コロンブスも絶賛!“カリブ海に浮かぶフランス”マルティニークに行ってみた

「マディニーナ(花の島)」または「マティニーノ(女の島)」が語源で、大西洋を横断した航海者コロンブスに「世界で最も美しい場所」と言わしめた島、フランス海外県のマルティニーク。フランス海外県とは、1946年、フランスの海外領土の一部に設置された県のことで、 国内の県と同等に扱われています。フランス本土から約6,800㎞離れたカリブ海にあるフランスの島マルティニーク、どのくらいフランスなのか確かめに行ってきました。割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.mq」です。

※取材は2020年2月上旬に行われました。

◆マルティニークはどこにあるのか?

マルティニークは、南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海に浮かぶ島です。大きさは1,128平方キロメートル、北海道札幌市が1,121平方キロメートルですので、だいたい同じ大きさです。マルティニーク人はフランス国籍を有しています。母国語はフランス語、通貨はユーロです。

= 目次 =

◆島国は独立しない方がよい?ハイウェイが続く南の海に浮かぶフランス

◆「坊やだからさ」と言いながら飲んでいいのはラム酒だけ

◆フランス風バナナ料理など~マルティニークの食事事情~

◆現地でのSIM購入&速度調査~マルティニーク編~

◆.mq ドメインを探したら、マルタ島でマルチーズを探すより大変だった

 


◆島国は独立しない方がよい?ハイウェイが続く南の海に浮かぶフランス

エアアンティルのATR 72 3S 217便でグアドループを経由しマルティニークへ向かいます。

機内に座席指定はありません。飛行機なのにすべて自由席です!

マルティニーク・エメ・セゼール国際空港に到着。空港のホームページはフランスのドメイン.frが使われています。マルティークはフランスの海外県のため、EU同様簡単に入国できます。入国書類を書く必要もありません。

空港には、毎年3月上旬頃に開催されるカーニバル用の仮面のオブジェが飾ってありました。

パリやカナダのモントリオール、周辺の島からも直行便が出ています。

空港からタクシーに乗ってホテルへ。運転手さんに英語で話しかけたところ通じません。「フランス語で話して」と言われてしまいました。空港を出発し綺麗な海辺沿いを走ると思いきや、巨大なハイウェイが出現。夕方時の通勤ラッシュと重なったせいか、島というより、アメリカの大都市のようです。道路は整備が行き届いていました。

ハイウェイ沿いにあるカリベア ヴァルメニエール ホテルに到着。今まで巡った島では見たことのない、近代的なシティーホテルに驚きます。

ホテル内はパイナップルがデザインされた壁紙が貼られ、流石フランスのホテルでオシャレです。

ハイウェイ沿いはお店が何もなく、夜は真っ暗。少し歩きましたが、車がひっきりなしに通り過ぎ、危ないです。

我々以外、誰もいません。まだ夜7時です。ひっそりとしています。

マルティニークでは、かつて独立運動が起こりましたが、本国フランスの反対にあって独立を果たすことができませんでした。しかし、フランスの支配下のままで良かったのではないでしょうか?フランスからの補助を受けているため、カリブ海の他の島よりもインフラが整備され、生活水準が高い印象を受けました。しかもフランス国民としての権利も与えられているので、マルティニークの人々は、自由にフランス本土へ行き来できるのです。一方、マルティニークの隣のセントルシアは、1979年2月、イギリスからの独立に成功したものの、決して裕福とは言えない状況です。

 


◆「坊やだからさ」と言いながらコロンブスが言った島を弾丸4時間でまわってみる

マルティニークは、クリストファーコロンブスが 1502年6月15日に上陸した場所で、「世界で最も美しい場所」だと彼を魅了しました。札幌市とほぼ同じ広さのマルティニークを4時間で回ってみます。

近代的なバスが走っていました。チケットは自動発券機で購入。クレジットカード支払いもOK。

まず島の北、山側に向かいましょう。丘の上は高級住宅地だそうです。

 

