まさに波瀾万丈、島全体が100%テスラの太陽光発電「タウ島」の実態をゴリゴリの力技で実際に行って確かめてみました

第12弾は観光客がほとんど訪れず、日本人はわずか3人しかおらず、旅行記もほぼ皆無という謎に包まれた国「アメリカ領サモア」です。

バカンスの目的地として有名で観光客も多いサモア独立国とは別の「アメリカ領」であるサモア国にピンとこない人は多いかもしれませんが、実はアメリカ領サモアには「タウ島」という島全体を太陽光発電とバッテリーでまかなうテスラの理想を実現した場所が存在します。「これは行くしかない!」となったのですが、インターネットで調べても本島からタウ島への飛行機は予約が2014年で途切れており、運行されているのかも定かではない、という状態。これはもう、現地に行って何とかするしかない……!ということで、とにかくアメリカ領サモアに飛んでみました。

= 目次 =

◆テスラのメガソーラー発電所がある「タウ島」まで本当に行けるのか?

◆「世界で最も肥満が多い国」では何を食べているのか?

◆「アメリカで最もインターネットが高い」と言われた国のネット環境とは?

◆国に3人しかいない日本人を探し出してみた

◆街で見かけた「.as」


◆テスラのメガソーラー発電所がある「タウ島」まで本当に行けるのか?

アメリカ領サモアはポリネシアにある島なのですが、アメリカの自治領で準州にあたります。日本人はビザ免除プログラムによってアメリカにビザなしで入ることができますが、アメリカ領サモアはアメリカ本土とは違う独自の出入国管理制度を行っているので、事前に申請を送る必要があります。

以下がアメリカ領サモアの入国について書かれた政府のページなのですが、ページ上部に書かれている連絡先がなんとGmailになっており、渡航前から不安。

immigration info | american samoa
https://www.americansamoa.gov/immigration-info

 

ただし許可証を得るためのメールの送り先は「okboard@la.as.gov」でした。メールを送ったところ、「パスポートのコピー」「航空券のコピー」「現地の宿泊先&連絡先」の3つをメールで送ることで許可証をゲット。返信がなかなか返ってこないので許可証をゲットするまでに何度かつつく必要がありました。

アメリカ領サモアに入るにはサモア独立国を経由する方法もありますが、今回は「日本→ハワイ→アメリカ領サモア」というルートを選択。ハワイからアメリカ領サモアへは週2便しかなく、オアフを16時半に出発し、21時過ぎに首都のパゴパゴに到着するという、約6時間のフライトです。

空港到着後、「ASG IMMIGRATION OFFICE」に入り……

果たしてちゃんと入国できるのかドキドキしつつ順番が来るまで待機。これがメールで送られてきた許可証です。

順番が来て許可証と入国料1人20ドル(約2200円)を渡すとすんなり入れました。ホッと一息。

空港の到着ゲートを出ると、「祭りでも始まるのか?!」と思ってしまうほどの、すごい人。アメリカ領サモアの人は仕事でハワイやサモア独立国と行き来している人も多く、週2本のハワイ便が到着する際には家族の出迎えで空港がごった返すようです。

音声つきの映像でみると、現地のにぎやかさがよりわかります。

アメリカ領サモアの空港が縁日のようなにぎやかさ – YouTube

航空会社のオフィスは16時でクローズしてしまうため、一晩待って、タウ島行きの航空券をゲットすべく再び空港へ。

「SAMOA AIRWAYS」と書かれたオフィスに入り……

「タウ島行きの飛行機はありますか?」と窓口の女性に尋ねたところ、「明日(水曜日)の朝にある」という答えが帰ってきて色めきだちます。……が、アフィオナさんという窓口の女性によれば「タウ島から本島に帰る便が金曜日にしかない」とのことで、木曜日夜にはハワイ発の飛行機に乗らなければならない一行はそれを聞き「詰んだ……」と崩れ落ちそうに。

……が、「何とかならない?」「船ではムリ?」とさらに話を聞くと、タウ島から本島への飛行機は金曜日までないのですが、タウ島から船で1時間のオフ島という場所からは木曜日に本島に戻る便があることが判明。つまり、水曜日にタウ島に飛び、メガソーラーを見てからオフ島に船に渡り、木曜日の朝にオフ島から本島に向かうというプランが可能というわけ。宿や船について尋ねると、「私が手配しよう」というアフィオナさんからの心強い答え。

「今は船の人に電話がつながらないけれど、電話で段取りしてあげるから、また後でオフィスに寄って」とのことだったので、とりあえず街に出て、今度はメガソーラーを管理するAmerican Samoa Power Authority(ASPA)という電力会社に向かいます。

楽しそうに働くお姉さん2人に「タウ島のソーラーパネルを見ることができるか?」と聞いてみたところ、快く電話でタウ島の担当者に取り次いでくれました。

タウ島のソーラーパネルを管理しているのはTuniさんというエンジニア。「島に行ったら彼に電話すればいいよ」ということで電話番号を教えてもらいました。

数時間後、再び航空会社に向かったところ、「まだ船や宿の人と連絡が取れていない」という答えに「大丈夫なのか……」とちょっとヒヤッとしましたが、しばらく待っていると船と宿の予約を取り付けてもらえました。

ということで、翌朝。8時45分発のフライトのチケットを無事ゲット。

国内便の出発とあって、ハワイから到着した時と違い、空港はガラガラ。

なおSamoa Airはチェックイン時に「荷物の重さ」ではなく「体重と荷物の重さ」を量るスタイル。2013年にSamoa AirのCEOはこのスタイルについて「もうみんなが72kgだった時代ではない、我々すべてが標準的なシートに収まるわけではないのです」「私たちは座席ではなく、『荷重』を売っています」とCNNに語っています

