エルフの存在を信じる国アイスランドにはエルフのための法律やエルフ専門学校、エルフのペニスを展示する博物館があると聞いて行ってみた

アイスランド大学による2007年の調査によると、アイスランド人の60%以上はエルフ(妖精)が存在すると信じています。

調べてみると、アイスランドにはエルフ学校やエルフのための法律、エルフに会える場所、そしてエルフのペニスも展示している博物館まであります。エルフと聞くと、アニメやゲームに登場する耳が長くて尖った美少女を連想する方も多いのではないでしょうか?いったいアイスランドにはどんなエルフがいるのか、実際に行って確かめてきました。アイスランドに割り当てられている ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.is」です。

 


◆アイスランドはどこにあるのか?

アイスランドは火山や地震が多く、日本との共通点が意外とある北大西洋上の島国です。寒いイメージがありますが、暖流の影響で首都レイキャビクの真冬の平均気温はマイナス4度程度。居住エリアは海岸沿いに集中し、内陸部はほとんど無人地帯で「ハイランド」と呼ばれています。アイスランドの大きさ(103,000 km²)は、北海道(83,454 km²)より少し大きい程度です。公用語はアイスランド語。英語も通じます。利用されている通貨は、アイスランドクローネ。1ISK(アイスランドクローネ)は、0.88円(2020年2月現在)です。

= 目次 =

◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

◆エルフ遺産保護法とエルフや悪魔に出会えるマップ

◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受けた

◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ~アイスランドの食事事情~

◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

 


◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

ほとんどの旅行者は西部にあるケプラヴィーク国際空港を利用してアイスランドに到着します。荷物受け取り場では、巨大なパフィン(ニシツノメドリ)が天井からお出迎えしてくれました。

パフィンはアイスランドでとても人気がある海鳥で、国鳥的存在。街のお土産店でもたくさん見ることができます。

アイスランドは物価が高く、タクシーの利用はお勧めできません。空港からレイキャビク市内まで約45分のタクシー料金は、18,000クローネ(約15,840円)もします。ぼったくりではありません!アイスランドには電車やメトロが存在しないので、レイキャビク市街地へ行くには空港バスが便利です。我々が利用した「flybus」は2,999クローネ(約2,639円)。市内にあるホテルの近くを巡回してくれますが、巡回順によっては宿泊先ホテルへの到着が遅くなる場合がありますのでご注意を。だいたい1時間ほどの所要時間を見ておくと良さそうです。

バスは空港を出てすぐの非常にわかりやすい場所に待機しています。

レイキャビクに到着。

市内移動は、バスアプリStraetoがおすすめ。バス乗車前にアプリ上で切符を購入できます。支払いはクレジットカード。乗車の際、運転手さんにアプリ内のチケットを見せるだけで乗車できました。ルート検索もできます。

多くのお土産店、ファッションのお店、レストランなどが立ち並ぶ大通りは通るたびに新たな発見があります。エルフを思わせる小人のイラストも見かけました。

そしてレイキャビクのおすすめスポットは、ハットルグリムス教会です。まるでRPGのゲームに出てくる神秘的な「エルフの塔」のよう。

塔の前には、紀元1000年頃にコロンブスより500年程早くアメリカ大陸を発見したアイスランド人のヴァイキング、レイブル・エイリクソンの像が立っています。

ハットルグリムス教会は、レイキャビクのランドマーク的な存在。ここでゲームのキャラクターであるエルフのコスプレ写真を撮ったら、RPGの世界を満喫できそうです。

教会の内部も1階部分は無料で入場できます。

ハットルグリムス教会(アイスランド) #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

この教会のデザインは、マグマが六角形に固まってできた柱状節理と氷河を象徴しています。

ちなみに柱状節理がよくわかるのは、ブラックサンドビーチ。岩体が柱状になっていますね。

 


◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

世界で唯一のペニス専門博物館「アイスランドペニス博物館」は、レイキャビクの中心街にあります。それにしても、なかなか見つかりません。迷ってしまいました。

ようやく発見。そこは何度も通り過ぎていた場所でした。およそ博物館らしくない外観のため、気がつかなかったのです。

我々を導いてくれたのは、この看板。看板の背後で男性がファスナーに手をかけているように見えますが、この時は気がつきませんでした。我々の写真撮影に合わせて、博物館に展示して無い方を見せてくれようとしたのか、偶然なのかは定かではありません。

エントランスで、エルフのペニスなんて本当にあるのか質問してみると、「ありますよ」とのこと。行ってみましょう!入館料は大人1名1,500クローネ(約1,320円)。

中に入ると、そこは一面ペニスだらけ。博物館の名称「The Icelandic Phallological Museumo」は、訳すと「アイスランド物理学博物館」ですが、アイスランドペニス博物館と呼ばれるだけあります。

ペニス博物館 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

アシカやオットセイ、クジラなど90種以上の動物から取得された標本が展示されています。2011年1月に、同館は史上初めてヒトのペニス標本を展示。これは、死後の提供を申し出ていたドナー4名のうち1名のものです。同館は引き続き「より若く大きく状態の良い」標本を探し続けるとしています。

博物館中央の柱に飾られている人形。木の妖精でしょうか?同館内で一番高い場所に展示されているペニスです。

「RUSTIC ELF」と書かれたエルフのペニスを発見!中国語訳では「精霊」と書かれています。石みたいですね。

トロールのペニス。こちらも石みたいに見えます。

トロールとは、北欧の国、特にノルウェーの伝承に登場する妖精のこと。

こちらは、何か大きな動物のペニスなのかと思いきや「CHANGELING」と書かれています。「CHANGELING」とは「取り替え子」のことで、子供が連れ去られた時に身代わりとして密かに置かれる「エルフの子」を意味しています。エルフの子のペニス、、。形がちょっと気持ち悪いです。

山羊や羊のペニスも展示。山羊や羊とは言っても、「エルフの世界の山羊や羊」です。

この博物館の創設者であるシグルズール・ヒャルターソン氏。ペニス型の受話器で誰かとお話しているようです。受話器もですが、浮かない表情も気になりますね。

熱海の秘宝館のようなネタ満載のアミューズメントを想像していましたが、全くそんなことありません。クジラからヒトまであらゆる動物のペニスが所狭しと陳列されている、学術的価値のある博物館で、真剣に説明を読み、様々なペニスをじっくり見ている来場者の姿がとても印象的でした。同館を題材とした映画「最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~」は、2015年8月に日本でも上映されています。
博物館に併設されているお土産店もまた充実しています。

サンタクロース風ペニスのぬいぐるみ。

柄がペニスのカップ。

エルフに関する12のおとぎ話が書いてある本も売ってました。

ちなみに館内にあるトイレは、入口のドアの柄がペニス。少々やり過ぎな感じも。


◆エルフ遺産保護法とエルフにも悪魔にも出会える場所

1971年、レイキャビク近くの道路工事において、「エルフの岩」とされる岩石を誤って土壌に埋めてしまったところ、道路が冠水したり、負傷者が出たり、工事で使用する重機が故障したりと、不可解な事象が相次いで発生しました。これを受け、アイスランド道路管理局は、この岩を土壌より掘り出して洗浄。今後はこのようなことが起こらないように、2012年に「エルフ遺産保護法」が成立し、「エルフの岩」は保護指定されました。参考:AFP

 

「エルフ遺産保護法」と言われると本当に存在する法律なのか疑ってしまいますが、実は、文化遺産と考古学的に意義のある場所を保護する法律の一部で、魔法、民話、習慣、国民の信仰など、昔ながらの言い伝えに関する場所を保護する法律として実在します。

参考
mbl.is「Elf rock restored after its removal wreaks havoc on Icelandic town」
・アイスランドで書かれた実際の文化遺産法はこちら

 

