いレユニオン経由を選択しました。羽田からバンコクまでは約6時間半、バンコクからレユニオンは約7時間半、レユニオンからマダガスカルの首都アンタナナリボはエールオーストラル、コルセール航空、マダガスカル航空を利用し約1時間半、計15時間半で到着します。我々は日程の都合上、マダガスカルのリゾート地、サント・マリー島経由で首都であるアンタナナリボへ向かいます。
1962年設立のマダガスカル航空はアフリカ近隣諸国、インド洋各島への路線が主体でヨーロッパへは3路線のみ。プロペラ機で狭い機内ですが、レユニオンから経由地のサント・マリー島へ出発です。
1時間5分の短いフライトなのに、機内食(サンドイッチ、チョコレート)も出ました。
サント・マリー島が見えてきました。マダガスカルの北東部に位置する美しい島で、白い砂浜、ターコイズブルーの海、熱帯雨林、多くの野生動物が生息する人気のリゾート地です。
サント・マリー島に到着。タラップを降ります。
離陸後、アンタナナリボへ向かう乗客はトランジットの札を受け取ります。
入国審査後、荷物を一度ピックアップし新たに預け直します。
再び同じプロペラ機に搭乗。いよいよ首都アンタナナリボへ1時間10分分のフライトです。しばらくすると、グリーンランド島、ニューギニア島、カリマンタン(ボルネオ)島に次いで世界で4番目に大きい島、マダガスカルの大地が見えてきました。
アンタナナリボに到着。まずは空港でユーロからマダガスカルアリアリに両替します。両替は窓口ではなく、専用の部屋がありました。通貨はマダガスカルアリアリで1マダガスカルアリアリは0.032 円です。(2023年10月時点)
空港の出口でアンタナナリボ市街地へのアクセスを考えていたところ、タクシー運転手に声をかけられました。
声をかけてくれた男性の名前は、ハーリーさん。シャトルバスより安い20ユーロ(約3,248円)でホテルまで行ってくれるとのこと!ハーリーさんは誠実な人柄でフランス語圏にも関わらず英語が堪能ということもあり、滞在した3日間、ずっとお世話になりました。
空港から約30分でホテル「ibis Antananarivo Ankorondrano」に到着。近くにスーパーやレストランもありました。
部屋はコンパクトですが、エアコン、テレビ、ミニバー等があって清潔です。無料Wi-Fiも使えます。
部屋からは市内が一望できました。起伏に富んだカラフルな街並みが特徴で趣があります。マダガスカルの電力網は十分に発達していないので、たまに停電しますが、それ以外は快適に過ごすことができました。
◆神戸で修行したヨラさんの豚骨ラーメン店と日本人オーナーの和食レストラン
マダガスカルに本格的な豚骨ラーメン店があると聞いて、タクシーで向かったのはFeima Hotel。このホテルの屋上にあるようです。
お店の名前は「TORA TO RYU」(虎と龍)。4階でエレベーターを降りて、階段で屋上に向かいます。
屋上に到着。美味しそうな匂いがしてきました。
日本語対応のメニュー。
まずは三頭の馬の首がラベルにデザインされているマダガスカルのビール「THB(Three Horses Beer)」(6,000マダガスカルアリアリ、約195円)で乾杯します。
注文した黒ラーメン(19,500マダガスカルアリアリ、約634円)、からあげ(9,500マダガスカルアリアリ、約309円)、チャーシュー丼(13,500マダガスカルアリアリ、約439円)、マダガスカルのコーラ「ワールドコーラ」(6000マダガスカルアリアリ、約195円)が来ました。見た目は日本の豚骨ラーメンと変わりません。フランス産の小麦粉を仕入れて製麺しているそうです。
あまりの美味しさにあっという間に完食!アフリカでいただく日本の豚骨ラーメンは格別でした。
神戸で修行したマダガスカル人のヨラさん。彼女は20日間の研修で、レシピや接客のノウハウなどを学び、神戸市や尼崎市などで豚骨ラーメン店「虎と龍」などを運営する「TDF」の系列店として、2022年11月にお店をオープンしました。
翌日、我々が向かったのは日本人が経営する和食レストラン「SHIZUKU」。昼時の店内は満席です。
入口近くには本日のランチメニューが書かれています。
ドメイン島巡りでは、ほぼ毎回現地のお寿司を食べています。なので、寿司ミックス(70,000マダガスカルアリアリ、約2.299円)を注文。どのネタも美味しい!
