大西洋のサンゴ礁に浮かぶ700を超える島で構成されているバハマ(正式名称 バハマ国)。有人島は30余りです。観光業やタックスヘイヴンなどの金融業が経済の中心で、2016年のバハマ文書(実態のない会社を設立、運用した租税回避行為に関する文書)も有名です。ドメイン探検隊は、首都ナッソーの魅力を探ってきました。バハマに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.bs」です。
◆バハマはどこにあるのか?
カリブ海に浮かぶ島国でフロリダ半島から800kmと近く、南西にキューバ、南東にハイチがあります。人口は約41万人(2022年発表)、国土面積は13,880km²で福島県とほぼ同じ大きさ。使用されている通貨はバハマドル(1バハマドル=約147円※)です。レートはアメリカドルと対価でアメリカドルも利用できます。公用語は英語。日本との時差は-14時間です。
※2024年3月現在
= 目次 =
◆ナッソーを散策
◆カリブの海賊の聖地にあるパイレーツオブナッソー博物館
◆奴隷に作らせた女王の階段と暗号通貨コワーキングスペース
◆パラダイス島の巨大テーマパークリゾートはまさにパラダイス
◆みそ汁1杯1,470円!高級和食レストラン~バハマの食事事情~
◆街で見かけた.bsドメイン
◆現地SIM速度調査~バハマ編~
◆ナッソーを散策
リンデン・ピンドリング国際空港に到着しました。
空港のタクシー乗り場。タクシーで首都ナッソーに向かいます。
日本人観光客が3人しか行かないナウルと同じように、放し飼いの犬が多いですね。
空港から約30分でナッソーに到着。
バハマは1964年に自治権を獲得するまでイギリスの植民地で、現在もイギリス連邦の加盟国です。街では英国の影響が色濃く残った建物がたくさん見つかります。
小さな島国のため全てがコンパクトです。少し大きめのこの建物は国土測量局(The Lands and Surveys Department)でした。土地の登記等が手続きできます。
港ではカリビアンクルーズの寄港先として、たくさんの大型客船が停泊していました。
その近くには沈みかけの船。投棄されているようです。
スターバックスを発見。ナッソーにはスターバックスが14店舗あります。
バハマ限定マグカップが販売されていました。
◆カリブの海賊の聖地にあるパイレーツオブナッソー博物館
1706年から1718年まで、海賊共和国と呼ばれる海賊の共同体がナッソーを拠点としていました。リアルな「カリブの海賊」です。海賊の歴史を知ることができるパイレーツオブナッソー博物館に行ってみましょう。場所はナッソーの中心地にあります。入館料は大人1名、14バハマドル(約2,060円)。
館内は、まるでディズニーランドのカリブの海賊!蝋人形の迫力!
音声や照明も含めて、五感に訴えるように全力で当時のナッソーの街並みが再現されています。
投獄されている海賊。あまり辛そうな感じはしないですね。
そしてユニークなのは、至る所に「〇×クイズ」が用意されていること。例えばこの問題は「この絵のように、海賊は捕らえた者を板の上で歩かせることがよくあった。〇か×か?」。
下の黒い布をめくると正解が書かれています。この問題の正解は「×」。これは多くの海賊の物語や映画で表現されているので、頻繁に行われているように思われがちですが、記録によると実施されたのは1件だけだそうです。勉強になります。
リラックスしている海賊たちに見つからないように、博物館を後にしました。
◆奴隷に作らせた女王の階段と暗号通貨コワーキングスペース
博物館から歩いて10分ほどのところに、女王の階段があります。「女王」とは、英国ヴィクトリア女王のこと。ヴィクトリア女王が即位後に奴隷制度が廃止されたため、これを称えて命名されたそうです。
当時の奴隷が手作業で作った階段。数えてみると66段ありました。
横幅は成人女性が2人並んで通れるくらいです。
階段を上から眺めていると、男性が階段をエネルギッシュに駆け上がってきました。
お話しを聞いてみると、日々のトレーニングにこの階段をいつも走り抜けているとのこと。
続いて我々は暗号通貨系コワーキングスペースのクリプトアイル(Crypto isle)に向かいます。バハマは、暗号通貨の楽園として有名でした。2020年後半に、「Digital Assets and Registered Exchanges」と呼ばれるデジタル試算と登録取引所に関する法律が成立したことで、暗号通貨ビジネスの中心地となったのです。ホームページによると、クリプトアイルはブロックチェーン技術と暗号通貨を通じて、カリブ海の経済的および文化的成長を刺激することを使命としています。