また、アイスランド人がエルフと接触した正確な場所を共有するために作成されたマップがSaga財団によって公開されています。マップには、エルフの他に幽霊、悪魔等と遭遇した場所も記されています。エルフを目撃した人々によると、その特徴は「人間に似ているが、やや小型。普段は穏やかな性格。」と言われています。このマップの場所に行けば、エルフにも悪魔にも会えるはずです。

 


◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

エルフのことが気になって仕方ありませんが、アイスランドと言えば一般的には「美しい大自然」でしょう。日本で見ることができない神秘的なスポットに行ってみます。いつも通り、あまり時間が無いので、「The popular Golden Circle Tour」と呼ばれる定番観光地ツアーに参加してきました。このバスツアーは、ゲイシール間欠泉グトルフォス滝シンクヴェトリル国立公園の3か所を訪れます。レイキャビクから日帰りで定番観光地を巡る、効率の良いツアーです。

 

まず最初に訪れたのは、ゲイシール間欠泉。場所の名前にもなっているゲイシール間欠泉は現在活動をしていないようです。誰もいません。

人が集まっているのはストロックル間欠泉。ゲイシール間欠泉から歩いて3分の所にあります。この辺りから、日本の噴気地帯でも馴染みのある硫黄ような匂いが鼻を突いてきます。

近づくと、グツグツしている水溜りが。しばらく見ていると、、、

ポーンという大きな音と共に、ものすごい量の水が噴出!!驚きました!!

間欠泉は約10分ごとに発生しますが、たまに不発に終わることもあります。思った以上に近づくことができるのは魅力ですが、近づき過ぎて熱湯がかかることもあるので、ご注意ください。入口には、「自己責任でお願いします」という注意書きもありました。

 

次は、グトルフォス滝です。先ほどのゲイシール間欠泉からバスで約10分。Gullfoss(グトルフォス)は、アイスランド語で「黄金」を意味します。これがゴールデンサークルの「ゴールデン」の由来にもなったようです。

この滝も、かなり近づくことができましたが、水しぶきで濡れてしまうため、予めレインコートを着用している方も多くいました。とにかく水量が多くて迫力満点。滝近くの地面は濡れていて非常に滑りやすいので、滝に落ちないようにご注意ください。

ほとんどの観光スポットにはトイレが併設されていますが、その大半は有料。でもご安心ください。有料トイレでも、クレジットカードが使えます。こちらは、1回200クローネ(約176円)。アイスランドでは、一般的な旅行ならば現地通貨であるアイスランドクローネを一切持たなくてもクレジットカードで全て済んでしまうというのは本当でした。現地通貨に換金してしまうと通貨が足りなかったり余ったりするので、カード社会の有難さを痛感しました。

バスは最後の目的地であるシンクヴェトリル国立公園に到着。グトルフォス滝からバスで約1時間かかりました。

この国立公園は、ユネスコ世界遺産に登録されています。

この公園、実は敷地内に北米大陸とユーラシア大陸があるのです。家が見える向こう岸がユーラシア大陸、こちら側は北米大陸。

遊歩道を歩いて両大陸を行き来できます。

レイキャビクには、ツアー専用送迎バスの停留所が各ホテルの近辺にあるのですが、Google Mapsにも出てこない停留所もあるので、事前確認または大きなバスターミナル (例えばBSIバスターミナル)などを利用することをおすすめします。8月等の観光シーズンでは、ツアーバスはほぼ満席になります。

 


◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受講

エルフの出没場所を把握し、博物館でエルフの存在を確信した我々は、エルフについての理解をより深めるべく、レイキャビクにある「The ELF School」(妖精専門学校)で講義を受けることにしました。講義は毎週金曜日に実施されており、受講時間は合計3~4時間。受講料は1名につき56ユーロ(約6,700円)で、ドルでもクローネでも支払いOK。クレジットカード決済も可能です。参加する際は、メールで事前予約することをおすすめします。詳細Prices and Scheduleをご覧ください。