空港の待合席には……

猫が迷い込むゆる~っとした空気です。

ということで、これがタウ島に向かう飛行機。

座席数は十数席という小型機で……

コックピットが丸見え。しかもなんと操縦士は日本人の方でした。「もしやアメリカ領サモアに3人しかいないという日本人では?!」と驚いたのですが、イケダさんというこの男性はサモア独立国の方に住んでいるそうです。「日本人をこの飛行機に乗せたのは初めてです」とのことで、アメリカ領サモア、しかもタウ島まで向かう日本人は多くないようでした。

「バディって感じ……」と呟いてしまいそうな、2人の操縦士がコックピットで協力して飛行機を飛ばす様子を最前列で見ることができました。

タウ島への飛行機離陸の様子 – YouTube

本島からタウ島までは飛行機で30分ほど。

ようやく念願のタウ島に到着し、感動もひとしお……というところですが、なんと通信の状態が悪くエンジニアのTuniさんへの電話がつながらず。しかも航空会社のアフィオナさんに手配してもらった案内の男性も見つからず、ソーラーパネルまで移動したいのに移動できない……!という缶詰状態に。

しかし、そんな時に見つけたのが……

「American Samoa Power Authority」の文字が入った車。

ASPAの車を運転していた男性はテスラに買収されたソーラーパネル導入企業「SolarCity」のベストを着ており、これは……!と思い話しかけてみました。この男性はSolarCityの中の人ではなく、島の電力や水道といったインフラを管理する立場にある人で、空港へは毎日のパトロールの一環として寄っていたそうです。「ソーラーパネルが見たいんです!」と言うと、「OK!連れていってあげよう!ついでにその後、車で町を案内してあげよう!」と快くガイドを引き受けてくれ、その姿に後光が差して見えました。

車の中、ハンドルの横には手書きで「ASPA」の文字。

そして到着したのが……

念願の……

メガソーラー発電所。

ソーラーパネルの横にあるのがオフィス。

このソーラーパネルを現場で管理しているのが、本島で電話番号を教えてもらったエンジニアのTuniさん。

オフィス内部はこんな感じ。

オフィスの中には修理中のインバータがありました。このメガソーラー発電所はテスラが管理しており、訪れた時にいたスタッフはTuniさん1人。Tuniさんも本島とタウ島を行き来する生活で、テスラと週に1回連絡を取り、問題が起こった時にメガソーラー発電所までやってきて問題を調査したり修理したりする役目だそうです。

オフィスにはソーラー発電所のマップがありました。指をさしているところがオフィスで、オフィスと比べてどれほど広大な場所にソーラーパネルが設置されているのかがよくわかります。

オフィスの横にはテスラの蓄電装置「パワーパック」が並んでいました。

ずらっと並んだパワーパックは計60個で、訪れた時には40個が稼働中。

人と比べるとサイズはこのくらい。

でかでかとテスラのロゴが入っているのかと思いきや、そうではなく……

貼り付けてあるシールの隅に小さくTESLAの文字がありました。

パワーパックの向こう側にずらーっと並ぶのがソーラーパネル。1枚のパネルの長さは120メートルで、それが25列続いています。パネルの数は全部で5000枚ほどで、電力は1410mWとのこと。

以下のムービーから「壮観」というしかないメガソーラーの規模がよくわかります。

圧巻のテスラのメガソーラーはこんな感じ – YouTube

ドローンで空撮してみるとこんな感じ。

100%ソーラー発電で島の電力をまかなうタウ島のソーラーパネル – YouTube

近づいてみたところ。

離れた場所からは分かりづらいのですが、パネルはかなり巨大です。

パネルとパネルの間を歩くと、そのスケールがよくわかりました。

島全体の電力を供給するメガソーラーの中をてくてく歩いてみた – YouTube

パネルの端っこにはインバータが4~5個取り付けられており、インバータは施設全体で44個だそうです。

「島の人がどうやって電気を使っているのか生活を見たいのですが……!」と伝えてみると、SolarCityのベストを着ていたジュニオルさんの家を実際に見せてもらえることに。

ここがジュニオルさんの家。

中はこんな感じで……

キッチンには冷蔵庫や……

コーヒーメーカー、ポット、電子レンジなどが並んでいます。

タウ島で電気を使うには、こんな感じのプリペイドカードを購入する必要があるとのこと。

このカードの後ろにあるスクラッチを削り、出てきた番号を……

壁に取り付けられているパネルに打ち込むことで、電気を使うことが可能になるそうです。

家の外には洗濯機。

これもコンセントにつながれていました。1カ月の電気代は1家族でだいたい1万円ほどとのこと。島には住民が2000人ほどいて、その電力をディーゼル発電でまかなっていた時は本島から燃料を運ばねばならず電気代がかさんでいましたが、太陽光発電にしてから電気代はずっと安くなったそうです。

ただし、天気が悪い日が3日以上続いた時には、アルゴリズムで自動的に発電機に切り替わるようになっているとのことで、発電機のある場所も見せてもらいました。

建物の中に並んでいるのは3台の発電機。普段は稼働していません。

ソーラー発電と、ディーゼルの発電は自動で切り替わるそうですが、部屋の外には発電機を監視する男性がいました。この役割は24時間シフトだそうです。「24時間シフトは大変だけど、たいがい誰かがここに遊びに来てくれる」とのことでした。

メガソーラー発電所や村の様子を見学させてもらったところでお昼が近くなり昼食を……と思ったのですが、タウ島にはレストランがないという事実が発覚。「商店に食べ物があるよ!」とのことなので、商店まで連れて行ってもらいました。