マルティニークの県庁所在地であるフォール・ド・フランス中心部から7kmに位置する山の上に、まるでお城のように教会が建っています。

クラシカルでレトロな可愛らしいカトリック教会です。

教会の中に入ると、より荘厳な雰囲気を感じられました。無料で入れます。

 

バラタ大聖堂から約12km先にアルマ川があります。川のせせらぎを聞きながら、熱帯雨林の森林浴が楽しめます。

 

急な階段を下りて約100m先にソルジョンダーム(Saut Gendarme)という滝があります。

滝の前で写真撮影。お父さんのポーズが様になっています。

泳いでいる家族もいました。

 

このうっそうと生い茂るレインフォレストの葉を見ながら、次の目的地へ向かいます。ここは毎日雨が降るそうですが、我々が通った際は降っていませんでした。

 

ソルジョンダーム滝から14km北西に向かい、デパス蒸留酒製造所(Distillerie Depaz)に到着しました。サトウキビのジュースを使用してラム酒を作る工場です。無料で見学できます。
https://www.depaz.fr/

試飲もできます。

工場近くには、サトウキビ畑がずっと続いていました。

ちなみに機動戦士ガンダム第12話「ジオンの脅威」にて、シャアアズナブルが「坊やだからさ」と言いながら「ラ・マニー(La Mauny)」というラム酒を飲むシーンが有名ですが、このラム酒もマルティニーク産です。

 

倒壊したサンピエール教会の砦(église du Fort de Saint-Pierre)。1902年5月、マルティニーク島プレー山が噴火しました。火砕流によって、当時の県庁所在地だったサンピエールで約3万人が死亡。生き残ったのはたった3人という大災害で、20世紀の火山災害中最大であったと言われています。街は壊滅し、島の首府がフォール・ド・フランスに移転しました。

近隣の廃墟は駐車場として使われていました。

 

  • 豪華客船

MSCクルーズの豪華客船がダウンダウンのクルーズターミナルに停泊しています。マルティニーク・エメ・セゼール国際空港には、MSCクルーズの展示ブースもありました。

 

コロンブスを魅了したマルティニークの海です。

「Herve Beuze Patrick Arneton」というトーテムポールが建っていました。

 

  • ダウンタウン

クルーズターミナル近く、エルネスト・デスプロージュ通りを散策します。

サバンナ(La Savane)公園でデモが行われていました。「フランス本国では黄色いベストを着てデモをするが、こっちは赤色なんだよ。」とタクシーの運転手さんが教えてくれました。

子供達も参加しています。

マルティニークの国旗は公式にはフランスの三色の国旗です。実は青字に白い十字の非公式な象徴旗もあるのです。旗が4つ並んでいるのではなく、4つでワンセットの旗です。白い蛇はマルティニーク島にしか見られない固有種です。ハリーポッターのスリザリンの紋章に似ていますね。今回、この象徴旗は見つけることができませんでした。もしフランスから独立していたら、こちらが国旗だったかもしれません。

今回マルティニークを弾丸4時間で案内してくれた、ちょい悪ダンディーなタクシードライバーさん。

運転中は、マルティニーク島生まれのリズムの一種であるビギンを取り入れた『ビギン・ザ・ビギン』を始め、ムーディーなラテンアメリカ音楽をかけてくれました。

マルティニークはフランス人にとって海と山の自然に癒されるバカンス先で、アジアのバリ島のようでした。

 


◆フランス風バナナ料理など~マルティニークの食事事情~

マルティニークの料理は、フランス料理をアレンジしたクレオール料理です。

カリベア ヴァルメニエール ホテルのレストランで夕食をとります。オレンジジュースを頼むと、フランスの国民的炭酸「オランジーナ」がきました。左の濃い色はマンゴージュース。4.5ユーロ(約558円)です。ホテルなのでちょっと高いですね。

メニューです。フランスらしくコースになっています。前菜とメインのセットが29ユーロ(約3,596円)です。

バナナをコース仕立てで頂きます。前菜は「エビフライとグリーンバナナのフムス」。グリーンバナナをマッシュポテトのようにした上にエビフライを載せた一皿です。グリーンバナナはタロイモのような味でした。