学校の看板を発見。この雑居ビルの2階にあるようです。

学校というよりか小さなオフィスみたいな感じ。なにか怪しい気がするのは気のせいでしょうか。ドアが開いていたので中に入ってみます。

授業開始の15時より少し前に着いたので、学校関係者は誰もいません。講義を受けに来た方が一人いるだけ。しばらくすると、数名の受講者が登校してきました。ここで授業が行われるようです。教室と言うよりかは、人形や置物がたくさんある小さな部屋です。エルフの本や、変わった雑貨もたくさん置いてあります。

約15分ほど待っていると、スカルプヘイジンソン(Skarphedinsson)先生がやってきました。先生は、アイスランの大学で歴史、民俗学、人類学を学び、アイスランドの超自然に関わる団体の創設者。先生ご自身はエルフを見たことはありませんが、「エルフや一般人には見ることのできない人々(見えない人々)に会ったことがある人約900名」に会っているそうです。

講義は談話形式でゆったりした感じで進んでいきます。渡された教科書には、エルフや見えない人々のイラスト、民話、実際の体験談などが全て英語で書かれています。しかし、講義中にこの教科書が使われることは一度もありませんでした。

先生は、ゆっくりとかつ真剣な表情でエルフや見えない人々について語っていきます。先生自身はそれらを見たことがないそうですが、家族や友人など信頼できる人からの目撃談をたくさん聞いているため、エルフや見えない人々の存在を信じているそうです。また、誰でも見ることができるものではなく、Psychic (心霊能力や超能力などのエネルギーなどを感じやすい人) だけが見えるもので、特に子供は、エルフや見えない人々を見る能力があるそうです。
先生は我々生徒の顔を見渡すと、「この中には残念ながら、Psychicはいないようです。」と言っていました。

休憩時間には、コーヒー、紅茶とともにアイスランドのパンやクレープみたいなものを頂きました。

ほどよい甘さのクレープがとても美味しくて何個も頂いていると、先生に「もっと食べなさい」とチョコレートを無理やり渡されたのも今となってはいい思い出です。

講義再開。見えない人々がこちらの世界に残したという物をいくつか見せてくれました。まず、子供たちが見えない人々に遭遇した場所にあった石。その場所に存在しないはずの石だそうです。

続いては、見えない人々が生活に使っていたとされる鍋。確かに製造会社のロゴや品番などの情報は書いてありませんが、にわかには信じがたい話です。

先生によるエルフの話が続きます。昔は海へ漁に出るかどうかは、Psychicが見えない人々の行動を見ることによって決めていた話。例え晴天であっても、見えない人々が漁に出なければ、それを真似て漁に出ない。もし漁に出ると、晴天だったのに急に嵐に見舞われたり、魚が全く取れませんでした。また、山で遭難した人が山小屋を見つけ、そこの住人に食事を御馳走してもらい助かりましたが、山小屋を出てしばらくして振り返ると、その山小屋や人が存在しなかった、というお話もしてくれました。

エルフや見えない人々は、人間を助ける存在であり、人間に対して悪事を働くことはほとんどありません。なぜ「ほとんど」なのかと言うと、子供を誘拐することがあったから。講義中は、自分の世界に引き込んでいくような語り口調で話す先生ですが、カメラを向けると、かなり陽気なおじさんになってしまいます。エルフに会った人は少ないですが、体験談等が古くから代々語り継がれており、今もなおその存在を信じている人が多いと感じました。アイスランド人にとってエルフは、なくてはならない存在なのでしょう。

講義の最後に受講証明書を頂きました。講義というよりかは、体験談やおとぎ話の紹介と言った方が正しいかもしれません。ご一緒した生徒の1人は、「私はエルフを見たことがあるから、おとぎ話よりスピリチュアルな話をもっと聞きたかった」と、やや不満げです。講義は全て英語。イギリス、アメリカ、ドイツからも受講に訪れています。万人におすすめできるかと言えば、ちょっと微妙ですが、変わった体験がしたいという方にはおすすめです。

校舎を出ると、エルフがお見送りしてくれています。もしかしたら、我々にしか見えていないのかもしれません。皆さんにも見えていますか?