これが商店。

中はこんな感じで、石けんなどの日用品のほかはスナック菓子などが並んでおり、お弁当はなし。

ただしカップラーメンを発見したので、テスラの力でお店の人にお湯を沸かしてもらいました。

これもテスラの力で実現した心地よいクーラーの涼しさに包まれつつ……

マルちゃんのカップラーメンをいただきます。これがなければお昼ご飯はスナック菓子だったので、テスラよ、ありがとう。

ジュニオルさんにお礼を言って別れ、船でどんぶらこと揺られながら、翌日の本島行きの飛行機に乗るため今度はオフ島へ向かいます。「1時間」と聞いていましたが荒波の間を縫うようにしてゆっくり進んだため、1時間半ほどかかりました。

実はオフ島にもソーラー発電所があります。オフ島のソーラー発電所は港の近くの……

うっそうとしたハイキングコースの先にあります。

一応道はあるものの、まさに「ジャングル」という感じの傾斜が急な山を、20分ほど歩きます。

道にはオジギソウがわさわさと群生しており……

オフ島に群生するオジギソウ – YouTube

ヤドカリの姿も。自然とのふれあいが楽しめるソーラー発電所への道です。

急な傾斜にじわじわと体力を奪われつつ「まだ……着かないのか……」とくじけそうになった時に、一筋の光。

ソーラー発電所を発見……したのですが、タウ島に比べるとかなり規模は小さめ。

中はこんな感じ。木々のせいでソーラーパネルに影がかかっていますが、オフ島にはソーラーパネルを設置できる平らな場所がここ以外にないそうです。住民が100人ほどというオフ島はソーラー発電所自体の規模も小さめですが、それに加え、タウ島のように生活を100%太陽光発電でまかなっているわけではなく、ディーゼルの発電機との組み合わせで電力を作り出しています。


タウ島のメガソーラーが1410mWなのに対し、オフ島の太陽電池アレイは350kWで、インバータの数もタウ島が44個なのに対してオフ島はわずか3つ。しかもうち1つは故障中だそうです。

建物の中には……

Princeton Power Systemsの蓄電システム。テスラの文字はどこにもなく、同じ離島ではあるものの、かなり設備に差があることが見て取れました。

そうこうしている間に日が暮れそうに。実はアメリカ領サモアは「世界で一番最後に夕日を見られる国」なので、写真に写っているのは世界で最後の夕日です。

オフ島には宿が2~3件あり、今回、航空会社のアフィオナさんに予約してもらったのは「Asaga Inn」というところ。

宿の中はこんな感じ。やや虫がはっていたものの、しっかりクーラーも効いていて、コンセントもあるためスマートフォンやカメラの充電もばっちりで、電力あふれる生活ができました。

トイレ&シャワーはこんな感じ。

シャワーはお湯が出ずにちょっと悲しい感じでしたが、トイレは水洗で紙も流せました。

宿の人を含め、島の人々は「超」がつくほど親切で、ビーチは信じられないほどに水が透明で美しく、浅瀬にエイが泳いでいたりもするので、日本からだとアクセスしづらくはありますが、バケーションでゆっくりするのに向いている場所です。

翌朝になって向かった空港はこんな感じ。Googleマップにはのっていない空港ですが、「Ofu Vaoto Marine Park」という港の手前にあります。

空港はこんな感じ。

飛行機の到着ギリギリになるまで、特に職員はいません。

しかし、9時45分になっても飛行機が到着せず。アメリカの国立公園局はアメリカ領サモアの村議会から公園の土地を50年リース契約しているので、空港の隣にはレンジャーがいるのですが、そのレンジャーによると「飛行機が欠航した」とのこと。

「ええーーーー!」「今日ハワイに戻るんですけどー!」と絶句していると、宿の人が「とりあえず戻っておいで!」と迎えをよこしてくれました。

宿の女性は「お腹すいたでしょう、ご飯をお食べ」とハンバーガーを出してくれ、「部屋はそのままだから、自由に使って」と宿を提供してくれ、さらに航空会社と何度もやりとりしてくれるなど、信じられないほど親切にしてくれました。「アメリカ領サモアはやや反日」というウワサを渡航前に聞いていたのですが、非常に敬虔(けいけん)なキリスト教徒が多いこともあってか、アメリカ領サモアの人々はものすごくフレンドリーで優しくされる場面が多かったです。

Asaga Innのお姉さんとその父親らしきおじさん。

宿のお姉さんを挟みつつ航空会社とやりとりしたところ、「ホテル代や帰りの飛行機代は全て航空会社が持つから安心してほしい」とのこと。「本当だろうか……!ものすごい宿に泊まったりだとか、ものすごく時間がかかる飛行機に乗せられたりとかしないだろうか……!」と心配になりつつも、どうしようもないので……

宿の人が釣ってきてくれた巨大なロウニンアジのグリルをお腹いっぱい食べてぐうぐう寝ました。

そしてさらに翌日、「振り替えの飛行機が10時にやってくる」と聞いて空港に向かうものの、一向に飛行機が来る気配がないまま10時37分に。

しかし、11時が過ぎたころに、前日には現れなかった消防車などが現れ、期待が膨らみます。

ということで、無事飛行機が到着。聞いたところ、前日はサモア航空が持つ3機の飛行機が3機ともマシントラブルで飛ばなくなってしまったとのこと。しかし1日で修理が済んだということで、本来はフライトスケジュールがない日ですが迎えにきてくれたそうです。地元の人に聞いたところ飛行機の欠航はそうあることではなく、2018年は2回ほどだったことなので、タイミングが悪かったとしか言いようがありません。

本島について航空会社の窓口で事情を伝えると、さらに奥の部屋に通され……

マネージャーに会うことに。「この度は本当に申し訳なかった」と真剣なおわびを受け……

細かい部分はGoogle翻訳にてやりとり。ハワイまでの便が週2本しかないので、木曜日の便を逃した一向は月曜の夜までアメリカ領サモアに滞在する必要がありますが、「航空券はもともと取っていたハワイアン航空を取ってもらえること」、そして「滞在期間中はアメリカ領サモアで一番いいホテルを提供し、ホテルでの食事代もつける」ということを説明されました。予算の関係でてっきり安宿になると思っていたので、真剣な謝罪とその手厚さに驚きました。


◆「世界で最も肥満が多い国」では何を食べているのか?

