国家元首の地位を個人(君主)に持たせない共和制国家であるサントメ・プリンシペ(正式名称 サントメ・プリンシペ民主共和国)。経済は、カカオ豆の生産およびその輸出に大きく依存しています。観光業も重要な産業の一つですが、観光客が少ない国として有名です。ドメイン探検隊は、首都のあるサントメ島の魅力を探ってきました。サントメ・プリンシペに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.st」です。
◆サントメ・プリンシペはどこにあるのか?
アフリカ大陸のギニア湾に浮かぶ火山島のサントメ島、プリンシペ島、およびその周辺の島々から形成されています。人口は約22万人(2021年発表)、国土面積は1,001㎢で東京都の約半分の大きさ。使用されている通貨は、サントメ・プリンシペドブラまたはユーロ(1ユーロ=約161円※)です。1ユーロ=24,500サントメ・プリンシペドブラ(STNまたはDb)と固定レートが採用されています。公用語はポルトガル語。日本との時差は-9時間です。
※2024年1月現在
= 目次 =
◆観光客が少ない国ランキング第3位
◆まるでアニメの世界!高さ663mの岩塔
◆赤道の上に立ってみた
◆200年以上の伝統を受け継ぐサントメ産チョコレート専門店「Diogo Vaz」
◆サントメ・プリンシペの食事事情
◆街で見かけた.stドメイン
◆現地SIM速度調査~サントメ・プリシンペ編~
◆観光客が少ない国ランキング第3位
首都があるサントメ島へはポルトガルのリスボン経由で向かいます。リスボンからサントメ島まではポルトガル航空TAPを利用して、サントメ国際空港に到着しました。時刻は17時。
「Bem – Vindos(ようこそ)」と観光客を歓迎するボード。2017年に発表された世界観光機関の報告書によると、サントメ・プリンシペは「最も観光客が少ない国ランキング」の第3位にランクインしていました。ちなみに第1位はツバル。ドメイン探検隊はツバルでiPhoneが使えるのかどうか、片道40時間をかけて現地で調べたこともありました。
小さな空港ですが、送迎の人達で賑わっています。
タクシーで宿泊先のホテルへ向かいます。
フロントガラスに大きなひびが入っていますが、運転手さんは気にしていません。
空港からサントメ市内までは約10分。ホテル「Pestana Miramar São Tomé」に到着しました。途中、間違えて同じような名前のホテルPestana São Toméで降ろされそうになりました。Pestana系列のホテルは多いので、間違えないように注意してください。
チェックインを済ませて部屋へ。とても綺麗です。
翌朝、調査出発前にホテルで朝食をとります。
美味しそうなパンがたくさん!
敷地内にはプールがありました。ホテル周辺の治安は悪くありません。ただ、歩いていると小物やお土産を買わないかと言って近づいてくる人が多い印象でした。慣れてしまえば怖くないものの、最初は少し戸惑うかもしれません。
◆まるでアニメの世界!高さ663mの岩塔
サントメ・プリンシペを形成する島の一つ、ロラス島には赤道が陸地を通っていることを示す赤道記念碑があると聞いて、行ってみることにしました。
まずはタクシーで港町Porto Alegreへ向かいます。おそらく1本しかないであろう、ところどころガタガタとは言え舗装されている道をしばらく南下していきます。
いくつかの村を抜けるとジャングルのような緑に囲まれた道になりました。
よく見かけたのは放し飼いにされている豚。
サントメ市内から1時間以上走ったところで集落を通過。川で洗濯をしています。
マダガスカルと同じように地面に洗濯物を干していました。
さらに進んで行くと、我々は気になる物を発見しました。明らかに山ではない何かが雲に向かって伸びています。
だんだん近づいてきました。相当な高さです!
ついにその全貌を見ることができました。これはピコ・カン・グランデと呼ばれる岩塔で、数千年前に活火山の噴出口内で高圧マグマが固化して形成された火山岩栓です。岩塔はオボ国立公園の中にあり、高さはスカイツリー(634m)よりも高い海抜663m。麓からの高さは370mで、山々の中にそびえる不思議な形をした岩塔は、まるでアニメの世界のようでした。
また、ピコ・カン・グランデはクライミングスポットとしても知られています。1991年2月、日本人3名の登山家グループ、高橋葉介氏、森山健一氏、縣直利氏は初登頂に成功しました。驚くことに運動靴で登頂したそうです。
◆赤道の上に立ってみた
ピコ・カン・グランデを堪能して、再び赤道記念碑を目指します。
ようやく港町Porto Alegreに入りました。2時間半以上かかりました。
ロラス島へ向かうボート乗り場に到着。
男性たちがカードゲームを楽しんでいます。
ランチのためにバナナを揚げていました。美味しそう!
