世界で一番早く朝が来る島に行ってキリバスの魅力を約8時間で探ってきた

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キリバス共和国の首都がある南タラワ島から、約3,300km離れた場所に位置するクリスマス島は、「世界で一番早く日が昇る島」として知られています。1999年から2000年に変わる際には、世界で一番最初に2000年代になる場所として注目を集めました。今回はフィジーからの週1便のフライトを利用。
朝に到着して夕方16:30には同じ飛行機で出発しなければ、1週間島に滞在することになってしまう状況の中、キリバスの魅力を探ってきました。キリバスに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.ki」です。

◆キリバスはどこにあるのか?

キリバスは、ハワイとオーストラリアのほぼ中間、赤道と日付変更線が交差する位置に位置し、33の島で構成されています。クリスマス島はキリスィマスィ島とも呼ばれ、面積は388km²で世界で一番大きい珊瑚礁の島です。ちなみに、カニの大移動が見られるオーストラリア領のクリスマス島とは異なります。使用されている通貨は、オーストラリアドル(1AUD=約105円※)です。
※2024年7月時点

= 目次 =

◆集会所のような警察署と裁判所

◆年間最大3,000トンまで生産可能な塩田

◆財務省の窓口で助成金申請者が一目でわかる

◆電気の通っていない集落

◆手錠も売っている地元と旅行者に愛されるスーパー

◆フレンドリーでやさしい島の人達

◆街で見かけた.kiドメイン

◆現地SIM速度調査~キリバス編~

 


◆集会所のような警察署と裁判所

ナンディ国際空港を23時30分に出発。約4時間30分のフライトでカシディ国際空港へ朝6時半頃に到着しました。フィジーとの時差は2時間あります。

レンタカー会社が無いので、予め「アイランドディスカバリーツアー」(1名250オーストラリアドル、約26,250円)を予約しました。空港を出ると
ガイドの女性が待っていてくれました。普段は小学校の先生をしているそうです。7時10分、出発です。

まずはバナナ村ツアー。島全体が目覚め、地元の人々が朝の日課を行う様子を見に行きます。

車は日本で活躍してキリバスに渡ったマツダのSUV。カーナビを見ると、和歌山県広川町を走っています。ドメイン島巡りあるあるです。

この青い建物は警察署。人の気配を感じませんでした。

こちらは島で唯一の裁判所。集会所みたいですね。

道にはカニがたくさんいます。カメラを向けるとすぐに穴に隠れてしまいます。

 


◆年間最大3,000トンまで生産可能な塩田

島にはサンゴ礁が侵食されて、くぼ地に海水が入り込んでできた数百の塩湖があります。キリバス政府が運営する塩採取施設に行ってみましょう。

空港から車で約10分の位置にある塩採取施設に着きました。小屋がポツンと建っています。観光客は誰もいません。

見渡す限りの塩田。絶景です。

近くで見てみましょう。海水が泡になり、太陽と風の力だけでゆっくりと結晶化が進み、白い塩の層が大地を覆っていきます。

塩を保管している倉庫を開けてくれました。入ってみましょう。

人の背丈を超える塩の山!思わず「すごい…」と声が漏れます。

スナック菓子でおなじみのカルビーが、「ポテトチップス クリスマスBOX」としてクリスマス島の塩を使用した商品を発売したり、2024年には虎ノ門ヒルズでも、同じ塩を使ったスイーツが販売されるなど、クリスマス島の塩は名産品として注目を集めています。

塩田の見学を終えた我々は、次に地元の中学校へ向かいました。この日は、複数の学校の生徒たちが合同で運動会を行う特別な日で、校舎内はひっそりと静まり返っていました。

せっかくなので運動会の会場へ行ってみると、ちょうどリレー競技の真っ最中でした。

 


◆財務省の窓口で助成金申請者が一目でわかる

ロンドン村は島の地方行政・公共機関の中心地です。政府関係の支所や行政サービス機関は、すべてこの周辺に集中しています。各省庁が集まっている場所に来ました。

気になったのは財務省の窓口。

政府の助成金を受給している方々の氏名が掲示されていることに驚きました。島は仕事が少なく、釣りばかりしている人も多いそうです。

庁舎裏のテーブルでくつろいでいた男性達は、政府庁舎専属のシェフでした。

村には刑務所もあります。中には受刑者が4~5名いました。

刑務所の扉は常に開いています。島の住民全員が誰が収容されているかを把握しているため、施錠の必要がないそうです。

ロンドン病院のそばで救急車を発見。

ここはロンドン病院のX線検査棟で、地元住民の医療インフラ向上の一環として、日本のODA(政府開発援助)によって設立されました。

 


