世界唯一の3ドル紙幣があるクック諸島で中古の日本製公共バスに乗って島を一周してみた

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イギリスの海軍軍人で探検家のジェームズ・クックに発見され、同氏の名が名づけられたクック諸島は、南太平洋に浮かぶ15の島々から成る国家であり、首都アバルアがあるラロトンガは大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」のロケ地としても知られるリゾート地です。ラロトンガで島を一周している日本製の中古路線バスに乗り、世界唯一の3ドル札を探し、揚げ寿司などのグルメ店、歴史博物館などを訪れて島の魅力を探ってきました。クック諸島に割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.ck」です。

◆クック諸島はどこにあるのか?

ニュージーランドから飛行機で4時間ほどの場所に位置し、フィジーとタヒチの間にあります。島々の総面積は237㎢で大阪市とほぼ同じです。今回訪れたのは国際空港のあるラロトンガ島。使用されている通貨はNZドル(1NZドル=約95円※)です。※2024年5月現在

= 目次 =

◆合宿所みたいなホテル

◆中古の日本製公共バスに乗って島を一周

◆食べられなかった揚げ寿司と魚料理~クック諸島の食事事情~

◆世界唯一の3ドル紙幣を手に入れる方法~クック諸島いろいろ~

◆「.ck」のレジストリにあったメルヘンなパラボラアンテナ

◆街で見かけた.ckドメイン

◆現地SIM速度調査~クック諸島編~

 


◆合宿所みたいなホテル

ニュージーランドから約4時間のフライトでラロトンガ国際空港に到着。タラップを降り、蒸し暑い屋外を歩いて入国審査へ向かいます。

入国審査の前に職員から旅行の目的を詳細に尋ねられました。また、ニュージーランドと同様にバイオセキュリティチェックが行われます。ニュージーランドでは、チェックカードの提出と口頭によるチェックがありましたが、カードの提出のみでした。

入国審査を終えるとウクレレの生演奏で入国を歓迎してくれました。

クック諸島で利用できるeSIMのプランが無かったため、SIMを手配します。空港内は夜10時過ぎでもvodafoneが営業していました。

プランは15日49NZドル(約4,655円)か28日69NZドル(約6,555円)しか選べません。滞在期間1泊2日の我々は、仕方なく15日のプランを選択。クック諸島はロングバケーションの観光客が多いのでしょうか。

空港からホテルの送迎車で移動します。

5分ほどでセントラルモーテル(Central Motel)に到着。フロントはありません。ホテルのスタッフも見当たらないので、チェックイン作業はありませんでした。各部屋はガラス製の引き戸で、合宿所のような雰囲気です。引き戸に貼ってある付箋に書かれた自分の名前を確認して入室します。

内側からしっかり施錠して、カーテンを閉めます。鍵は棚の中に置いてありました。

合宿所みたいですが、部屋には食器やポット、電子レンジもありました。ドライヤーはありません。蚊や虫がいるので虫除けグッズを持参することをおすすめします。

中庭から猫の鳴き声がするので慌てて中庭に出てみると、暗闇の中に可愛らしい子猫がいました。

翌朝はけたたましい鶏の鳴き声と芝刈り機の音で起床。鶏は島のいたるところで放し飼いにされていました。

ホテルはプールのある中庭を囲む2階建てでした。あいにくの天気の中、調査開始です。


◆中古の日本製公共バスに乗って島を一周

ラロトンガには島を一周する公共バス「Cook’s Island Bus」(※リンク)が走っています。専用のバスアプリ(Transportme Passenger)があるのでダウンロードしてみました。バスの現在地がリアルタイムでわかるはずなのですが、なぜか表示されません。バス停の位置は表示されるので、各バス停の場所を知ることはできます。

アプリを頼りに始発及び終着のバス亭「クックスコーナー(Cook’s Corner)」に向かいます。セントラルモーテルから歩いて10分、小さなカフェやお土産屋が集まったショッピングモールの一角にCook’s Island Busの立て看板を発見。次の出発時刻が手書きで記載されています。島の海岸沿い道路を時計回りする「Clockwise」と反時計回りする「Anti Clockwise」があり、どちらも1時間間隔で運行しています。

午前10時30分発車の「Anti Clockwise」コースに乗ることに決めました。バスを待つ間、お土産屋を覗いてみましょう。

鳥がデザインされたかわいい商品がたくさんありました。

ラロトンガでは、ナウルドミニカ国と同様に、放し飼いの犬をよく見かけます。

バスが到着しました。乗車の際、運転手に5 NZドル(約475円)を支払います。距離に関係なく1回5 NZドルになります。

見覚えのあるような柄のシートに座ります。どこか懐かしく柔らかな座り心地です。

ルームミラーの上に「禁煙」の文字を発見。日本製の中古バスが活躍しているのですね。クック諸島の交通ルールは日本と同じ左側通行です。

さあ出発です。冷房はありません。雨が吹き込んできますが、ほとんどの窓は全開です。バスは島の外周道路32kmを約50分で一周します。

全開の窓からラロトンガの景色を楽しみます。昨夜、我々が降り立ったラロトンガ国際空港。

クック諸島議会議事堂です。クック諸島の国会が開催される場所。

のどかな景色が続きます。

バスに揺られること40分。2階建てのカラフルでかわいい建物の前にあるバス停、「モーリングカフェ(Mooring Fish Café)」で停車したので降りてみました。この建物はテアラ文化企業博物館(Te Ara Cook Islands Museum of Cultural Enterprise)でした。