メインは、「イエローバナナのカレー」。クスクスの上にバナナのカレーが載ったヘルシー料理です。あまり辛くなく、ココナッツが効いています。食べるとサフランの香りがふわっと 鼻にぬける特徴的な味です。

ホテルの朝食には、バナナジャムがたくさん置いてありました。焼きバナナを煮詰めたような味。

コーヒーメーカーはフランス語で書かれています。

 

空港2階に小さなフードコートがあります。

メニューは6種類。

チキンのプレート12ユーロ(約1,488円)

マルティニークのお土産にドライバナナがおすすめです。空港の売店にあります。それぞれ6.9ユーロ(約856円)、2ユーロ(約248円)。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~マルティニーク編~

空港で利用できるWiFiは2.1Mbps。島内では、Glocalmeを使用しましたが、ほぼ同じスピードで、ストレスなくインターネットができました。

Digicelは、空港内や街にも店舗があります。しかし、SIMは売っていませんのでご注意ください。

マルティニークには、フランスで一番大きな通信キャリア「Orange」が5店舗あります。島で買ったSIMはパリでも使うことができます。

 


◆マルティニークで.mq ドメインを探したら、マルタ島でマルチーズを探すより大変だった

マルティニークに割り当てられているccTLD「.mq」が、どのくらい街中で使われているか探してみます。

よく目にしたのは「.com」、

またはフランスのccTLD「.fr」。

ホテルにあった電話帳も「.fr」。

バスはGmailを利用していました。

.mq」が全然見つかりません。ツーリストインフォメーションセンターを見つけたので、「.mq」のことを聞いてみましょう。こちらも「.mq」ではなく「.fr」を使用中。ちなみに、センターを表す「.center」なんてドメインもあります。http://www.tourisme-centre.fr/

若い女性スタッフに「私たちは.mqドメインを探しています。見たことありますか?」と尋ねたところ、「ドメインはみんな .fr を使っているわ」と言われてしまいました。「どこかで見たことありませんか?」と粘ると、隣で聞いていた別の女性スタッフが「たしか電力会社が使っていたかしら?」と言いながらパソコンで調べると、「eDFという会社が使っているわよ」と教えてくれました!日本人はドメインに異常な執着があると思われたかもしれません。

というわけでツーリストインフォメーションから徒歩5分のところにある、電力会社eDFに向かいます。

中に入ってみると、看板にwww.edf.mqと書かれています。今回の島巡りでやっと一つだけ.mqドメインを見つけることができました!

現在、「.mq」を運営しているレジストリはMediaserv社です。しかし、案内されているレジストリのサイトnic.mqにアクセスすると、エラーアナウンス「403 Forbidden」が表示され、何も情報が無い状態です。レジストリのサイトが非表示の場合、そのドメインが提供されていないケースもあるのですが、「.mq」は現在取得可能で、運用しているサイトもたくさんあります。

ドメイン島巡りでは以前マルタ島でマルチーズを探すのに苦労しましたが、マルティニークで.mqドメインを探す方が大変でした。

 


■今回訪れた場所

■ マルティニークまでのアクセスはこちら

■「.mq」ドメインの詳細はこちら

エルフの存在を信じる国アイスランドにはエルフのための法律やエルフ専門学校、エルフのペニスを展示する博物館があると聞いて行ってみた

アイスランド大学による2007年の調査によると、アイスランド人の60%以上はエルフ(妖精)が存在すると信じています。

調べてみると、アイスランドにはエルフ学校やエルフのための法律、エルフに会える場所、そしてエルフのペニスも展示している博物館まであります。エルフと聞くと、アニメやゲームに登場する耳が長くて尖った美少女を連想する方も多いのではないでしょうか?いったいアイスランドにはどんなエルフがいるのか、実際に行って確かめてきました。アイスランドに割り当てられている ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.is」です。

 


◆アイスランドはどこにあるのか?