 


◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ
~アイスランドの食事事情~

島国のアイスランドは、サーモンやタラなど海の幸が豊富な一方で、物価はと言えば、高いです。例えば、ケプラヴィーク国際空港にある売店「10-11」で売られている水1本あたりの値段は499クローネ(約439円)もします。ただ、ローカルなスーパーなどでは、ここまで高く売っていないようです。

お店の外壁に日本語でもラーメンと書いてある、ラーメン店の「RAMEN MONO」。公式ホームページで「.is」を使っています。

店内も日本の今時のラーメン店に似ています。店員さんは日本人ではありませんが、ほぼ満席だし食べている方のラーメンを見ても、かなり期待できそう。

お店イチ押しの豚骨ラーメンを注文しました。お値段、1,950クローネ(約1,716円)。スープは少し薄めで麺もかなり柔らか目でしたが、大満足なお味でした。テイクアウトもできます。


アイスランド料理を食べに「スリールフラッカー(Þrír frakkar)へ。レイキャビクからちょっと歩いた閑静な住宅街にありました。

まずはメニューの一番上にある「Fermented shark Icelandic speciality and dried cod with butter」(1,240クローネ、約1,091円)。を頂きます。

左の乾燥させたタラは、乾燥イカのような食感でお酒のおつまみにピッタリ。右の発酵させたサメの肉は、ちょっとアンモニアのような匂いがして、苦手な人と好きな人がはっきり分かれそうです。

続いて国鳥的存在で人気の鳥「パフィン」」を注文。メニューの名前は、「Smoked Puffin breast with mustard sauce」(1,990クローネ、約1,751円)です。まさかパフィンを食べるなんて・・・想像もしていなかったので驚きました。薫製のパフィンは、鳥の匂いというか、獣の匂いが少し気になります。味は非常に深みがあって上品。気になった匂いはマスタードをつけることで、だいぶ抑えることができました。

メインメニューは、ワサビが添えられている「Grilled Halibut with soya butter sauce and mashed potatoes with wasabi」(3,950クローネ、約3,476円)と、

ボリューム満点の「Hashed fish with black bread “Icelandic speciality”」(3,150クローネ、約2,772円)です。サメ以外の料理は、美味しく頂きました。


アイスランドには「死ぬ前に食べるべきパン」または、「世界一おいしいパン」と評されるパン屋があります。これは絶対に食べたい!そのパンは「ブロィズ・オ・コ(Brauð og co)」が作って販売しています。お店は、ハットルグリムス教会の近くにありました。超ド派手な外観。実は「死ぬ前に食べるべき派手なパン」だったら嫌だな、と思いつつ入店。

店内は普通の小さなパン屋さんでした。安心しました。

レジの反対側では、パンを作っているところが見えます。忙しそうです。

いろんな種類のパンがあります。

死ぬ前に食べるべきパン、どれにするか迷います。

このパン屋で人気のシナモンロール(490クローネ、約431円)を、死ぬ前に食べるべきパンに決めました。これでもかというくらいに甘いのですが、パンがしっとりとしていて食感がいい。「死ぬ前に食べるべきパン」はやや言い過ぎですが、「アイスランドに来たら絶対に食べるべきパン」と断言しても良い美味しさでした。


アイスランドには世界一、いや宇宙一美味しいと言われているホットドッグもあるのです。「バイヤリン ベスタ ピルスル(Bæjarins Beztu Pylsur)」で買うことができます。お店は小さなスタンドみたいです。

これが宇宙一のホットドッグ。宇宙一とは思えない質素な佇まいです。見た目ではなく、味が宇宙一なので早速いただきます。ラムを使っているようなソースが癖になる味!ですが、それ以外は残念ながら宇宙一と言えるまでのホットドックかどうかわかりませんでした。宇宙一のホットドッグだとガッカリするかもしれませんが、お値段約500円のホットドッグとして食べれば普通に美味しく頂けます。ただ、博物館に行った直後に召し上がることはおすすめしません。