ロラス島へ向けてボートで出発です。ボートに乗る際にライフジャケットを着用しました。着用するのは乗客のみ。1人当たりの料金は乗船料10ユーロ(約1,610円)、赤道記念碑までのガイド料5ユーロ(約805円)です。
ボードで走ること15分。正面にロラス島が見えてきました。
ロラス島に到着。
海もビーチもとても綺麗です。
ガイドさんによると、島には175人が暮す小さな村があるそうです。
レストランを発見。
村を抜け、ジャングルのような道を歩いていきます。とても暑いです。赤道直下ということもあるのでしょうか。
15分ほど歩くと赤道記念碑がある場所に辿り着きました。
ありました!赤道記念碑です。 ここで地球が北半球と南半球の2つに分断されていると考えると、とても不思議な感じがします。赤道の線の上を歩いてみたり、体半分をそれぞれ北半球と南半球にしてみたりしました。ここまで来るのは非常に長い道のりでしたが、赤道が通る国は14カ国しかないので、訪れる価値はあると思います。
◆200年以上の伝統を受け継ぐサントメ産チョコレート専門店「Diogo Vaz」
サントメ・プリンシペ特産のカカオを使ったチョコレート専門店「Diogo Vaz」(ディオゴヴァス)に立ち寄ります。
アナ・シャーヴェス湾沿いの道にあって見つけやすく、外観はとてもお洒落。入ってみましょう。
店内では色々な種類のチョコレートやジェラートを販売しています。
店内中央にある板チョコレート試食スペース。
一番安い板チョコレートの値段は115Dbs(約753円)。Diogo Vezは直営農園でカカオの栽培からチョコレートの製造までを一貫して行っています。
店内にあるカフェも賑わっていました。
Diogo Vezのチョコレートを使ったケーキやクッキーも販売していました。
お土産用のチョコレート。どれも美味しそうです。Diogo Vez は、1975年以降衰退していたサントメ・プリンシペのカカオ産業を復活させることを目的として、200年前から栽培が始まった品種「アメロナド種」を主に使用し、ブランドをスタートしました。学校や病院の整備など現地に根差す取り組みを行いながら、高品質なチョコレートを製造しています。
◆サントメ・プリンシペの食事事情
我々が宿泊したPestana Miramar São Toméの朝食では、サントメ・プリンシペ産の豆を使ったコーヒーが提供されていました。
ココナッツオイル漬けのフライドバナナ。発酵食品独特のクセがありましたが、健康には良さそうな味でした。
乾燥したカジャマンガやマンゴーもありました。カジャマンガはポリネシア原産のフルーツで、ハワイではWi apple(ウィー・アップル)と呼ばれています。
町中にあるレストラン「Papa-Figo」には、夕食で訪れました。
サントメ・プリンシペのビール「Rosema」(45STN、約320円)とご当地コーラのようなもの(30STN、約220円)で乾杯です。あれ?ビールにはラベルが貼られていませんね。店員さんに聞いたところ、店内のビールは全てラベルが貼られていないとのことです。
「Vermelho Grelhado」という煮魚(300STN、約2,160円)、「Maspombo」と呼ばれる小魚のフライ、バナナフライ付き(100STN、約720円)を注文。どれも日本人の口に合う美味しさでした。
帰り際、店内は予約の団体客も含めたいへん賑わっていました。かなりの人気店のようです。
◆街で見かけた.stドメイン
「.st」ドメインはあまり見かけませんでした。こちらはサントメ・プリンシペの通信会社、CSTの広告に使用されている「.st」。
空港で見かけた広告。TURBOはCSTが提供するパッケージプランの名称です。
◆現地SIM速度調査~サントメ・プリンシペ編~
Pestana Miramar São Toméから徒歩15分のところにあるCSTストア「LOJA CENTRAL店」でSIMカードを購入。19時の閉店ギリギリに間に合いました。
優しい女性スタッフがアクティベートしてくれました。ありがとう!
現地SIMの速度は74 Mbpsでした。海外に行く予定のある方は「最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由」を参考にしてください。