新婚旅行でモルディブに行っても気づかなそうなことを現地調査

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新婚旅行や海外ウェディングで常に人気のモルディブと言えば、エメラルドグリーンの海、水上コテージ、クルージング、シュノーケリングなどなど、カップルやマリンスポーツ好きな方々に愛されている国です。カップルでもマリンスポーツ好きでもないドメイン探検隊がモルディブを現地調査しました。今回訪れたモルディブに割り当てられているccTLDは、「.com.mv」です。

 

◆モルディブはどこにあるのか?

モルディブ共和国は、スリランカ南西のインド洋に浮かぶ26の環礁や約1,200の島々で構成されており、そのうち約200が有人島です。正式名称はディベヒ語で、ދިވެހި ރާއްޖޭގެ ޖުމްހޫރިއްޔާ(ディヴェヒ・ラーッジェーゲ・ジュムフーリッヤー)。

 

= 目次 =

◆予約なしでエアタクシーに乗れるのか?

◆モルディブのカツオ節

◆不法就労、医師不足・・・日本大使館でいろいろ聞きました

◆首都マレを助ける人工島

◆国立博物館で買った警察官のかっこいいポストカード

◆モルディブの食事事情

◆SIM速度調査

◆ミロ配送専用トラック~モルディブいろいろ~

 


◆予約なしでエアタクシーに乗れるのか?

モルディブでは、「1島につき1高級リゾート」という場所が多くあり、これらに宿泊する場合は国際空港がある首都マレから高速ボート、またはエアタクシー(水上飛行機)で移動することになります。エアタクシーに乗れるのは、目的地となる島のリゾート施設の宿泊客とフォトフライトのみ。フォトフライトとは、上空からの写真撮影のみを目的とした遊覧飛行プラン。どこの島にも降りることはできません。我々ドメイン探検隊は高級リゾートに泊っていないし、フォトフライトの予約もしていませんが、どうしてもエアタクシーに乗りたいので、チャレンジしてみることにしました。

実は事前に日本から、エアタクシー会社のモルディビアンと、トランスモルディビアンエアウェイズへフォトフライトの予約についてメールで問い合わせをしましたが、回答を得ることはできなかったので、カウンターで直接交渉します。

午前9時、マレ国際空港の到着ゲートを出たところで、エアタクシーのカウンターを探します。

離島のリゾート施設やレストランの受付カウンターがたくさんあります。

モルディブ初のアイススケートリンクを作ったジュメイラホテルズの受付もありました。

2019年11月にモルディブ初となるエアタクシーの定期便運行を発表した”マンタエアー”がありました。しかし、職員が誰1人いません。ここは諦めましょう。

モルディヴィアンを発見。さっそく「リゾートに宿泊する訳ではないのですが、搭乗できますか?」と聞いてみたところ「できません」と、やっぱりお断りされてしまいました。フォトフライトについて聞いてみると、「貸切のフォトフライトなら可能です」と即答。肝心のお値段を聞くと「1フライト、10万円です」。あまりにも高額で驚きましたが、お願いすることにしました。

ちなみに、同社公式サイトのドメイン「.aero」は、航空業界のメンバー以外は使用できないドメインです。

「それでは、今日中に乗れるように手配するので、13時に戻って来てください」という指示を受けます。13時までまだ時間があるので、トランスモルディヴィアンエアウェイズのカウンターへ。モルディヴィアンと同様の質問をしましたが、同じく即答でお断りされてしまいます。こちらもフォトフライトならOK、でも本日の運航はなし。翌日以降に空きがあればとのことで断念しました。

トランスモルディヴィアンエアウェイズのパイロットは、裸足で操縦するそうです。

エアタクシーには、時刻表が基本的に存在せず、各リゾートやその宿泊者からの依頼を受けてスケジュールを組み立てているようでした。ラブワゴンぽい車を見たりしながら時間が経つのを待ちます。

13時少し前に、モルディヴィアン航空のカウンターへ戻ります。午前中に話をした男性スタッフが不在のため、他のスタッフに「フォトフライトの搭乗予約をしたのですが」と切り出すと、「フォトフライトの便は、もう出発しましたよ」という答えが返って来ました。。。我々が聞き間違えたのか、、、航空会社スタッフ間の伝達ミスなのか、、、はっきりしているのは、我々はエアタクシーに乗ることができない、ということです。