◆電気の通っていない集落

手拍子と太鼓の音が聞こえて来たので、車を停めて中を覗いてみると子供たちが行進の練習をしています。少し見学をさせてもらうことにしました。

7月の独立記念日の式典に向けて、団体移動の練習をしていました。学校対抗で競い合い、順位が決まるそうです。以前、ソロモン諸島を訪れた際には独立記念日の式典に出席することができました。

ツアーには昼食も含まれています。昼食場所はビレッジズホテルです。食事の前に手を洗います。石鹸はありませんが、ママレモンは置いてありました。

本日の昼食は、お米とロブスターとお肉。ロブスターは島の近くで獲れる貴重な食糧源だそうです。

食事を終えた我々は、タブワケア村の中心から約2km離れた小さな集に行きました。

木から砂糖を摂っています。

許可を得て家の中も見せていただきました。実はこのエリアは電気が通っていません。ロンドン村やバナナ村でも、村から離れた集落では電気が通っていないのです。

ここは台所として使っているそうです。

 


◆手錠も売っている地元と旅行者に愛されるスーパー

続いて我々が向かったのは、島内の電力アクセスを改善するために始まった国際協力プログラム、KIESP(Kiritimati Island Energy Sector Programme)の施設です。「From the People of New Zealand」「European Union」など、支援国のロゴが並んでいます。

クリスマス島は壮大な自然に囲まれた美しい島ですが、インフラ整備の面では多くの課題を抱えています。そんな島の未来を支えるプロジェクトがKIESPです。

地元住民や旅行者に愛されているJMBストア。クリスマス島で一番頼れる店内には、野菜や果物、缶詰などの日用品から、スナック菓子や冷たい飲み物まで、なんでも揃っています。

わさびもありました。

ひときわ目を引いたのは手錠。在庫もバッチリです。誰が買うのでしょうか?

手書きで売上を管理していました。

大きなパラボラアンテナが見えます。この施設について、ガイドさんは「60代のアメリカ人スタッフが1名、30年間勤めていて若い奥さんがいます。何を研究しているかは知らないわ」と説明してくれました。

位置情報から確認したところ、日本のロケット(例:H-IIA/B、H3)の飛行をリアルタイムで追尾し、通信制御をサポートするJAXAのロケット追尾局でした。

貨物や人の上陸に利用される、キリバス港湾局の桟橋にも行きました。ツアーでは写真撮影スポットとされていました。

ロンドン村中心部のメインロード脇に立っていた記念碑。これはリバス政府とオーストラリア政府のパートナーシップを記念する碑でした。道路整備、水道インフラ、エネルギー改善、行政支援など両国の開発協力プロジェクトの成果を記念し、その友好関係を示すものでした。

 


 ◆フレンドリーでやさしい島の人達

バス停です。ロントン村とバナナ村間をミニバスが走っています。乗車賃は1.2オーストラリアドル(約126円)。

バスの運行本数は少ないため、地元の人たちはトラックやバイクに乗り合って移動することが大半です。

郵便局で切手を買うことにしました。3名ほど待っていたのですが、我々が切手を購入したいことを知ると、順番を譲ってくれました。ありがとう!

切手を購入することができました。

順番を譲ってくれた人たちと、そばにいた可愛い女の子に日本のお菓子をプレゼントしたら、とても喜んでくれました。

バイクの人たちは、我々に向かって笑顔で手を振ってくれることが何度もありました。もし手を振ってもらったら、笑顔で”Mauri!” (マウリ!、キリバス語で「こんにちは」)と言って手を振り返してあげてくださいね。

 


 ◆街で見かけた.kiドメイン

キリバスに割り当てられているccTLDは「.ki」です。「口と鼻を覆って自分と周りを守ろう」という啓発メッセージが書かれた、COVID-19感染予防ポスター。

キリバスの水産物衛生管理(シーフード処理・輸出)に関するガイドラインをまとめたポスター。ドメインを見つけられたのは、各省庁が集まっているエリアだけでした。

 


 ◆現地SIM速度調査~キリバス編~

クリスマス島でeSIMは使えません。港湾局やジュニアセカンダリースクールへ続くメインロードに、セメントブロック造りの地元商店でSIMカードを取り扱っていました。

キリバスの通信事業者「OceanLink」が発行したSIMカードを購入できました。ロンドン村周辺では安定していますが、検索やテキストチャットなどの軽量通信に使えるレベルでした。

海外に行く予定のある方は「最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由」を参考にしてください。

 


■今回訪れた場所

■キリバスまでのアクセスはこちら

 

■「.ki」ドメインの詳細はこちら

■「.com.ki」ドメインの詳細はこちら

■「.net.ki」ドメインの詳細はこちら

■「.org.ki」ドメインの詳細はこちら

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