アメリカ領サモアの滞在時間が増えたということで、街を散策してみました。サモア諸島は過体重・肥満率が93%といわれており、アメリカ領サモアに至っては成人の3分の1が糖尿病といわれています

本当に太っている人が多いのか?ということで、満員バスの中で撮影してみました。確かに男女とも、全体的に体格がいい人が多い気がします。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

マーケットの中を歩いている様子はこんな感じ。ここも、すれ違う人は体格のいい人が多かったように感じました。

アメリカ領サモアのマーケットの様子 – YouTube

空港の待合スペースに座っている人々。

宿の隣の家でガーデニングしていた女性。

学生たち。確かにちょっと肉付きのいい感じはしますが、「太っている」というイメージとはちょっと違うというか、どっちかというと「がたいがよい」人が多い印象です。


そして、データでは「45%近くの子どもが過体重あるいは肥満」と示されていますが、太っている子どもが多い、という印象もありません。データでの知識と、実際に訪れて見た印象は違うものだなあと、「足を運ぶこと」の重要さを再確認します。


ということで、アメリカ領サモアのごはんはこんな感じ。タウ島に行った時に宿の人が振る舞ってくれたのが、巨大なロウニンアジのグリル&白米。シンプルに塩と油とニンニクで焼かれており、魚の下にはキャベツや玉ネギが敷かれています。この日の夕食は1人16ドル(約1800円)でした。

別の日は取れたてのブダイを……

素揚げしてからソースで煮込んだもの&白米&ゆでインゲン。これも1人16ドル。

サクッと揚げられ、ソースが絡められた魚の身をほぐすと、ふわ~っとした白身が現れます。トマトっぽいソースで日本人でも食べやすい味でした。

スパムと卵を炒めたもの&白ご飯という朝ご飯は9ドル(約1000円)

公園でやっていたイベントでは、タレに漬け込んだお肉をバーベキューで豪快に焼いていました。チキン・ターキーテイル・ソーセージをどどんと盛って、焼タロイモがついて6ドル(670円)。

タロイモを白ご飯に変えると5ドル(約550円)になったので、タロイモの方が高い模様。

ジューシーで炭の香りもして最高の野外料理なのですが、ボリューム満点にも関わらずレストランではないためか安価です。

笑顔のかわいいお姉さんがレジ打ちをしているスーパーで購入したのは……

春巻きの皮でコンビーフを巻いて揚げたっぽいもの(75セント/約84円)は、スーパーでよく見かけました。お店の人がおもむろに手づかみで食べていることもありました。

iPhone Xよりも巨大なブリトーは3.99ドル(約450円)

店員さんに「うちのブリトーはかなり多いよ!君の体はぼくに比べると小さいけど、果たして食べられるかな?」と言われるほどに巨大なブリトーは、テリヤキチキンとお米がみっちり入っている品。甘辛いソースで味付けされていてオイリーですが、味付けされていないお米が全体をマイルドにしていました。

教会の集まりでは、イースターに向けて子どもたちが歌とダンスの練習をしている姿を発見。

ここではフレンドリーな人たちがココナツミルクのおしるこのようなものを分けてくれました。

ライムの葉と、小麦粉の練ったものが甘いココナツミルクの中に入っています。

甘くてお腹にもたまり、おやつにピッタリでした。

空港の近くにあったA&E Cafe

地元の人が家族の誕生日を祝うようなお店です。

ここで食べたのは、ローカルな食べ物がセットになっているという「Sunday Special」(21.95ドル/約2500円)。レストランで頼むハンバーガーは12~15ドル(1300~1700円)くらいの感覚なので、かなり高め。ローストしたお肉、魚のグリル、刺身のココナツミルク和え、タロイモがセットになっています。

……が、刺身をココナツミルクであえたものなど、かなり味のレベルは高し。

焼きタロイモの上には、タロイモの葉の間にココナツを挟んだもの。

ちなみに、オフ島の水は丘から引いているきれいな水なので水道から飲めるそうなのですが、本島の水道水は「飲めない」とのこと。ただし、インドで氷入りの飲み物でお腹を壊した人(=筆者)でも、本島の氷入りの紅茶やジュースでお腹を壊すことはなかったので、インドよりは飲めるっぽいです。

さらに、海沿いの繁華街、ユトュリーにあるDDW Beach Clubで食べたのは、サラダ付きの膨大な量のパスタ(10.95ドル/1200円)。自家製ミートソースは肉の味がしっかりしていて、トマトの酸味と合わさって濃厚。さらにガーリックトーストも付いており、かなりがっつり炭水化物です。

もともとアメリカ領サモアは韓国系の移民が多かったのですが、ここ数年で中国系移民もかなり増えているとのことで、中華料理店もいくつかありました。中華料理店でもココナツであえたタロイモが主食として存在するというのが、ならではという感じです。