入館料は15NZドル(約1,425円)。クック諸島の歴史を展示するとともに、地元の文化ビジネスのインキュベーターとしての役割を果たすことを目的として2017年2月にオープンしました。

テラス席と屋内にも飲食スペースがありました。

博物館を後にした我々は昼食を済ませ、再び「Anti Clockwise」(反時計回り)のバスに乗ります。

クック諸島で最も古い建物の 1 つ、バナナ コートにある「 id.CK」は、最新のファッションやアクセサリーを販売しています。「 id.CK」を過ぎると数分でクックスコーナーに到着。島一周終了です。道中、信号機は1つもありませんでした。


◆食べられなかった揚げ寿司と魚料理~クック諸島の食事事情~

・揚げ寿司が有名な「Body Fuel Cafe」

朝食を食べに、セントラルモーテルから歩いて15分の「ボディフューエルカフェ(Body Fuel Café)」に行ってみました。お店は海沿いにあって、周囲には小さな飲食店が並んでいます。風が強く小雨が降っていたせいか、お客さんは誰もいません。

人気メニューは揚げ巻き寿司とのことなので、早速頼んでみました。10NZドル(約950円)。

日本でお馴染みの魚型醤油入れがついてきます。

美味しい!でも、揚げてある感じはしません。具は照り焼きチキンと生のキュウリと人参のようです。後で確認したところ、お店のホームページで揚げ巻き寿司が紹介されていました。我々が注文したお寿司とは明らかに異なります。

・海辺のオープンレストラン「The Mooring Fish Cafe」

公共バスを途中下車して立ち寄ったテアラ文化企業博物館から、歩いて数分の場所にあるレストラン「モーリングカフェ(Mooring Fish Café)」で昼食を食べます。

バス停の名前にもなっているモーリングカフェは、地元の人や観光客で賑わう、島で一番の人気店とのこと。今日のスペシャルメニューと、スマイルはいつも0円と書かれています。どこかで聞いたことがあるフレーズですね。

感じの良い店員さんが料理を運んできてくれました。

我々が注文したのは、左のフィッシュ&チップス(22NZドル、約2,090円)、中央上の揚げたマヒマヒ(シイラ)をパンで挟んだFOB(18.50NZドル、約1,758円)、右下のケジャンメキシカンタコス(25NZドル、約2,375円)。どれも異なった味付けなので、ボリューム満点でも飽きずに食べました。タコスはグリルになっていて、フィッシュフライは外がさくさくで中はとろとろ、FOBはカリっとしていて、違う食感が楽しめました。

お店の目前にある道路を渡ってビーチに行くと見渡す限りの蟹を見ることができる、との情報を得たので、食後に行ってみることにしました。しばらく海岸周りを散策して観察しましたが、蟹は一匹も見つけられませんでした。天気の良い日に来れば蟹がたくさん見られたかもしれません。


◆世界唯一の3ドル紙幣を手に入れる方法~クック諸島いろいろ~

津波が来た際の避難ルートを示す看板が島内各所にありました。

アバルアにあるホテル。フロントのソファで気持ちよさそうに眠っている猫がいました。誰も気にしていないのが良いですね。

アートギャラリーのような一般住宅。

クックスコーナーから歩いて3分のところに「コンピューターマン(The Computer Man)」というお店を発見。中に入ってみましょう。

コンピューターマンはパソコン及び周辺機器、オーディオ機器等を販売するお店。2000年にオープンしました。販売だけではなく、出張サービスでパソコンやインターネット接続の設定をサポートしています。

クック諸島には世界で唯一と言われる大変珍しい3ドル紙幣があります。ただ、滅多に流通することがないため、出会ったら運が良いと言われているほどです。出会いを待っている時間が無い我々は、BCI Bankに行ってみました。

とりあえず中に入って順番を待ち、窓口で3ドル紙幣が欲しい旨を伝えると、なんとあっさり3NZドル(約285円)で換金してくれ、手に入れることができました。これが世界唯一、クック諸島にしかない3ドル紙幣です。

ちなみにクック諸島のコインの2ドル硬貨は三角形でした。紙幣も硬貨もユニークなお土産になりそうです。


◆「.ck」のレジストリにあったメルヘンなパラボラアンテナ

「.ck」ドメインのレジストリがここラロトンガにありました。いつも通りアポイントメントはありませんが、行ってみましょう。

vodafoneが管理しているそうで、敷地内には大きなパラボラアンテナがいくつかあります。

地面に落ちて内側には草木が生茂っているパラボラアンテナを発見。小動物が飛び出て来そうな、メルヘンな雰囲気がありました。

残念ながら担当者はニュージーランドに出張中のためお会いできませんでしたが、他のスタッフが丁寧に対応してくれました。


 ◆街で見かけた.ckドメイン

ラロトンガでは「.ck」を多く見ることができました。我々が宿泊したセントラルモーテル。

ラロトンガ主要中央ビジネス地区における改造計画第一弾のアナウンス。当計画には歩道、街灯、歩行者のアクセス性、安全性を大幅に改善することや、公衆トイレの再開発、利用者の快適な体験を実現する等が含まれています。完了までの予想期間は最大で18か月だそうです。

ラロトンガツアーの看板。

ゲストハウス。


 ◆現地でのSIM速度調査~クック諸島編~

ラロトンガ国際空港で購入したSIMカードを利用しました。速度は46Mbpsでした。海外に行く予定のある方は「最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由」を参考にしてください。

 


■今回訪れた場所

■クック諸島までのアクセスはこちら

 

■「.co.ck」ドメインの詳細はこちら