空港のお土産屋にこのホットドックのソースらしき物が売っていました。ご自宅でも宇宙一のホットドックを作れるかもしれません。


アイスランドでファーストフード店と言えば「Aktu Taktu」。マクドナルドは2009年10月31日にアイスランドから完全撤退したため、アイスランドは西側諸国の中でマクドナルドが1店舗もない珍しい国になりました。

 

レストランのスタッフから、簡単な日本語で話しかけられることがありました。アイスランドでは日本語を学ぶことが英語の次に人気があるそうです。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

SIMは、ケプラヴィーク国際空港内にあるコンビニ「10-11」で購入できます。

選択したのは、5GBプラン(2,900クローネ、約2,552円)。遅いと感じることはありませんでした。

fast.comで速度測定。快適にネット接続できる速度です。Glocalmeも15Mbps。レイキャビクであれば問題なく使えました。

 


■今回訪れた場所

 

■ アイスランドまでのアクセスはこちら

■「.is」ドメインの詳細はこちら

フリーパスで行けるカジノとNintendoが人気のセントルシア

片道40時間をかけてツバルに行ったり、マルタでマルチーズ犬を探し出すドメイン島巡り、第11回目の巡り先はセントルシアです。ccTLD(国別コードトップレベルドメイン) は、”Limited  Company(株式会社)” などの意味でも使われている「.lc」。なお、本文内のドル表記は、すべて東カリブ・ドル(XCD)となります。

◆セントルシア、どこにある?

カリブ海の小アンティル諸島にある島国です。また、イギリス連邦に加盟する英連邦王国の1つです。

= 目次 =

◆お祭りの帰りに聞いた謎の音

◆身分証明書不要?!ゲームセンターみたいなカジノに潜入

◆Nintendoはセントルシアでも大人気

◆予約して行きたい「セントラル・ベーカリー」

◆セントルシアにある2つの空港

◆現地でのSIM購入方法&速度調査 ~セントルシア編~

◆街で見かけない「.lc」ドメイン

 


◆お祭りの帰りに聞いた謎の音

セントビンセント及びグレナディーン諸島から飛行機で約25分。セントルシアの首都カストリーズから最も近いジョージF.L.チャールズ空港に到着しました。レンタカーの受付や、タクシー乗り場があるだけのこぢんまりとした空港です。現地SIMの売り場も見つかりませんでした。

この日は金曜日。毎週金曜の夜にストリートパーティーが開催されるという、グロスアイレット地区に移動します。お祭りっぽいイルミネーションが施されたグロスアイレットのドーフィン通り。

まだ人はいません。

少し歩くと、テントで作られた露店が見えて来ました。毎週開催されているからでしょうか、思ったよりも混み合っていないので、歩きやすいです。

トビウオのフライなどが並んでいます。ツナ(マグロ)が入っている揚げパンを購入しました。日本のツナサンドに似た味わい。価格は5ドル(約200円)。

こちらでは列が出来ています。人気店のようなので並んでみます。

揚げなすやひよこ豆などのサイドディッシュから、魚介や鶏肉などのメインも豊富です。

ロブスターとチキンレッグ(もも肉)を焼いてもらいました。購入したものは、露店内のスペースで食べることが出来ます。

ロブスターの価格は50ドル(約2,000円)でした。下茹でがされており、香ばしい焼き目がついています。お祭り価格なのでしょうか?少し高いような気もします。サイズによって価格が違うので、ご注意ください。

スパイシーな香味ソースが掛かっているチキンレッグは、30ドル(約1,200円)。どちらも、デフォルトでフォークが突き刺してあるのが何とも言えません。

時間が経つに連れて人が増えてきました。お酒を提供している露店も賑わいを見せはじめます。

セントルシアの名所の1つである“ピトン山(Pitons)”をイメージした地ビール。その名もPiton。コロナ・エキストラのような雰囲気がありますが、ライムを搾ったりはせずにラッパ飲みするのが地元流のようです。価格は6ドル(約240円)。