「ギフトショップ」と書かれた場所では……

なぜかスターバックスのロゴを発見。

店内はカフェの併設されたお土産屋さんになっていました。

メニューには「PREMIUM STARBUCKS COFFEE」とおもむろに書かれており……

カウンターにはスターバックスのコーヒーのカプセルが置かれていました。

「PREMIUM STARBUCKS COFFEE」を注文するとお店のお姉さんが丁寧に作ってくれます。

「ロゴだけスターバックスをパクったのだろうか?」と思いきや、炭の香りのしっかりした、めちゃくちゃレベルの高いコーヒーで、アメリカ領サモアで飲んだ中ではダントツで一番。手作りだというブルーベリースコーンも、スターバックスの味ではないものの、外はさくさく中はほろほろの仕上がりで、思わず「うまー!」と叫ぶほど。

なお、マクドナルドはハワイと同じメニュー。左がベーコンスモークハウスのダブルで、右がクオーターパウンダーのシングル。一番小さいサイズがこのクオーターパウンダーのシングルで、日本のような薄いパティの「ハンバーガー」は存在しません。とはいえ、全世界展開だからか、マクドナルドに「巨大さ」はそこまでないようです。

肉のインパクトがすごすぎて、パンが霧のような存在感でした。

「マックリブ・プラッター」という、米と肉だけのセットも注文。これは日本でも提供されていたマックリブの肉だけを取り出したもので、「野菜など不要、肉と炭水化物だけあればよい」という固い意志を感じました。

さらにスーパーの横にあるアイスクリームショップへ。

チョコチップクッキーの間にアイスクリームをサンドしてある食べ物は2.5ドル(約280円)。おいしいのですが、クッキーが「砂糖の塊」と表現できるような、強烈な甘さでした。隣の真っ青なドリンクは2.75ドル(約310円)で、アイスクリームサンドよりも高めです。

ただし、福祉プログラム「WIC」のオフィスでは、「THINK B4U DRINK!」とジュースに含まれる砂糖の多さを訴えたディスプレイがあったものの、当のスタッフは「アメリカ領サモアでは成人の4分の3が肥満って本当?」と聞くと、「そんなことはない!」ときっぱり否定していました。

……と、アメリカ領サモアで過ごして感じたのは、「炭水化物と肉(あるいは魚)さえあればいい!!!」という食事が多いということ。野菜がおまけ程度にしかなく、日本で野菜多めの生活をしている人であればちょっとしたストレスを感じるほどでした。しかし、その分、アメリカ領だけあって肉の扱いがめちゃめちゃうまく、肉料理にハズレなしというレベルの高さを感じました。


◆「アメリカで最もインターネットが高い」と言われた国のネット環境とは?

2012年には「アメリカで最もインターネットが高い」と言われたアメリカ領サモアですが、2018年に海底ケーブルが活用されるようになってからはインターネットが安価になったといわれています。そこで、まずはBlueskyというアメリカ領サモアの通信キャリアがあるLaufou Shopping Centerに向かって海外SIMが購入できるか確かめてみました。

Blueskyの看板を発見。

入ってみたところこんな感じ。2018年に訪れたポリネシア地方であるツバルではiPhoneが使えずWi-Fiが3Kbpsという環境だったので、あまりの普通さというか、テクノロジー&ネット浸透度を垣間見て驚きます。

当たり前のように並ぶ「4G」「Samsung」という文字。

iPhone XSやXS Maxという最新端末も普通にお店に並んでいます。

やや待ち時間が長かったのですが、「SIMが欲しいです」と伝えると、お店の人がさくさく準備してくれました。

プランはこんな感じ。今回は5日で2GBのデータ通信、60分の通話、100通のSMSが可能なプランを10ドル(約1100円)で購入しました。

iPhoneで試したところ、下りの速度は21Mbps。ツバルではAndroidで1Mbps、iPhoneは使えず……という状態だったので、さすがアメリカ領サモアはアメリカ領だけあって、インフラが強いなあ!というイメージです。

さらに、Malaeimiという村にちょっとしたスーパーなどが集まる場所があるのですが……

この建物の1階にあるSubs Your Wayというレストランの隣に「Bookworm Books」というインターネットカフェが存在することが地元の人への聞き込みで発覚。

中はこんな感じ。

軽食やドリンクなどが注文可能で……

本屋さんもあり。

ここにデスクトップPCが設置されており、1分5セント(約6円)で使用可能。1時間使って3ドル(約340円)なのでかなり良心的です。トレードウィンズホテルというホテルの1階にも宿泊者だけが使えるデスクトップPCがあるのですが、誰でも自由にPCを使えるインターネットカフェは確認した中ではここだけ。

速度は1.9Mbpsなのでまずまずです。

なお、ユトュリーにあるDDW Beach Clubでは、お店の利用者であればWi-Fiが使用可能でした。「Wi-Fiを使いたい」ということを伝えるとお店の人が端末にパスワードを入力してくれ、速度は920Kbps。


◆国に3人しかいない日本人を探し出してみた

アメリカ領サモアには日本の領事館などがないのでハワイを経由した時に在ホノルル日本国総領事館で調べてみたところ、人口5万4000人のアメリカ領サモアの在留邦人数はわずか3名であると判明。しかし、島のどこに日本人がいるかも不明で、現地で聞き取り調査を行ったところ「そもそも日本人がいるの?」という感じ。町を歩いていてもいだいたい中国人か韓国人と間違えられ、そもそも誰も「島に日本人がいる」という認識をしてないという状態です。

「これはもう、日本人を探し出すのはムリかもしれないな……」と思っていたのですが、なんと、バスの前の席に座っていた香港の人と話している時に「日本人を知っているよ」という声。「香港の人なら日本人と中国人を間違わないのでは!?」ということで詳しく聞いてみると、「70歳ぐらいで、やせてて、StarKistで働いていた人」という具体的な情報をゲット。香港の人はバスの運転手さんに日本人の家の場所を尋ねてくれ、バスでそのまま家まで連れていってもらえることになりました。