搭乗時の支払いだったので金銭的な損害はありません。モルディブでフォトフライトができたら、かなりラッキーなのかもしれません。


◆モルディブのカツオ節

「日本のカツオ節の製法はモルディブが起源」という説があります。モルディブのカツオ節とは・・・?実際に見て確かめましょう。首都マレにある魚市場に向かいます。

随分と塗装がはがれているのか、個性的なデザインのか。よく見るとタクシーでした。

大統領専用の船着場があったので立ち寄ります。

係留しているこの船、地元のおじさん曰く「これは大統領の船ではないよ」。

「大統領専用はあっちだよ」と別の地元の方が教えてくれた先には、停泊中2隻の船(A555とA558)がありました。係留していた船のクラスと変わらないようにも見えます。

その2隻を挟む2隻の沿岸警備隊の船。手前の船名は”イスカンダル (ISKANDHAR)”。
もう1隻は”ヌールアディーン(NOOR ADHEEN)”と書かれていました。宇宙戦艦ヤマトは関係ないようです。

歩いていると、地面から青いパイプが出ているのをよく見かけました。工事現場などから出る下水を排出するパイプだそうです。

パイプの出口は海でした。

魚市場に到着しました。青い看板には、目立つように何か書かれています。しかし、ターナ文字で書かれているので、何を意味するのかさっぱりわかりません。ターナ文字とは、モルディブの公用語であるディベヒ語の表記として用いられています。

新鮮なカツオがずらっと並んでいます。

奥ではマグロ(キハダマグロ)を解体していました。マグロのような大きな魚は、購入者の希望に合わせて捌いて売っています。

魚を捌いた時に出る大量の“あら”は、魚市場内に置かれたバケツに貯めてられ、ある程度 一杯になったら目の前の海に撒いています。その様子が見たいので少し待ちました。

どこからともなく海鳥がやってくると、海面には無数のエイが。どうやら彼らはあらが撒かれる時間を知っているようです。

程なくして魚市場の人が“あら入りバケツ”を持って登場。一気に海へ撒きます。鯉の入れ食いのような状態を想像していたのですが、海鳥もエイもそれほど寄ってきません。

新婚旅行でモルディブに訪れたカップルが見ないであろう‟あら撒き“イベントに立ち会えたのは良いのですが、カツオ節が見当たりません。魚市場と道を挟んで隣り合っている青果市場に行ってみます。

多くの人とバナナで賑わっています。

ありました。カツオ節です。現地では“モルディブ・フィッシュ”と呼ばれていて、古くから料理に使われています。

魚の種類は分かりませんが、こちらもカツオ節の一種。試食させてもらうと、見た目よりも硬くない!ジャーキーのような食感。しかし、強烈な匂いが立ち込めていました。


◆不法就労、医師不足・・・日本大使館でいろいろ聞きました

モルディブのことをもっと知りたくて、在モルディブ日本大使館とJICA(独立行政法人国際協力機構)を訪ねました。まずは、大使館です。男性スタッフにご対応頂き、モルディブのあまり知られていないこと、今問題となっていること等を教えてもらいました。

 

・外国人オーナーの独立や開業はできない
イスラム教のモルディブには、法人税や所得税がありません。しかし、タックスヘイブン(租税回避地)ではないのです。支社(支店)であれば問題はないので、日本の企業も進出しています。ちなみに、モルディブは外国人に永住権を与えていません。

 

・世界一と言われる人口密度と医師不足
人口密集によって都市部の渋滞がひどい。東西約2.5キロ、南北約1.5キロの首都マレには、モルディブの総人口の3分の1から4分の1にあたる13万人あまりが暮らしており、その人口密度は世界一とも言われています。また、モルディブには医学部のある大学がありません。医師を志す場合、海外の大学で医学を学びます。マレには医師が少なく、適切な手術や処置を行っているのか不安視されていますが、高級リゾートホテルには専属の医師がいます。

 

・不法滞在者による不法就労
2019年10月より、不法に滞在する外国人労働者をガロル国立競技場に集めて、不法滞在外国人労働者の登録を受け付けています。そう言えば、我々が同競技場を訪れた時、試合中でも無いのに観客席にはちらほらと人がいました。

参考 在モルディブ日本国大使館

 

・フェリーでの盗難被害
大きな荷物については船員が運んでくれますが、 この際に荷物の中身を取られたなどの盗難被害が発生しています。国際空港への移動にはタクシーも利用できますが、有料フェリーでの移動が一般的です。チケットは1人あたり3ドル。貴重品は手荷物に入れるようにして、気をつけてください。

続いて訪問したJICAでは、赴任したばかりの女性スタッフにお話を伺いました。モルディブでは他の国のようにシニアが活躍できる環境ではないこと、イスラム教地域は制限されることが多いので住みやすいとは言いづらい、というお話が印象に残りました。