しかし、2022年11月の仮想通貨取引所FTX経営破綻と同社代表のバンクマン・フリード氏の逮捕によって、バハマの暗号通貨ビジネスは崩壊してしまいます。気さくで話し好きなタクシー運転手さんでも、暗号通貨の話題を出すと「お前は FTX の関係者なのか?」と口を閉ざしてしまいました。
クリプトアイルは我々がアクセスできる唯一の暗号通貨関連施設です。
到着しました。オフィスを探しましょう。
オフィスに行くと、クリプトアイルの運営者の一人である女性にお話を聞くことができました。残念ながらFTX破綻の事件以降、多くの暗号通貨系プロジェクトはクローズしてしまって、現在はコミュニティとしてはあまり機能していないとのことでした。
Googleの口コミでコワーキングスペース利用者が素晴らしいと絶賛する、クリプトアイルから見えるマリーナの景色を堪能して次なる目的地の巨大テーマパークリゾート、アトランティス・バハマ(Atrantis Bhamas)へ向かいます。
◆パラダイス島の巨大テーマパークリゾートはまさにパラダイス
アトランティス・バハマは、クリプトアイルのあるプロビデンス島ではなく、隣のパラダイス島にあります。クリプトアイルからは約1km、車で約3分。有料のアトランティス橋を渡ってすぐです。
到着しました。アトランティス・バハマは、古代都市「アトランティス」をモデルとして作られたテーマパークリゾートでホテルの客室は2,500以上。超巨大です。巨大すぎてカメラに全貌が収まりません。
海に隣接しているので船の乗り入れもできます。セレブが自家用クルーザーで遊びに来る際のハーバーですね。
受付はまるで美術館です。
受付の奥には広々とした快適なラウンジ。
先ほどの写真の奥の方で青白く光っていたのは巨大な水槽です。魚がいっぱい泳いでいます。
屋外に出ると家族連れが楽しめる巨大なプールがあったり、ミズガメやサメがいました。こちらはサメです。
そう言えば、ナッソーの街中で見つけたウェルカムメッセージに描かれていたカジキマグロは、バハマが1969年に発行した50セント銀貨のデザインにも使用されています。
カジキマグロはカリブ海にも多く生息し、バハマでは海の象徴として国章にも取り入れられているのです。
屋外を歩いていると水上遊園地もありました。ウォータースライダーをはじめ、様々なアクティビティを楽しむことができます。
お土産屋さんもあります。入ってみましょう。
バハマ名物のラム酒とラムケーキが充実していました。
敷地内に放し飼いの犬はいませんが、たまに猫が散歩しています。
併設されているカジノをちょっと見学。
ゲームコーナーにはパックマンがありました。日本のゲーム文化は偉大ですね。
ちなみに我々が宿泊したホリデイ イン エクスプレス & スイーツ ナッソー IHG ホテルでも、一泊一人当たり317バハマドル(約46,500円)。バハマの物価はとても高くて驚きました。
◆みそ汁1杯1,470円!高級和食レストラン~バハマの食事事情~
お腹が空きました。カジノコーナーの隣にあるレストランで夕食にしましょう。お店の名前は「NOBU」。世界5大陸30都市に展開している高級和食レストランです。通されたウェイティングエリアにはカジュアルな服装の人もいれば、バッチリ決め込んでセレブオーラを放っている人もいました。
ラグジュアリーなカウンターで寿司を握る職人たち。
おしゃれなシャンデリア風照明など、贅を尽くした内装になっています。
店内にあるバーカウンターは落ち着いた雰囲気です。一つの店舗の中に、全く異なる雰囲気の空間が違和感なく同居しています。
NOBU では全ての料理が日本では信じられない高級価格です。このみそ汁、なんと10バハマドル(約1,470円)!ほんの少しの葱と菜葉、欠けて小さくなった豆腐らしきものが入っていて、味は普通でした。
バハマ名物のコンク貝のカルパッチョ(28バハマドル、約4,200円)。コリコリとした触感がとても美味しい!
お寿司はおまかせ握りを注文。これで65バハマドル(約9,500円)ですが、海外とは思えないクオリティの高さでした。ローカライズされたアレンジ寿司ではなく、日本国内で食べるお寿司と同じです。
ウェイターさんのおすすめということで、焼きロブスター(70バハマドル、約10,300円)も注文しました。大きさにびっくり!
◆街で見かけた.bsドメイン
官公庁(Ministry of Social Services)で使用されています。
こちらは建築会社。
◆現地SIM速度調査~バハマ編~
eSIMのAiraloを利用しました。速度は15 Mbpsでした。海外に行く予定のある方は「最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由」を参考にしてください。