ということで、連れていってもらったのが、ココ。草がぼうぼうに生えまくっており、どこからかわき出てきた野犬に追いかけられたりして、「本当にここ!?あってる?!人、住んでる?!」と半泣きになりましたが……

中にはちゃんと人が住んでいました。71歳になる上地尚彦さんは、宮古島の出身。琉球大学では法学を学んだそうですが、戦後、働き口がなかったために叔父と一緒に船に乗りアメリカ領サモアへ。約50年間アメリカ領サモアで漁業に携わって暮らし、現地の女性と結婚、子どもをもうけて暮らし続けたそうです。当時はいくつか日本企業もあり、2019年時点よりも多くの日本人が暮らしていたとのこと。国籍はまだ日本だそうですがサモアの永住権があり、アメリカのIDカードを所有していました。「もうずっと日本語を話していないから、日本語がBadです!」と笑いつつも、日本語でお話してくれました。

壁には娘さんの写真。写真の優秀な成績で大学を卒業し、アメリカ陸軍に勤めているそうです。娘さんやお孫さんの名前は「カズコ」「サヨコ」など日本の名前だといいます。

上地さんの家からちょっと離れた場所には……

奥さんの家族も住んでいました。もともと上地さんは奥さん家族と同居していたそうですが、Starkistを退職してからは1人暮らしを始めたそうです。

奥さんご家族には空港まで送ってもらっただけでなく、熟れまくりのパパイヤまでもらいました。ものすごく味が濃いパパイヤは、「パパイヤってこんなにおいしかったの??」と思ってしまう蜜っぽさ。アメリカ領サモアでは村ごとに土地を共有しているシェア社会であるため、自分の土地でなっている果物や野菜は基本的に取り放題。おいしい果物も好きなだけ食べられます。


◆街で見かけた「.as」

政府のウェブサイトにGmailのアドレスが記載されていて不安になったアメリカ領サモアでしたが、インターネット環境はしっかりしていて、住民も普通にスマートフォンでインターネットを使用し、SNSを使ったり、Amazonで買い物をしたりしているとのこと。ただお店や組織の看板でウェブサイトのURLを掲げているところは少なく、電話番号・ファクス番号のみを記すものも多かったです。

これはASWICという福祉局主導のプログラムの看板ですが、運営母体がアメリカにあるため「.as」「as.gov」ではなく「.com」が使われています。

一方、社会福祉局のトラックには「localsolusions@dhss.as」ということで「.as」を使用。

「Historic Preservation Office」と書かれたこの建物は政府の建物ですが……

URLには「.as」ではなく「as.gov」でした。

「.as」が使われていないのでは……?と思いきや、町をてくてく歩いて調べると、ちゃんと発見できました。例えば、空港にあるレンタカー会社の看板。2006年に創業されたというこのレンタカー会社の看板には「reservation@tautaicarrentals.as」と書かれていました。

さらに、SIMカードを購入したblueskyのポスターをよく見てみると……

「www.bluesky.as」というURLが記載されています。

そして、航空会社が「アメリカ領サモアで最もいいホテル」ということで取ってくれたトレードウィンズホテルのシャトルバスにも「www.tradewinds.as」ということで、「.as」のURLがのっていました。

……ということで、予定よりも4日滞在がのびたものの、無事アメリカ領サモアから出国できました。入国するまでは、情報のなさと独特の雰囲気ゆえに「どんな国だろう……!」とハラハラしていましたが、訪れてみると道路は整備されており、インターネット環境もまずまず、食べ物でお腹を壊すこともなく海はきれい、そして何より人がフレンドリーで優しいという居心地のよい国だったアメリカ領サモア。帰路はハワイまでが6時間、乗り継ぎに8時間、ハワイから日本までが10時間とやや時間がかかりましたが、もう一度帰りたいと思える場所でした。

 


 

■ 今回訪れた場所

■ アメリカ領サモアまでのアクセスはこちら

■ .asドメインの詳細はこちら

世界で4番目に幸せな国で、市民権がビットコインで買えて、通貨がバーツじゃなくてバツな国バヌアツにある人喰いの村に行ってみた

iPhoneが使えるかどうか片道40時間をかけてツバルに行って確認をしたり、キプロス住民にビットコインを持っているか街頭アンケートを実施する「ドメイン島巡り」。
今回は、人間が人間の肉を食べる生活をしている村がバヌアツ共和国にあるという情報を聞きつけ、その真偽を確かめに行ってきました。ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.vu」です。

人間が人間の肉を食べる行動や習慣は「カニバリズム」と呼ばれていて、カニバリズムをテーマにした、全世界で累計3700万部も発行されている超人気コミックス「東京喰種」や、映画「食人族」等の影響で、幅広い年代に知られています。

バヌアツ共和国は、オーストラリアの東側にある南太平洋諸島の国の一つ。男子なら一度は調べる島「エロマンガ島」を含む83の島々で形成されています。通貨はバツ(Vt、VUV)。タイ王国の通貨であるバーツとは関係ありません。美しい海と自然を満喫できる魅力はもちろんのこと、昔ながらの文化や慣習を知ることができる隠れリゾートとして人気があります。「昔ながらのカニバリズムの文化や慣習を知ることができてしまうので、隠れなければいけないリゾートとして人気」、なのでしょうか・・・?ちょっと怖いですね。

