日本から約13時間で行けるアフリカ、セーシェルの夕陽を見に行ってきた

誰もが知っている国名ではない割には、「セイシェルの夕陽」(松田聖子)、「セイシェル 〜海の聖者〜」(サザンオールスターズ)、「憧れのセーシェル諸島」(高中正義)、「こちらセーシェル バカンス島」(高本めぐみ)等、歌のタイトルに使われるセーシェル。“インド洋の真珠”と呼ばれるセーシェルの夕陽がどのくらい美しいのか、見に行ってきました。割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.sc」です。

◆セーシェルはどこにあるのか?

セーシェル共和国は、アフリカ大陸の東、約1300㎞のインド洋に浮かぶ大小115の島々で構成されています。キャサリン妃がウィリアム王子と訪れたり、ロマンティックなリゾート地としてヨーロッパのセレブ達の人気を集めています。世界銀行によって高所得経済に分類されているアフリカで唯一の国。利用されている通貨は、セーシェルルピー(SCR)。1SCRは、約8円(2020年3月現在)です。

= 目次 =

◆ロストバゲージのまま土砂降りのプララン島へ

◆世界一のビーチはアンスラジオ

◆幻のコンビニ「SPAR」発見

◆セーシェルの夕陽

◆現地でのSIM購入&速度調査~セーシェル編~

 


◆ロストバゲージのまま土砂降りのプララン島へ

日本からセーシェルに行くには、スリランカ経由が早いとされています。スリランカまで約9時間20分、スリランカからセーシェルまで約4時間、合計約13時間。我々は前の島巡り先であるモルディブからスリランカ経由でセーシェル入り。午前4時過ぎに到着した我々を待ち受けていたのは、ロストバゲージでした。ドメイン島巡り第22回目にして初のロストバゲージ。

ロストバゲージであることを伝え、諸々の手続を終えた後、ガッカリしながら空港を後にして宿泊先へ向かいます。1部屋だけアーリーチェックインできる予約をしていたので、少し休んでから出発のはずが、チェックインできないとのこと。。。仕方がないので空調のない宿泊先の廊下で、言葉を交わすことなく約1時間を過ごしました。雨は止みそうにありません。雨が降り始める中、ココ・デ・メール(フタゴヤシ)の群生で有名なプララン島に向けて出発です。旅行サイト等に掲載されているプララン島はこんな感じです。

乗船した「Cat Cocos」の船は、日本から事前予約可能(前払い)。最も安いエコノミークラスで往復100ユーロ(約12,000円)。

雨は土砂降りで、海上は大しけ。美しい海と海岸が評判のプララン島に向かっているとは思えません。サモアで天候に恵まれず、とんでもない絶景スポットに遭遇したことや、失くしたバッグに入った着替えやドローンのことを考えていたら、船酔いも始まってしまいました。

船内では、海外のドッキリ番組を放映していましたが、それどころではありません。

マヘ島を出発して約1時間。面積38km、人口約6,500人のマヘ島に次いで、セーシェルで2番目に大きな島、プララン島に到着しました。

港にある売店は現地通貨しか使用できません。しかし、売店の隣には米ドル、ユーロ、ポンドに対応した両替所があるのでご安心ください。

ツアーやレンタカー、レンタサイクルなどが手配できそうな窓口もありました。タクシーも手配できます。もちろん、ここプララン島からフェリーや小船で別の島にも行くこともできます。我々はタクシー1台をチャーターして島一周をお願いしました。車はスズキ。運転手さんは「この車は、プララン島のアップダウンに最適だよ」と絶賛していました。


◆世界のベストビーチはアンスラジオ

まず最初に訪れたのは、世界自然遺産に登録されているヴァレ・ド・メ自然保護区、プララン国立公園。公園内は有料と無料エリアに分かれています。我々は、有料エリアには行きません。

プララン島は、アダムとイブ生誕の地「エデンの園」と言われています。19世紀頃、プララン島を訪れたイギリスのゴードン将軍が、女性のおしりのような形の双子ヤシ(ココ・デ・メール)の実をイブ、双子ヤシの雄株の花が男性器のような形なのでアダム、とそれぞれ見えたことから同将軍はこの双子ヤシは、アダムとイブに違いないと確信。プララン島を保護したと言われています。

気がつくと、雨は止んで晴れ間が出てきました!そして双子ヤシを発見。

敷地内にあるビジターセンター(入場無料)にも展示されています。この双子ヤシはプララン島とキュイーズ島周辺にのみ生息している、世界的に珍しいヤシなのです。

島に生息する生き物の標本(ホルマリン漬け)もあります。

プララン国立公園の次の目的地は、CNNの世界ベストビーチランキング1位に輝いた“グランアンス”

実は以前、グレナダを訪れた際に、グレナダにある「グランアンス(グランドアンセ)」がベストビーチと勘違いしたことがありました(実際は30位)。そのため、どうしても本物のベストビーチを、この目で見たいのです。

運転手さんに事情を伝えると、「グランアンスよりもアンスラジオの方がが綺麗だよ!」と言って、アンスラジオに行くことになってしまいました。土砂降りが嘘のような快晴の下、車を走らせること約20分。到着です。ちなみに、運転手さん曰く「朝が雨でも、昼頃には晴れてくることが多いね。10月から11月は雨が降りやすいんだよ。」

おお!さすが地元の方が言うだけあって、最高に美しいビーチ!このアンスラジオはネイティブに発音すると、「アンスラツィオ」。アンスはフランス語で”入江(小さな湾)”という意味です。