色鮮やかなカリフォルニアサーモンロール(98,000マダガスカルアリアリ、約3,187円)。
衣がサクサクの天丼(82,000マダガスカルアリアリ、約2,668円)。
昔ながらの醤油ラーメン(50,000マダガスカルアリアリ、約1,625円)。
全部美味しいので、どんどん注文します。餃子(23,000マダガスカルアリアリ、約747円)。
そして、とんかつカレー(60,000マダガスカルアリアリ、約1,952円)。こちらは専門店が開けそうなくらい絶品でした!
オーナーの庄司さんです。企業の専属料理人としてマダガスカルに赴任後、独立して出店。すでに6年も現地で生活されています。アフリカで本格的な和食をいただきました。
◆治安が良くない市場と「マダガスカルの車窓から」
~マダガスカルいろいろ~
アフリカの桜と言われるジャカランダです。開花時期は10月末頃からですが、我々が訪れた10月中旬でも咲き始めていました。鮮やかな紫色がとても綺麗です。
坂や階段が多いアンタナナリボ。この階段を下りていくと市場があります。アンタニナレニナの庭園にある観光案内所「Office de tourisme」では、アンタナナリボ市内散策ツアーを企画していますが、治安が良くないことを理由に市場を避けるそうです。我々は市場に行ってみることにしました。
市場へ続く階段の両側に、切れ目なく露店が並びます。
市場に到着。とても活気があります。「外務省海外安全ホームページ」によると、マダガスカルは最貧国のひとつで、以前から貧困に起因した強盗やスリ・ひったくりが多発しており、2020年以来の新型コロナウイルスの流行で貧困の状況は悪化。これに付随するように犯罪件数は増加し、治安は悪化傾向にあるとのことです。市場だけではなく、アンタナナリボを散策する際は、くれぐれも気をつけてください。
市場を出た我々は車でマダガスカルを巡ることにしました。「マダガスカルの車窓から」、スタートです。
頭の上に物を載せて運ぶ女性たち。
シトロエン2CVのタクシー。シトロエン2CVはフランスのシトロエン社が1948年に発表した、前輪駆動方式の乗用車です。現役で走っている同車を多く見かけました。
川で洗濯をして、地面に洋服を干していました。マダガスカルの一般的な年収は、おおよそ540ドル。洗濯機は安くても300ドル位なので家庭に1台洗濯機を持つのは難しいそうです。
市街地から少し離れると、露店の数は減ってきます。
また街に入ります。人や車だけではなく犬、鶏、豚、牛、山羊が放し飼いにされていました。この牛は、労働力にも食料にもなるゼブ牛です。我々はこのまま、マダガスカルの固有種であるキツネザルに会いに行くことにしました。
ドミニカ国と同じく、マダガスカルには信号機がありません。
しばらく走ると田園風景が広がっていました。マダガスカルの主食は米なのです。「食事をとる」ことを「米を食べる(mihinam-bary)」と表現するほど米が生活に根付いています。1人当たりの年間米消費量は約120kgで、なんと日本人の2倍以上。運転種のハーリーさんも「(景色が」日本と同じだろ?」なんて声をかけてくれました。
そう言えば、和食レストラン「SHIZUKU」を出た後に会った歩道でお弁当を食べる地元の方々は、お米を食べていました。
◆マダガスカルにしか生息していないキツネザルに会う
市内中心部から車で走ること1時間でレミューズパークに到着。ガイドブックには30分とありますが交通渋滞の影響で時間がかかりました。
入場料は大人1名70,000マダガスカルアリアリ(約2.299円)。
パーク内のガイドさんが英語で詳しく説明してくれます。
アメリカ、カナダ、ドイツなど様々な国の旅行者と行一緒に園内を回ります。
写真中央の細くて短い木は、マダガスカルの象徴、バオバブの幼木です。これからどのくらい成長するか楽しみですね。
ガイドさんが立ち止まり、みんなが一斉にカメラを向けたその先にキツネザルがいました。キツネザルは確認されている107種すべてが、マダガスカルにしか生息していない固有種なのです。
様々な種類のキツネザルがいます。親子でしょうか。仲睦まじく寄り添う姿が可愛いですね。
カメラ目線でポーズを決めてくれました。檻もなくこんな間近で見られるなんて!