目次
◆フランシスコ・ザビエルも訪れたかもしれない人喰いの村
◆人間の肉の味と食べ方
◆他にもあるバヌアツのスリリングなスポット
◆注意!空港内にあるぼったくりのお店
◆世界で4番目に幸せな国バヌアツの市民になってプライベートアイランドを購入しよう
◆せめてバヌアツのドメイン「.vu」でプライベートアイランド生活を妄想してみる
◆バヌアツいろいろ
◆現地でのSIM購入方法&速度調査~バヌアツ編~

◆フランシスコ・ザビエルも訪れたかもしれない人喰いの村

人喰い村がラノ島にあるとの情報をキャッチした我々は、バヌアツの首都にあるエファテ島ポートビラ国際空港から、マレクラ島ノーサップ空港へプロペラ機で向かいました。
国内線は時間変更がよくあるので、「Important Information from Air Vanuatu」という件名のメールが搭乗前日までに届いた場合は注意してください。今回も夕方の復路便が急遽、昼便に変更されました。

約20人しか乗れない可愛らしい機体。

1時間後、ノーサップ空港に到着。大雨が降ると離着陸できないそうです。

ほったて小屋が二つしかありませんが、れっきとした空港です。

職員のおじさんがリヤカーで荷物を運んでくれました。

空港にあったマレクラ島の観光マップ。

空港の裏手にマーケットセンターがありますが、何も売っていません。

ノーサップ空港から車で約15分北上し、目的のラノ島の対岸に着きました。ここからはボートに乗り換えてラノ島を目指します。

三途の川からのお迎えのようにボートがやってきました。

やはり島には近づきたくない?ボートを漕いでくれるおじさんの顔が心なしか険しく感じます。

船に乗ってから7分。ラノ島に到着しました。
素晴らしい景色です。人を食べる雰囲気は微塵もありませんが、油断は禁物です。

ガイドさんが人喰い族(アメルバティ族)の村に連れて行ってくれます。ガイドさんから離れると危険かもしれないのでピッタリとついていきますが、実はガイドさんも、グルだったら・・・という妄想が頭をよぎります。

おどろおどろしく見えてしまう木々。日が暮れる前に帰りたい!足取りが重くなります。

しばらく行くと石碑を発見。フランシスコ・ザビエルの記念碑とのことなので、あの日本に来たザビエルと思ってありがたく撮影。しかし、帰国後調べてみるとザビエルはバヌアツには行ってないし、写真をよく見ると落書きのような字にも見えます。真ん中の隆起も不可解だし、宇宙から飛来してきた可能性も捨てきれません。

ザビエルといえばトンスラスタイルが有名ですが、もしやこの島での出来事が原因で、、、と勘繰ってしまいます。

そして遂にアメルバティ族の村に到着。

第一村人発見!洗濯機はなく、井戸から水を汲み、手で洗濯をしています。赤いのは血ではありません。

笑顔で出迎えてくれた村の子供たち。
「夕飯が来た!」と思われていないことを内心願いつつ・・・

更に村の奥に入っていきます。ナサラという祭壇があった場所に案内されました。

トーテムポールのようなオブジェが残っています。

奥に踏み込むと、広場に出ました。ラノ島では昔、男性と女性は別々に生活していたそうで、こちらは男性が生活していた場所。

そして!!!

遂に人間の頭蓋骨を発見!「食べられた人たちの頭蓋骨だけど、触ってもいいよ」と薦められましたが、お断りしました。食人をする前日にナサラ(祭壇)で儀式のダンスを踊り、当日の夜に人間の肉を食べて、食後15日間は、ここに滞在する決まりがあったそうです。

ラノ島を含むマレクラ島は、部族間の争いが絶えなかったため、捕らえられた敵の部族の体を「儀式」として食べていました。人間の肉は、敵部族の力を取り込むという目的だったようで、食料として食べられていたわけではありませんでした。


◆人間の肉の味と食べ方

日持ちしないため燻製にして食べることが多く、味は臭みのあるイノシシ肉と似て美味しくないので、貝や他の食材と一緒に食べていました。遺跡にも人の骨と共に、たくさんの貝殻が捨ててありました。
人間の肉を食べると、脳などの神経組織の構造に影響を及ぼすタンパク質「プリオン」が蓄積し、治療法がない致死的疾患にかかる可能性があります。パプアニューギニアのフォレ族は葬儀に際して遺体を食する習慣があり、「クールー病」が多発しました。牛豚鳥肉などおいしいお肉があるので、リスクを冒してまで人間の肉を食べる必要はありませんね。

ちなみに日本のカニバリズムとしては、織田信長が浅井長政の髑髏を杯にしてお酒を飲んだという説がありますが、「信長公記」によると実際には、金箔を塗って髑髏を皆に見せびらかしただけと言われています。また、羽柴秀吉が鳥取城を兵糧攻めにした際、飢えと精神的疲労で、死体の人肉の奪いあいになったという記録も残っていますWikipedia。更にアメルバティ族の村奥深くに進みます。

パイプをくわえたトーテムポールの像。

しばらく歩くと、歴代の酋長を奉る場所に到着。酋長は亡くなると、首だけ土の上に残して立った状態で土葬されます。7日間たつと首をはねて燃やし、骨を祭壇に祭りました。

ラノ島のカニバリズムの儀式は1960年代頃まで続いていましたが、現在この習慣はありません。約8割の方が農業を営み、主に地元のフルーツやココナッツ、タロやヤムの塊茎を食べて生活しています。観光で村に来ても食べられたりしませんので、安心してくださいね。アメルバティ族の方達も自分達の文化に誇りをもつ、フレンドリーな人々でした。

今回は、サウスパシフィックツアーズに取材のコーディネートをしてもらいました。日本語での問い合わせにも対応。
ガイドさんから説明を受けながら観光することをオススメします。但し、ガイドさんは日本語を話せません。