アイスランドは火山や地震が多く、日本との共通点が意外とある北大西洋上の島国です。寒いイメージがありますが、暖流の影響で首都レイキャビクの真冬の平均気温はマイナス4度程度。居住エリアは海岸沿いに集中し、内陸部はほとんど無人地帯で「ハイランド」と呼ばれています。アイスランドの大きさ(103,000 km²)は、北海道(83,454 km²)より少し大きい程度です。公用語はアイスランド語。英語も通じます。利用されている通貨は、アイスランドクローネ。1ISK(アイスランドクローネ)は、0.88円(2020年2月現在)です。

= 目次 =

◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

◆エルフ遺産保護法とエルフや悪魔に出会えるマップ

◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受けた

◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ~アイスランドの食事事情~

◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

 


◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

ほとんどの旅行者は西部にあるケプラヴィーク国際空港を利用してアイスランドに到着します。荷物受け取り場では、巨大なパフィン(ニシツノメドリ)が天井からお出迎えしてくれました。

パフィンはアイスランドでとても人気がある海鳥で、国鳥的存在。街のお土産店でもたくさん見ることができます。

アイスランドは物価が高く、タクシーの利用はお勧めできません。空港からレイキャビク市内まで約45分のタクシー料金は、18,000クローネ(約15,840円)もします。ぼったくりではありません!アイスランドには電車やメトロが存在しないので、レイキャビク市街地へ行くには空港バスが便利です。我々が利用した「flybus」は2,999クローネ(約2,639円)。市内にあるホテルの近くを巡回してくれますが、巡回順によっては宿泊先ホテルへの到着が遅くなる場合がありますのでご注意を。だいたい1時間ほどの所要時間を見ておくと良さそうです。

バスは空港を出てすぐの非常にわかりやすい場所に待機しています。

レイキャビクに到着。

市内移動は、バスアプリStraetoがおすすめ。バス乗車前にアプリ上で切符を購入できます。支払いはクレジットカード。乗車の際、運転手さんにアプリ内のチケットを見せるだけで乗車できました。ルート検索もできます。

多くのお土産店、ファッションのお店、レストランなどが立ち並ぶ大通りは通るたびに新たな発見があります。エルフを思わせる小人のイラストも見かけました。

そしてレイキャビクのおすすめスポットは、ハットルグリムス教会です。まるでRPGのゲームに出てくる神秘的な「エルフの塔」のよう。

塔の前には、紀元1000年頃にコロンブスより500年程早くアメリカ大陸を発見したアイスランド人のヴァイキング、レイブル・エイリクソンの像が立っています。

ハットルグリムス教会は、レイキャビクのランドマーク的な存在。ここでゲームのキャラクターであるエルフのコスプレ写真を撮ったら、RPGの世界を満喫できそうです。

教会の内部も1階部分は無料で入場できます。

ハットルグリムス教会(アイスランド) #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

この教会のデザインは、マグマが六角形に固まってできた柱状節理と氷河を象徴しています。

ちなみに柱状節理がよくわかるのは、ブラックサンドビーチ。岩体が柱状になっていますね。

 


◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

世界で唯一のペニス専門博物館「アイスランドペニス博物館」は、レイキャビクの中心街にあります。それにしても、なかなか見つかりません。迷ってしまいました。

ようやく発見。そこは何度も通り過ぎていた場所でした。およそ博物館らしくない外観のため、気がつかなかったのです。

我々を導いてくれたのは、この看板。看板の背後で男性がファスナーに手をかけているように見えますが、この時は気がつきませんでした。我々の写真撮影に合わせて、博物館に展示して無い方を見せてくれようとしたのか、偶然なのかは定かではありません。

エントランスで、エルフのペニスなんて本当にあるのか質問してみると、「ありますよ」とのこと。行ってみましょう!入館料は大人1名1,500クローネ(約1,320円)。

中に入ると、そこは一面ペニスだらけ。博物館の名称「The Icelandic Phallological Museumo」は、訳すと「アイスランド物理学博物館」ですが、アイスランドペニス博物館と呼ばれるだけあります。