ラム酒の発祥とされるカリブ地域では、フルーツジュースと割ったラムパンチも好まれています。注文をしてからお洒落にシェイクしてくれるわけではなく、すでに混ざった状態のボトルが出てきました。シェイクしている時間はないぐらい売れるのかもしれません。価格は10ドル(約400円)。

手芸品も販売されています。お土産として買うのにも良さそうですね。このお祭りは深夜1時終了とのこと。

お祭りを堪能した我々は、歩いて宿泊施設に向かっていると、奇妙な音に気がつきました(場所はこちら)。付近には茂みがあるので、最初は鳥やコウモリや昆虫の鳴き声では?と思ったのですが、機械的な音のようにも聞こえます。時刻は午後9時。Castries-Gros Islet Highwayを走る車の音以外で耳につくのは、この奇妙な高音だけです。何の音だったのでしょうか?


◆身分証明書不要?!ゲームセンターみたいなカジノに潜入

ロドニーベイにあるショッピングモール「Baywalk Mall」。日本のイオンモールを彷彿とさせる大きさです。駐車場は混雑しており、空きを待つ車が列を作っていました。

建物内に入ると、まるで商店街で軒を連ねるようにお店がずらっと並んでいます。カラフルで可愛らしい内装です。

そして、このショッピングモールの中に、カジノがあるのです。

午前11時から午前1時までの営業、入場無料。18歳以上しか入れません。年齢制限もあるし、我々観光客には、身分証明としてパスポートの提示を求めるケースが大半です。しかし、ここでは身分証明を何も求められず、入場できました。

2階建てのショッピングモールの1階と2階の一角に構えるだけあって、カジノの中は広い。スロットマシンは、かなり古いタイプ。USドルも使えます。東カリブ・ドルがすべて無くなっても安心ですね。


◆Nintendoはセントルシアでも大人気

首都カストリーズのブルー・コーラル・モールに、インターネットカフェを発見。東京で例えると銀座あたりでしょうか。専門店が並ぶ町中にあります。

こちらは、インターネットカフェを運営しているTIBBS TECH SOLUTIONSです。PCの修理やプリントサービスなども提供しています。15分間利用できるコースを購入。価格は3ドル(約120円)でした。

SIMと同様に速度を計測してみると、3.9Mbps。動画などを見るには適していないかもしれませんが、調べ物をする程度なら問題ありません。

お店を出ると見覚えのあるキャラクターたちと目が合いました。どうやら家庭用ゲームが楽しめるお店のようです。

熱中している若者が数名。

せっかくなので、Nintendo Switchでマリオカートをやってみることにしました。プレイ料金は、15分で2.5ドル(約100円)。

店員さんがストップウォッチを準備。5分オマケしてくれたのでプレイタイムが20分になりました。プレイ開始と同時に、ストップウォッチが押されます。

世界のどこでやっても白熱して楽しいマリオカート。店員さんの苦笑いをよそに、レースに没頭しました。

店内を見渡すと、スナックや飲料も買えます。また、ゲーム機本体も販売されています。町の電気屋のような部分も兼ねているのかもしれません。マリオ、そしてNitendoの偉大さを噛み締めた20分でした。

このモールにあるフードコート。中華料理屋が1店舗だけありました、何料理を食べよう?と迷うことがありません。

ドメイン島巡りの定番になりつつあるチャーハンと、鶏の甘酢あんがけです。チャーハンは麦ご飯のようで、炒め料理には不向きな印象。美味しそうな見た目とは裏腹な味のセットは19ドル(約770円)。あまりオススメできないチャーハンでした。