◆他にもある、バヌアツのスリリングなスポット

①バンジージャンプ発祥の地
バヌアツのペンテコスト島は、バンジージャンプの発祥ともなったランドダイビングが行われています。「バンジージャンプ=成人の儀式、度胸試し」と思われがちですが、ここ発祥の地ではヤムイモの収穫を祝う儀式の一つで、毎年4~6月に行われます。

②タンナ島のヤスール火山
世界で最も火口に近づける活火山として有名です。頂上まで行くと、爆発音と共に真っ赤な溶岩が吹き上がってくるのが見られます。太陽が沈み始める17:30から18:00の間が最も美しいと言われていますよ。

バヌアツには他にも活火山があり、2018年7月26日に発生したバヌアツのマナロ火山の噴火の影響で、フィジー発日本着の飛行機便に遅延が発生しました。また、バヌアツで大きな地震が起きると、それに連動して日本でも地震が起きるという「バヌアツの法則」が話題になり、2018年9月6日に発生した北海道地震にも当てはまったとする見解もあります。


◆注意!空港内にあるぼったくりのお店

国際線の飛行機に乗る際、搭乗待合室にある一番奥の左側のこのお店には注意してください。

店員の優しそうなおばさんが、空港内にある他店の倍の値段で売っています。
・500mlのコーラ一缶300バツ(約300円)/ 他店160バツ(約160円)
・小袋のポテトチップス400バツ(約400円)/ 他店 200バツ(約200円)
同じ空港内でも油断せずに、しっかり商品の値段をチェックしてから買いましょう!


◆世界で4番目に幸せな国バヌアツの市民になってプライベートアイランドを購入しよう

イギリスのシンクタンク ニューエコノミックス財団(NEF)ハッピープラネットインデックスによると、「生活満足度」、「寿命」、「環境への配慮」、以上の項目の評価において、バヌアツは世界で4番目に幸せな国に選ばれています。また、財政再建策の一環として、名誉市民権の販売を始めています。
販売額は16万5,000ドル(約1,815万円)ですが、世界で4番目に幸せな国に永住できるなら高くはないかもしれませんね!名誉市民権購入の詳細はこちら

市民権はビットコインでも購入できると話題になりましたが、バヌアツ市民権のオフィスは否定しています。

そしてバヌアツは市民権だけでなく、プライベートアイランドも販売しています。さすが、83もの島々で形成されているバヌアツですね。
お金に余裕のある方は、東京で億ションを買うよりも、バヌアツでプライベートアイランドを購入して老後をのんびりと過ごすのはいかがでしょうか(ただしほぼ無人島です)。


◆せめてバヌアツのドメイン「.vu」でプライベートアイランド生活を妄想してみる

手つかずの無人島を整備するのは大変ですが、プライベートアイランドに建てられたホテルや、レンタルハウスで南国の島生活を満喫してはどうでしょう?バヌアツのドメイン「.vu」ドメインを使ったホテルサイトや不動産サイトをネットサーフィンすると期待が膨らみますよ。

hideaway.com.vu

vanuatuaccommodation.vu

16degreessouth.vu

islandproperty.vu

waterfront.com.vu

ljhooker.vu

カニバリズムの儀式があったバヌアツは、南太平洋の島々の中でも治安が良いと言われています。

一年を通して穏やかな気候、美しい海と自然、治安の良さもあり、毎年大勢の日本人観光客が訪れています。
バヌアツは観光目的で30日以内の滞在なら、ビザが不要です。
バヌアツのプライベートアイランドに宿泊する南国旅行はいかがでしょうか。

■バヌアツへの行き方はこちら


◆バヌアツいろいろ

  • ラノ島で知り合ったフランス人男性
    飲食店がない事を見越して、ペットボトルの中にクスクスを入れてきたそうです。食べる際、ペットボトルを二つに輪切りにして、お皿替わりにしていました。旅慣れていますね。

  • 中華料理の人気店「Golden Port Restaurant & Hotel
    カニバリズムを調査しに来ましたが、もちろんバヌアツには、美味しいお店がたくさんあります。エファテ島、ポートビラのタクシードライバーさんがGolden Port Restaurant & Hotelの中華ランチを紹介してくれました。

レストランからは広い海を見下ろせて、気持ちよく息抜きできます。

焼きそば1,180バツ(約1,180円)塩味か効いた、麺が若干細めの香港焼きそば風。牛肉の炒め物1,480バツ(約1,480円)牛肉も柔らかくて食が進みますよ。

郷土料理の楽しみもありますが、中華料理はどこの国で食べても馴染みがある味でハズレが少ないので、海外で食に困ったときはオススメです。

  • ヤシガニ
    Golden Port Restaurant & Hotel入口に、食用のヤシガニを飼っているケージを発見しました。太平洋の島々では高級食材の一種で、ロブスターのようにゆでたり蒸したりして食べます。日本では、宮古島で食べることができるそうです。


◆現地でのSIM購入方法&速度調査~バヌアツ編~

海外用WiFiルーターGlocalmeを持っていきましたが、バヌアツでは使えませんでした。現地のSIMを購入するのをお勧めします。現地のSIMとして、ポートビラ国際空港で”Digicel”のSIMが購入できます。入国審査と税関を過ぎるとすぐ左側にあります。

500MBのプランのSIMが、2,000バヌアツ(約2,000円)で販売していました。 SIMの設定は、店員さんにお願いできるので、安心してください。

インターネットの速度をfast.comで調査。5.9Mbpsで標準的な速度でした。

 


 

■ 今回訪れた場所

■ バヌアツまでのアクセスはこちら

■ .vuドメインの詳細はこちら