ビーチに大満足した後は、近くのレストランでランチです。

タコバーガー(315SR)、海老のフリッター(480SR)、タコカレー(475SR)とSey Pearl(55SR)を注文。

タコバーガーは肉のパティが入っている訳ではなく、ソテーされたタコがサンドしてあり、値段の割にボリュームがありませんでした。

タコカレーは日常的に食べるそうです。後でマヘ島のタクシー運転手さんに聞いたところ、マヘ島では約240SR程度、つまりプララン島の半額近い値段でタコカレーを売っているそうです。

Sey Pearlは、セーシェルブランドのジンジャーエール。

海老のフリッター。見た目通りの味で、美味しかったです。

誰かのおしりが埋まっているのかと思いきや、双子ヤシでした。

運転手さんによると、マヘ島にもグランアンスという名前のビーチが存在しているとのこと。結局、CNNが世界一のビーチに選んだグランアンスは見れませんでしたが、地元ではグランアンスよりも素晴らしいとされているアンスラジオが世界一ということで良いのではないでしょうか。

澄んだ海にきれいな小魚がたくさんいたので、モルディブで買ったパンの実チップスをあげました。


◆幻のコンビニ「SPAR」発見

マヘ島へ行く前にエデン島に立ち寄ります。首都ビクトリアから3.5kmのところにあるエデン島は、2000年代に作られた人工島。この島の主要産業は観光業であり、エデンプラザというショッピングモールと高級住宅エリアが有名と聞きました。

高級住宅エリアに行ってみることに。

エリアのゲート前に到着しました。

ここから先は認証が必要です。部外者は入れませんでした。

それならば、高級住宅エリアの住人が利用するエデンプラザに行ってみましょう。

フローズンヨーグルト店の前には見覚えのある女の子が立っています。そんな物を持ってていいのでしょうか?

散策を続けていると、見慣れたコンビニを発見。SPARです!せっかくなので買い物してみます。

入店すると、持ってきたバックなどは専用ロッカーに預けなければいけません。

ペットボトル版のSey Pearl(22SCR)とドリトス(9.90SCR)を購入。日本で見かけなくなったSPARは、調べてみると2016年8月に日本から完全撤退していました。


◆セーシェルの夕陽

首都ビクトリアのあるマヘ島に移動します。島の面積はセーシェルの三分の一を占める153km2、人口はセーシェルの島の中で最も多く、約80%を占めています。島名の由来は、フランスがセーシェルに探検隊を送り込んだときのモーリシャスの総督名から取ったとされています。

客待ちをしていたタクシーの運転手さんに、「ヴィクトリアの見晴らしの良いスポットに連れてってほしい」と相談すると、「「OK、ボス」」と快諾してくれました。

絶景スポットに向かっていると、何やら立派な建物を発見。「これは、Arul Mihu Navasakthi Vinayagarという寺院だよ。2018年に寺院の上にある黄金の飾りを盗んで捕まったやつがいるんだ」と運転手さんが教えてくれました。

山に突入です。

変わった鳥が現れました。

しばらくすると運転手さんが車をストップ。絶景ポイントではなさそうです。「ここでは、たくさんのリクガメを飼育しているんだ。ちょっと見ていこう」と誘ってくれました。

たくさんのカメがいるのですが、この施設は個人で運営されているとのこと。このようなリクガメはトータス(Tortoise)、カメ全般のことをタートル(Turtle)というそうです。ちなみに、この場所はGoogleマップに情報がありませんでした。

ロッチョン・ダム・ビューポイント(セーシェル共和国) – Spherical Image – RICOH THETA

運転手さんおすすめの絶景スポット、ロッチョンダムビューポイントに到着。晴れていたこともあり、エデン島や遠くの島(おそらくプララン島など)がよく見えました。海に囲まれた島国なのにセーシェルの軍事力は小規模で、総兵力は400人程度。海軍はありません。 海軍の代わりに、セーシェル人民防衛軍で構成された沿岸警備隊が存在します。

そろそろ夕陽を見に移動しても良い頃になりました。運転手さんに「美しい夕陽が見たい!」とリクエストすると、ボウバロンビーチに連れてきてくれました。

しばらくすると、念願の「セーシェルの夕陽」を見ることができました。人気歌手が歌う曲のタイトルになるだけあって、とても美しい夕陽で大満足。

ボウバロンビーチを後にした我々は、お腹が空いたので街でレストランを探していると、「Italian Pizza」の文字が流れる電光掲示板を発見。

入ってみると、ピザ等を提供するイタリア料理店の一角がアイスクリームショップになっています。お店の名前はLa Dolce Vita(ラ・ドルチェ・ヴィータ)”。海外の人気リゾート地を紹介する日本の番組でも紹介されたことがあるそうです。

アイスクリームショップで、セーシェルの名産品の一つであるバニラビーンズがかかったパフェ(195SCR)を注文。約1,600円もする、セーシェルでは非常に高価なパフェでしたが、値段以上に美味しく感じました。

長い一日がようやく終了。宿泊先に戻ると、なんとロストバゲージした荷物が届いてました!良かった!


◆現地でのSIM購入&速度調査~セーシェル編~と街で見かけた「.sc」

エアテルの1.5GBで30日間利用できるSIMを、エデン島のエデンプラザ内にあるコンビニのようなお店で購入。299SCRでした。

エアテルの直営店にも行きましたが、営業時間と合わず、購入できませんでした。

速度は全く問題なく、安定していました。

セーシェルに割り当てられたccTLD「.sc」は、我々が訪れたマヘ島、プララン島、エデン島で見かけることができました。

 


■今回訪れた場所

 

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