◆予約して行きたい「セントラル・ベーカリー」

首都のカストリーズは観光客も多く、町はとても賑やかです。中央市場に行ってみましょう。

場内に入ってみると鮮やかな衣装や、麦わら帽子などが売られていました。

外にはテントで作られたお店がズラリと並んでいて、野菜や服が売られています。

お店の人が履いてきた靴を並べたように見えますが、靴屋のようです。

女性が群がるこのお店、何を手に取っているのかと見てみると、付け毛(ヘアウィッグ)でした。カリブのお洒落には必需品なのでしょうか。

市場から離れ、歩いて5分の場所にパン屋を発見しました。セントラル・ベーカリーというお店です。

ガラガラのショーケース。ほとんど商品がありません。来客が絶えない人気店です

予約をすれば、好きな色の食パンを作ってくれます。予約をしていない我々は、残っていた2種類のパンを購入。

1つ目は、マフィンです。価格は2ドル(約80円)でした。スコーンのように固めの生地ですが、ブルーベリーが練り込んであり程よい甘さ。朝食にも良さそうです。

2つ目は、ルックスで購入してしまったパウンドケーキのようなものです。価格は、2ドル(約80 円)。期待を裏切らぬ大変な甘さで、食べるのに少し苦戦してしまいました。

パン屋の近くにはセントルシアで最も大きいとされる聖堂、ザ・マイナー・バシリカ・オブ・ザ・イマキュレート・コンセプション(カテドラル)があります。

聖堂内は細部まで装飾が施されており、非常に美しい教会です。他の大聖堂とはまた雰囲気が異なります。屋根や窓に施されたステンドグラスも素敵です。

2019年現在は一部修復中でしたが、カストリーズを訪れた際は是非訪れてみてください。360°カメラの写真はこちら。

ザ・マイナー・バシリカ・オブ・ザ・イマキュレート・コンセプション(セントルシア) – Spherical Image – RICOH THETA


◆セントルシアにある2つの空港

セントルシアには2つの空港があります。首都から近く隣国からの便の発着が多いジョージF.L.チャールズ空港と、カリブ地域以外からの発着便が主なヘウノラ国際空港です。カストリーズからヘウノラ国際空港に向かうルートを検索すると、車で1時間以上かかると判明。

空港へ向かう道中、デナリー湾から北大西洋を見ることができました。カリブ海とはまた違いますが、綺麗です。

ようやく、ヘウノラ国際空港に到着。

出国審査などを終えると、ターミナルやフードコートは多くの搭乗者でごった返していました。

飛行機の離発着状況を見ると、この混雑も納得できます。大手航空会社が乗り入れており、アメリカはもちろん、カナダやイギリスへも行くことができるのです。

jetBlueはカリブ地域に強い航空会社で、ニューヨークなどの都心部へ向かう便もあります。


◆現地でのSIM購入方法&速度調査 ~セントルシア編~

セントルシアでは、”FLOW”と”Digicel”という通信会社がポピュラーなようです。

まずはFLOW。店員さんがアクティベーションまで行ってくれます。購入したのは3日間で300MBのプラン。価格は10ドル(約400円)でした。

快適ではないものの、不自由なく使えました。速度テストサイトで計測してみると、71kbpsでした。

続いては、オセアニアでもお馴染みのDigicelです。

こちらもアクティベーションまで行ってくれました。購入したのは1日間で300MBのプラン。価格は15ドル(約600円)。

同じく速度を計測してみます。5.3Mbpsでした。快適ではないですが、町中でも問題なく利用することが出来ました。


◆街で見かけない「.lc」ドメイン

セントルシアのccTLD「.lc」を、街で探してみました。
不動産屋で使われているのを発見。しかし、店舗のホームページは「.com」を使用しています。

さらにもう1つ、と行きたいところですが、同じドメイン名「candw.lc」が使われていました。どうやら地元のインターネットサービスプロバイダが、メール専用として提供しているドメインのようです。ドメイン島巡りでは、現地のドメインが現地でどのように使われているのか、毎回調査していますが、残念ながらこの他に「.lc」ドメインを見つけることはできませんでした。

街では見かけませんでしたが、セントルシアの政府機関やピザ屋、不動産屋、様々な国のサービスで「.lc」は使われています。

 


 

■ 今回訪れた場所

 

■ セントルシアまでのアクセスはこちら

■ .lcドメインの詳細はこちら