目の前を元気に飛び回っています。
随分と足が長いですね。
子育て中でしょうか。
レミューズパークは9種類のキツネザルと約70種類の植物を観ることができます。アンタナナリボ市内から車で1時間ほどなので、遠方の自然保護区に行く時間のない方におすすめです。
◆フランス料理が安くて美味しい~マダガスカルの食事事情~
運転手ハーリーさんの紹介でフランス料理店「Hotel Restaurant La Varangue」へ。地元ではかなりの高級店のようで、お店の前にはクラッシックカーが並んでいました。マダガスカルは旧フランス領なので、アンタナナリボ市内にはフランス料理のレストランがたくさんあります。
ドリンクはミネラルウォーター(10,000マダガスカルアリアリ、約325円)、ピニャコラーダ(10,000マダガスカルアリアリ、約325円)、本日のカクテルを 2グラス(60,000マダガスカルアリアリ、約1,951円)を注文。
ふと床を見ると日本製の蚊取り線香が・・・。夜は蚊が多いので助かります。
続いて食事です。フォアグラのテリーヌ(60,000マダガスカルアリアリ、約1,954円)は盛りつけも美しく洗練されています。濃厚でコクがあり本場フランスにも引けを取らない完成度です。
イカの温野菜サラダ(50,000マダガスカルアリアリ、約1,628円)は歯応えも良く味付けも絶妙です。
シャロレー牛のステーキ(354,000マダガスカルアリアリ、約11,533円)。なんと1万円超えです。物価の安いマダガスカルでもかなりの高級なメニューなのではないでしょうか。シャロレー牛のステーキは例外ですが、比較的安くフランス料理を楽しめるのもマダガスカルの魅力の1つかもしれませんね。
◆「.mg」のレジストリを訪問~街で見かけた.mgドメイン~
「.mg」ドメインを管理するレジストリはマダガスカルにあるので、行ってみることにしました。
Radisson Hotelもある少し高級なショッピングモールの敷地内の建物で、「NIC MG」の文字を発見。こちらの2階にあるようです。
階段を上って入口に到着。
中に入ると3人のスタッフが働いていました。ドメイン島巡りという企画で日本から来たことを説明すると、快く招き入れてくれました。
英語が通じるか不安ながらも女性スタッフに話しかけてみたところ、なんと日本語で「こんにちは!」と返ってきました!彼女は日本のアニメが大好きで、アニメを通じて独学で日本語をマスターしたそう。話し方や仕草が完全に日本のオタク女子と同じで、とても可愛い方でした。
街で見かけた「.mg」ドメインを紹介します。空港で見つけた、アンタナナリボとノシベの国際空港における静的および動的パネルの広告を管理するAEROPUBの広告。
オフィス用品を販売するLe Papetier 。
レミューズパークでも「.mg」が使われていました。
掃除用品や衛生用品を販売するPROD’HYG。
世界最大の総合航空貨物輸送会社FedEX。
◆現地SIM速度調査~マダガスカル編~
マダガスカルではeSIMのAiraloを利用しました。10GB Discover Global eSIM(59USドル、約8,845円)を購入。
アンタナナリボで測定したところ9Mbpsで利用に支障のないネット環境でした。海外に行く予定のある方はこちらを参考にしてください。ちなみにUbigiは遅すぎて利用できませんでした。