ちなみに、魚市場のあら撒きイベントは日本大使館で聞きました。日本大使館の男性スタッフは、「家族には、モルディブというイメージがあってか‟優雅に仕事をしている“と思われています。確かに、オフィスからウミガメやイルカをたまに見ることはありますが、人が凄く多くて優雅な環境とは言えませんよ」と教えてくれました。突然の訪問にもかかわらず、親切に対応してくれた在モルディブ日本大使館及びJICAのスタッフの皆様、ありがとうございます。


◆首都マレを助ける人工島

人口密度世界一とも言われるマレ島の人口圧力を軽減するために造成されたフルマーレ島は、モルディブの北マーレ環礁の南に位置する人工島です。マレと比べると近代的で色鮮やかな建物が目立ちました。

プレスクールの表門に、在籍していると思われる生徒の名簿が掲示してありました。日本では考えられないですね。

正午前に“マスジッド・ハマッド・ビン・カリーファ・アル=タニ”というモスクで、お祈りが行われていました。モスク周辺を歩く人も足を止めて祈りをささげるのかと思いきや、そのような人はいませんでした。


◆国立博物館で買った警察官のかっこいいポストカード

モルディブ博物館は、モルディブの歴史が学べる博物館として、首都マレのスルタンパーク内にあります。

入館料は大人1人で100ルフィヤ(約700円)。さらに館内で写真撮影する場合は、10ルフィヤ(約70円)を追加で支払います。撮影代を払っても、フラッシュを使用した撮影は禁止です。荷物を入れるためのロッカーは、無料で貸してくれます。

展示室は2階まであります。まずは1階から。館内は広く、モルディブで発掘されたサンゴの石で出来た小箱などが展示されています。

その中には現代的なものも。モルディブで使われた最初の電話のうちの2機。

「モルディブで最初に使われたコンピュータシステムのCPU」。年代を感じさせるサイズです。

国立博物館の1コーナーとして切手収集博物館もありました。

お土産コーナーでは現在発行されている切手を購入することもできます。

さらに奥へ進むと、警察官(マネキン)が現れました。]

なんと、ここからは警察博物館のコーナーがスタート。モルディブの警察の歴史を展示。

もちろん、お産コーナーもります。目を奪われたのは、警察官のポストカードでした。

上は「話し合う警察官たち」。下は「拳銃を携えて部屋の様子を伺う警察官」と思いきや、「ドアノブに付着した指紋を採取する警察官」でした。こんなかっこいいポストカードには中々出会えないので、速攻で購入。キャップも買えば良かったと後悔しました。

2階に上がります。

鯨の骨や象牙、船の模型等が並ぶ中、モルディブの有名なバンド「オリンピアンズ」が使用した楽器が展示されていました。

YAMAHA「YC-20」(ステージピアノ)

YAMAHA「BE-200」(ベースアンプのヘッド)

ELK「VIKING 60」(ギターアンプのヘッド)


◆モルディブの食事事情

歩き疲れたので、カフェで一休みします。お店の名前はハイウェイコーヒーショップ(Highway Coffee Shop)。

落ち着いた色合いで統一された店内。注文を受けてから作るスタイルです。

コーヒーはデフォルトでミルクが入っていました。もう一品は、アイスジンジャーレモンティーです。

モルディブに限ったことではありませんが、イスラム教の信仰地域では飲酒や酒類販売が禁止されています。スーパーではモヒートなどが売っていましたが、すべてノンアルコール。

「ホテルならばビールを飲めるかもしれない」と思いましたが、滞在したマレのホテルでもアルコールは取り扱っていませんでした。こちらも、ノンアルコールのビール(3.2ドル)。

フルマーレで見つけたお寿司屋さん、その店名はずばり「Oishi」。ラーメンと巻き寿司を注文します。お店の名前のとおり、美味しいのでしょうか?

チキンラーメン(185MVR)

巻き寿司のカリフォルニア(150MVR)

巻き寿司のゴールドラッシュ(180MVR)

どの料理も美味しく頂きました。デザートは、「チョコレート・ミソ・ラヴァ・ケーキ」を注文(80MVR)。フォンダンショコラに味噌が入っていて、上にバニラアイスとベリーソースをかかっています。「ラヴァ(lava)」は溶岩のこと。 こちらも美味しかったです。

ローカルフードを食べに「ディドゥーホテル(カフェ)」(Dhidhoo hotel (Cafe))へ。
地元民の利用者が多いお店。店内は窓が開放されていて空調も効いていません。しかし、我々は冷房の効いた個室に案内してもらいました。VIP扱いです。外国人だからかもしれません。

モルディブの朝ごはんの定番であるマスフニのモーニングを注文。マスフニとは、ディベヒ語で「マス」は魚、「フニ」はココナッツを意味します。

これがマスフニ。ソーセージを挟んで2つに分けられていますが、微妙に味が違います。片方はマグロ、もう片方はカツオの味。マスフニをロシに包んで食べます。美味しい!