ペニス博物館 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

アシカやオットセイ、クジラなど90種以上の動物から取得された標本が展示されています。2011年1月に、同館は史上初めてヒトのペニス標本を展示。これは、死後の提供を申し出ていたドナー4名のうち1名のものです。同館は引き続き「より若く大きく状態の良い」標本を探し続けるとしています。

博物館中央の柱に飾られている人形。木の妖精でしょうか?同館内で一番高い場所に展示されているペニスです。

「RUSTIC ELF」と書かれたエルフのペニスを発見!中国語訳では「精霊」と書かれています。石みたいですね。

トロールのペニス。こちらも石みたいに見えます。

トロールとは、北欧の国、特にノルウェーの伝承に登場する妖精のこと。

こちらは、何か大きな動物のペニスなのかと思いきや「CHANGELING」と書かれています。「CHANGELING」とは「取り替え子」のことで、子供が連れ去られた時に身代わりとして密かに置かれる「エルフの子」を意味しています。エルフの子のペニス、、。形がちょっと気持ち悪いです。

山羊や羊のペニスも展示。山羊や羊とは言っても、「エルフの世界の山羊や羊」です。

この博物館の創設者であるシグルズール・ヒャルターソン氏。ペニス型の受話器で誰かとお話しているようです。受話器もですが、浮かない表情も気になりますね。

熱海の秘宝館のようなネタ満載のアミューズメントを想像していましたが、全くそんなことありません。クジラからヒトまであらゆる動物のペニスが所狭しと陳列されている、学術的価値のある博物館で、真剣に説明を読み、様々なペニスをじっくり見ている来場者の姿がとても印象的でした。同館を題材とした映画「最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~」は、2015年8月に日本でも上映されています。
博物館に併設されているお土産店もまた充実しています。

サンタクロース風ペニスのぬいぐるみ。

柄がペニスのカップ。

エルフに関する12のおとぎ話が書いてある本も売ってました。

ちなみに館内にあるトイレは、入口のドアの柄がペニス。少々やり過ぎな感じも。


◆エルフ遺産保護法とエルフにも悪魔にも出会える場所

1971年、レイキャビク近くの道路工事において、「エルフの岩」とされる岩石を誤って土壌に埋めてしまったところ、道路が冠水したり、負傷者が出たり、工事で使用する重機が故障したりと、不可解な事象が相次いで発生しました。これを受け、アイスランド道路管理局は、この岩を土壌より掘り出して洗浄。今後はこのようなことが起こらないように、2012年に「エルフ遺産保護法」が成立し、「エルフの岩」は保護指定されました。参考:AFP

 

「エルフ遺産保護法」と言われると本当に存在する法律なのか疑ってしまいますが、実は、文化遺産と考古学的に意義のある場所を保護する法律の一部で、魔法、民話、習慣、国民の信仰など、昔ながらの言い伝えに関する場所を保護する法律として実在します。

参考
mbl.is「Elf rock restored after its removal wreaks havoc on Icelandic town」
・アイスランドで書かれた実際の文化遺産法はこちら

 

また、アイスランド人がエルフと接触した正確な場所を共有するために作成されたマップがSaga財団によって公開されています。マップには、エルフの他に幽霊、悪魔等と遭遇した場所も記されています。エルフを目撃した人々によると、その特徴は「人間に似ているが、やや小型。普段は穏やかな性格。」と言われています。このマップの場所に行けば、エルフにも悪魔にも会えるはずです。

 


◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

エルフのことが気になって仕方ありませんが、アイスランドと言えば一般的には「美しい大自然」でしょう。日本で見ることができない神秘的なスポットに行ってみます。いつも通り、あまり時間が無いので、「The popular Golden Circle Tour」と呼ばれる定番観光地ツアーに参加してきました。このバスツアーは、ゲイシール間欠泉グトルフォス滝シンクヴェトリル国立公園の3か所を訪れます。レイキャビクから日帰りで定番観光地を巡る、効率の良いツアーです。

 

まず最初に訪れたのは、ゲイシール間欠泉。場所の名前にもなっているゲイシール間欠泉は現在活動をしていないようです。誰もいません。

人が集まっているのはストロックル間欠泉。ゲイシール間欠泉から歩いて3分の所にあります。この辺りから、日本の噴気地帯でも馴染みのある硫黄ような匂いが鼻を突いてきます。

近づくと、グツグツしている水溜りが。しばらく見ていると、、、

ポーンという大きな音と共に、ものすごい量の水が噴出!!驚きました!!

間欠泉は約10分ごとに発生しますが、たまに不発に終わることもあります。思った以上に近づくことができるのは魅力ですが、近づき過ぎて熱湯がかかることもあるので、ご注意ください。入口には、「自己責任でお願いします」という注意書きもありました。

 

次は、グトルフォス滝です。先ほどのゲイシール間欠泉からバスで約10分。Gullfoss(グトルフォス)は、アイスランド語で「黄金」を意味します。これがゴールデンサークルの「ゴールデン」の由来にもなったようです。

この滝も、かなり近づくことができましたが、水しぶきで濡れてしまうため、予めレインコートを着用している方も多くいました。とにかく水量が多くて迫力満点。滝近くの地面は濡れていて非常に滑りやすいので、滝に落ちないようにご注意ください。

ほとんどの観光スポットにはトイレが併設されていますが、その大半は有料。でもご安心ください。有料トイレでも、クレジットカードが使えます。こちらは、1回200クローネ(約176円)。アイスランドでは、一般的な旅行ならば現地通貨であるアイスランドクローネを一切持たなくてもクレジットカードで全て済んでしまうというのは本当でした。現地通貨に換金してしまうと通貨が足りなかったり余ったりするので、カード社会の有難さを痛感しました。

バスは最後の目的地であるシンクヴェトリル国立公園に到着。グトルフォス滝からバスで約1時間かかりました。

この国立公園は、ユネスコ世界遺産に登録されています。

この公園、実は敷地内に北米大陸とユーラシア大陸があるのです。家が見える向こう岸がユーラシア大陸、こちら側は北米大陸。

遊歩道を歩いて両大陸を行き来できます。

レイキャビクには、ツアー専用送迎バスの停留所が各ホテルの近辺にあるのですが、Google Mapsにも出てこない停留所もあるので、事前確認または大きなバスターミナル (例えばBSIバスターミナル)などを利用することをおすすめします。8月等の観光シーズンでは、ツアーバスはほぼ満席になります。

 


◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受講

エルフの出没場所を把握し、博物館でエルフの存在を確信した我々は、エルフについての理解をより深めるべく、レイキャビクにある「The ELF School」(妖精専門学校)で講義を受けることにしました。講義は毎週金曜日に実施されており、受講時間は合計3~4時間。受講料は1名につき56ユーロ(約6,700円)で、ドルでもクローネでも支払いOK。クレジットカード決済も可能です。参加する際は、メールで事前予約することをおすすめします。詳細Prices and Scheduleをご覧ください。

学校の看板を発見。この雑居ビルの2階にあるようです。

学校というよりか小さなオフィスみたいな感じ。なにか怪しい気がするのは気のせいでしょうか。ドアが開いていたので中に入ってみます。

授業開始の15時より少し前に着いたので、学校関係者は誰もいません。講義を受けに来た方が一人いるだけ。しばらくすると、数名の受講者が登校してきました。ここで授業が行われるようです。教室と言うよりかは、人形や置物がたくさんある小さな部屋です。エルフの本や、変わった雑貨もたくさん置いてあります。

約15分ほど待っていると、スカルプヘイジンソン(Skarphedinsson)先生がやってきました。先生は、アイスランの大学で歴史、民俗学、人類学を学び、アイスランドの超自然に関わる団体の創設者。先生ご自身はエルフを見たことはありませんが、「エルフや一般人には見ることのできない人々(見えない人々)に会ったことがある人約900名」に会っているそうです。

講義は談話形式でゆったりした感じで進んでいきます。渡された教科書には、エルフや見えない人々のイラスト、民話、実際の体験談などが全て英語で書かれています。しかし、講義中にこの教科書が使われることは一度もありませんでした。