玉ねぎを使ったケーキと、どら焼きの皮を半分に畳んだようなデザートも注文しました。見た目通りの‟自然な甘さ“を堪能。最後に会計を済ますと、ちゃんと‟VIPチャージ”が含まれていました。

 

もう一軒、ローカルフードが食べられるお店「ベルアミービストロ」(Belle Amie Bistro)に行きます。ここでは、家庭料理のガルディアを注文。

メニューには載っていませんが、オーダーをすれば作ってくれます。お店によって味が異なるとは思いますが、意外に酸っぱい。トムヤムクンの「辛さと海老抜き」のような味わいです。カツオの出汁もそこまで感じません。薄味でした。


◆現地でのSIM購入&速度調査~モルディブ編~

今回は、オレドー(Ooredoo)とディラーグ(Dhiraagu)のSIMカードを試しました。マレ国際空港内で購入できます。

どちらも15ドルで4GB(期限7日間)のプラン。 ディラーグはドメイン「.mv」のレジストリでもあり、日本で言えばNTTぐらいの規模を誇る企業です。速度は25Mbpsでした。

カタールに本社を置くオレドーのSIMの速度は14Mbpsでした。


◆ミロ配送専用トラック~モルディブいろいろ~

セントビンセントのドメイン.vc」のレジストリを訪問したように、街を散策しながら「.mv」のレジストリへ向かいます。

モルディブで聞く「バックします、ご注意ください」。ツバル(.tv)でも耳にしました。

トラックにうず高く積まれているのは、すべて“ミロ(MILO)”。ミロだけを運ぶ、ミロ専用トラックです。日本のテレビCMでは「スポーツをする子供たち」がイメージとして使われているため「子供の飲み物」のイメージが強いかもしれません。しかし、中南米やアジア(特に東アジア、東南アジア地域)では、成人にも好まれているとのこと。確かに、モルディブでもよく見かけました。

日本語で話しかけてくるモルディブ人が増えてきたと思ってたら、目に飛び込んできたのは「竹中直人さんのお店」!しかし、俳優の竹中直人さんとは全く関係のないお土産屋さんでした。店名の由来は、この店のオーナーが竹中直人さんに似ているからとの噂があります。

こちらの「ナルト君のお店」も日本人向けのお土産屋さん。この近辺では、我々が歩いていると、無理やりついてきては勝手にガイドを始める人が大勢いました。ガイドを聞いてしまうとお金を請求されますので、ご注意ください。

お相撲さんが満面の笑みでPRしているのは、塗料のリーディングカンパニー ”Nippon Paint(日本ペイント株式会社)”。「シンガポールで最も支持されている塗料ブランド」と書かれています。

工具屋や、ペンキなどの塗料を売っているお店が多かったです。

スポーツブランドショップかと思いきや、とてもお洒落に作業服やヘルメットなどが売っていたお店。

トンガでは模造品でしたが、モルディブでは正真正銘のミカサのバレーボールが売られていました。インド洋地域では、1976年に国際オリンピック委員会に認定された“インド洋諸島ゲームズ (Indian Ocean Island Games)”と呼ばれるスポーツ大会が開催されています。競技種目はバレーボールや柔道、卓球など。2019年の大会では、女子卓球(団体)においてモルディブが金メダルを獲得。地元紙では「歴史的な勝利」と報じられました。2023年に行われる大会では、モルディブがホストを務めることが決定しています。

島内ではバイクを運転する際に、ヘルメットの着用義務はないようです。

街中で見つけたモルディブのドメイン「.mv」と「.com.mv」です。

.mv」は、オンラインの登録ができないことや維持にコストがかかることを理由に、政府や大企業の利用に限られています。政府や大企業以外は、「.com.mv」や「.net.mv」を利用する傾向にあります。

さて、地図を見ると「.mv」のレジストリに到着のはずですが、それらしい建物はなく、そこにあったのは大統領官邸(ムーレアージェ、Muleeaage)でした。残念ながらレジストリの住所(19 Medhuziyaaraiy Magu Male 20-02 Maldives)を見つけることはできませんでしたが、思いもよらない形で観光スポットに辿り着きました。

”つづく”という日本語が書かれたTシャツを来ている男性を発見。下には「To Be Continued!!!」と書かれているので、意味は間違っていないことを伝えると、笑顔で撮影に応じてくれました。ドメイン島巡りも、まだまだ続きます。

 


■今回訪れた場所

 

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