先生は、ゆっくりとかつ真剣な表情でエルフや見えない人々について語っていきます。先生自身はそれらを見たことがないそうですが、家族や友人など信頼できる人からの目撃談をたくさん聞いているため、エルフや見えない人々の存在を信じているそうです。また、誰でも見ることができるものではなく、Psychic (心霊能力や超能力などのエネルギーなどを感じやすい人) だけが見えるもので、特に子供は、エルフや見えない人々を見る能力があるそうです。
先生は我々生徒の顔を見渡すと、「この中には残念ながら、Psychicはいないようです。」と言っていました。

休憩時間には、コーヒー、紅茶とともにアイスランドのパンやクレープみたいなものを頂きました。

ほどよい甘さのクレープがとても美味しくて何個も頂いていると、先生に「もっと食べなさい」とチョコレートを無理やり渡されたのも今となってはいい思い出です。

講義再開。見えない人々がこちらの世界に残したという物をいくつか見せてくれました。まず、子供たちが見えない人々に遭遇した場所にあった石。その場所に存在しないはずの石だそうです。

続いては、見えない人々が生活に使っていたとされる鍋。確かに製造会社のロゴや品番などの情報は書いてありませんが、にわかには信じがたい話です。

先生によるエルフの話が続きます。昔は海へ漁に出るかどうかは、Psychicが見えない人々の行動を見ることによって決めていた話。例え晴天であっても、見えない人々が漁に出なければ、それを真似て漁に出ない。もし漁に出ると、晴天だったのに急に嵐に見舞われたり、魚が全く取れませんでした。また、山で遭難した人が山小屋を見つけ、そこの住人に食事を御馳走してもらい助かりましたが、山小屋を出てしばらくして振り返ると、その山小屋や人が存在しなかった、というお話もしてくれました。

エルフや見えない人々は、人間を助ける存在であり、人間に対して悪事を働くことはほとんどありません。なぜ「ほとんど」なのかと言うと、子供を誘拐することがあったから。講義中は、自分の世界に引き込んでいくような語り口調で話す先生ですが、カメラを向けると、かなり陽気なおじさんになってしまいます。エルフに会った人は少ないですが、体験談等が古くから代々語り継がれており、今もなおその存在を信じている人が多いと感じました。アイスランド人にとってエルフは、なくてはならない存在なのでしょう。

講義の最後に受講証明書を頂きました。講義というよりかは、体験談やおとぎ話の紹介と言った方が正しいかもしれません。ご一緒した生徒の1人は、「私はエルフを見たことがあるから、おとぎ話よりスピリチュアルな話をもっと聞きたかった」と、やや不満げです。講義は全て英語。イギリス、アメリカ、ドイツからも受講に訪れています。万人におすすめできるかと言えば、ちょっと微妙ですが、変わった体験がしたいという方にはおすすめです。

校舎を出ると、エルフがお見送りしてくれています。もしかしたら、我々にしか見えていないのかもしれません。皆さんにも見えていますか?

 


◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ
~アイスランドの食事事情~

島国のアイスランドは、サーモンやタラなど海の幸が豊富な一方で、物価はと言えば、高いです。例えば、ケプラヴィーク国際空港にある売店「10-11」で売られている水1本あたりの値段は499クローネ(約439円)もします。ただ、ローカルなスーパーなどでは、ここまで高く売っていないようです。

お店の外壁に日本語でもラーメンと書いてある、ラーメン店の「RAMEN MONO」。公式ホームページで「.is」を使っています。

店内も日本の今時のラーメン店に似ています。店員さんは日本人ではありませんが、ほぼ満席だし食べている方のラーメンを見ても、かなり期待できそう。

お店イチ押しの豚骨ラーメンを注文しました。お値段、1,950クローネ(約1,716円)。スープは少し薄めで麺もかなり柔らか目でしたが、大満足なお味でした。テイクアウトもできます。


アイスランド料理を食べに「スリールフラッカー(Þrír frakkar)へ。レイキャビクからちょっと歩いた閑静な住宅街にありました。

まずはメニューの一番上にある「Fermented shark Icelandic speciality and dried cod with butter」(1,240クローネ、約1,091円)。を頂きます。

左の乾燥させたタラは、乾燥イカのような食感でお酒のおつまみにピッタリ。右の発酵させたサメの肉は、ちょっとアンモニアのような匂いがして、苦手な人と好きな人がはっきり分かれそうです。

続いて国鳥的存在で人気の鳥「パフィン」」を注文。メニューの名前は、「Smoked Puffin breast with mustard sauce」(1,990クローネ、約1,751円)です。まさかパフィンを食べるなんて・・・想像もしていなかったので驚きました。薫製のパフィンは、鳥の匂いというか、獣の匂いが少し気になります。味は非常に深みがあって上品。気になった匂いはマスタードをつけることで、だいぶ抑えることができました。

メインメニューは、ワサビが添えられている「Grilled Halibut with soya butter sauce and mashed potatoes with wasabi」(3,950クローネ、約3,476円)と、

ボリューム満点の「Hashed fish with black bread “Icelandic speciality”」(3,150クローネ、約2,772円)です。サメ以外の料理は、美味しく頂きました。


アイスランドには「死ぬ前に食べるべきパン」または、「世界一おいしいパン」と評されるパン屋があります。これは絶対に食べたい!そのパンは「ブロィズ・オ・コ(Brauð og co)」が作って販売しています。お店は、ハットルグリムス教会の近くにありました。超ド派手な外観。実は「死ぬ前に食べるべき派手なパン」だったら嫌だな、と思いつつ入店。

店内は普通の小さなパン屋さんでした。安心しました。

レジの反対側では、パンを作っているところが見えます。忙しそうです。

いろんな種類のパンがあります。

死ぬ前に食べるべきパン、どれにするか迷います。

このパン屋で人気のシナモンロール(490クローネ、約431円)を、死ぬ前に食べるべきパンに決めました。これでもかというくらいに甘いのですが、パンがしっとりとしていて食感がいい。「死ぬ前に食べるべきパン」はやや言い過ぎですが、「アイスランドに来たら絶対に食べるべきパン」と断言しても良い美味しさでした。


アイスランドには世界一、いや宇宙一美味しいと言われているホットドッグもあるのです。「バイヤリン ベスタ ピルスル(Bæjarins Beztu Pylsur)」で買うことができます。お店は小さなスタンドみたいです。

これが宇宙一のホットドッグ。宇宙一とは思えない質素な佇まいです。見た目ではなく、味が宇宙一なので早速いただきます。ラムを使っているようなソースが癖になる味!ですが、それ以外は残念ながら宇宙一と言えるまでのホットドックかどうかわかりませんでした。宇宙一のホットドッグだとガッカリするかもしれませんが、お値段約500円のホットドッグとして食べれば普通に美味しく頂けます。ただ、博物館に行った直後に召し上がることはおすすめしません。

空港のお土産屋にこのホットドックのソースらしき物が売っていました。ご自宅でも宇宙一のホットドックを作れるかもしれません。


アイスランドでファーストフード店と言えば「Aktu Taktu」。マクドナルドは2009年10月31日にアイスランドから完全撤退したため、アイスランドは西側諸国の中でマクドナルドが1店舗もない珍しい国になりました。

 

レストランのスタッフから、簡単な日本語で話しかけられることがありました。アイスランドでは日本語を学ぶことが英語の次に人気があるそうです。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

SIMは、ケプラヴィーク国際空港内にあるコンビニ「10-11」で購入できます。

選択したのは、5GBプラン(2,900クローネ、約2,552円)。遅いと感じることはありませんでした。

fast.comで速度測定。快適にネット接続できる速度です。Glocalmeも15Mbps。レイキャビクであれば問題なく使えました。

 


■今回訪れた場所

 

■ アイスランドまでのアクセスはこちら

■「.is」ドメインの詳細はこちら