日本人観光客が3人しか行かない、Twitterで話題の世界一贅沢な国だったナウルに行ってみた

Twitterでナウル共和国政府観光局の公式アカウント(フォロワー数47万人以上※)を見たことがある方は、ナウル共和国(以下ナウル)という国をご存知かもしれません。ナウルは1980年代にリン鉱石の輸出で得た莫大な収入によって医療費、学費、水道や光熱費、税金までも無料になりました。更に国は生活費を支給し、新婚には一軒家まで贈呈。リン鉱石採掘作業も全て外国人労働者に任せて、国民は働かなくても生きていける“太平洋地域で最も高い生活水準”を約30年間を有していました。しかし、リン鉱石の枯渇によって政府は深刻な財政危機に陥り、2003年2月には電話通信ネットワークの故障などで外部との交信が遮断され孤立化してしまい、ナウルは消滅してしまったのでは?等の噂が溢れ、ネット上で話題になりました。公式アカウントによると2019年の日本人観光客はわずか3名。そんなナウルにドメイン探検隊3名が行ってみました。ナウルに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.nr」です。
※2023年7月19日現在

◆ナウルはどこにあるのか?

ナウルは、東京とオークランド(ニュージランド)のほぼ中間である東経166度、赤道の南42kmの位置にあります。国土面積約21.1㎢(東京都品川区とほぼ同じ)、一周約16kmで、バチカン市国、モナコ王国に次いで世界で3番目に面積の小さな独立国家です。主に英語(公用語)とナウル語が使われています。人口は1.2万人(2021年発表)。日本との時差は+3時間。使用されている通貨は豪ドル (1豪ドル=約95円※)です。
※2023年6月時点。

= 目次 =

◆ビザが無いと入国できないナウルに行く

◆高級リゾートホテルがありそうな場所にある国営ホテル

◆島唯一の湖と刑務所の廃墟

◆超美人なミスナウルの親戚は大阪に住んでいた

◆ナウルの料理~ナウルの食事事情~

◆日本の運転免許証で車を運転してみた

◆クレジットカードが使えるようになったナウル~ナウルいろいろ~

◆街で見かけた.nrドメイン

◆現地SIM速度調査~ナウル編~

 


◆ビザが無いと入国できないナウルに行く

航空券を手配している時に念のため詳細を確認すると、ナウルに入国するにはビザが必要だったのです。日本人が入国する際にビザを必要とする国は少ないので、特に気にしていませんでした。早速、ナウル政府の公式サイトに問い合わせをしましたが、リターンメールとなってしまいます。このままではナウルに行くことはできません。わらにもすがる思いで、ナウル航空の担当者やツイッターアカウント「ナウル共和国政府観光局(公式)」の中の人に相談したところ、両者から直接担当者に連絡を取ってもらうことになりました。数日後、IIS7(Internet Information Service)のCramer Cain氏からビザ取得に関する詳細が英文で届きました。Eチケットやパスポートのコピー、滞在先のホテルバウチャーなどがビザ取得に必要であることが判明。詳細はこちらをご覧ください。

無事入国ビザを取得しました。ナウルへ出発です。日本からナウルへの直行便は現在ありません。ブリスベンからの直行便が一般的です。我々もブリスベンからナウル航空を利用してナウルを目指しました。誰もいないだろうと思っていたチェックインカウンターには、意外と人が並んでいます。

搭乗口は85番ゲート。

機内は空いています。おそらくナウル語であろう会話が聞きこえてきました。

ブリスベンから約4時間半のフライトでしたが、機内食も出ました。

着陸前にナウルを発見。飛行機の窓に収まるくらい小さな島国であることがわかります。

18時半ごろにナウルに到着。あたりはやや暗くなっていました。

ナウル航空の新しいデザインの機体もありました。

空港は非常に小さな建物で右側には飛行機を見物したり、出迎えの人が集まることができるスペースになっています。

観光客は我々を含め、4~5組しかいないような状況でした。

到着ゲートを通過するとすぐに外国人専用のレーンがあるのでそこで入国手続きを待ちます。

入国手続きを済ませ、出口を出たすぐ右側にあるDigicelでSIMカードを購入します。ナウルではDigicelが島唯一の通信事業会社。ホテルにはWiFiがない場合があるのでこちらで購入しておくことをおすすめします。


◆高級リゾートホテルがありそうな場所にある国営ホテル

滞在先のナウル唯一の国営ホテル、Menen  Hotel(以下メネンホテル)に向かいます。空港からはホテルの送迎車で他の宿泊客と一緒にホテルまで移動します。

空港から約10分ほどでホテルに到着。

メネンホテルではSIMカードを販売していました。

台湾からの太陽光発電の寄付などを示すプレートを発見。

部屋は至ってシンプル。部屋によっては海側に面してなかったり、テレビがない場合があります。ドライヤーは部屋にありません。フロントに頼んでも貸し出しは無いのでご注意ください。

ホテルから徒歩数分の所にあるミニスーパーマーケット「Abundance」に行ってみます。

商品の多くはオーストラリアから輸入品のようです。

日本語で書かれたカップラーメンもありました。

ホテルに戻るとテラスとバーで地元のパーティーのようなものが開催されていました。

そして夜通し音楽が鳴っていました。

朝、目を覚まして辺りを散策すると、メネンホテルは高級リゾートホテルがあってもおかしくない場所にある国営ホテルだということがわかりました。

ホテルからすぐの所にある、こんな素敵な海岸を散歩することもできるんです。


◆島唯一の湖と刑務所の廃墟

ホテルのカウンターに島を案内してくれるガイドツアーをお願いしました。ナウル一周ツアーは、メネンホテルを北上して島を一周できる道路を反時計回りに進みます。

引用元:ナウルガイドブック(国際機関太平洋諸島センター)

アニバレ湾付近に第ニ次世界大戦中に旧日本軍が作ったバンカー(トーチカ)がありました。島の至る所にこのようなバンカーがあります。以前は木でバンカーが覆われており、外からは見えにくい場所に設置されていたそうです。

バンカーとは、軍用機などの装備・物資や人員を、砲爆撃など敵の攻撃から守るために山に掘った横穴や、コンクリートなどで造った横穴状の施設のことで、日本では掩体壕(えんたいごう)とも呼ばれています。

メネンホテルと反対側にあるエワ地区に入ると、第二次世界大戦記念碑がリン鉱石施設の近くにありました。

石畳をナウルの島をイメージした形の場所もありました。

リン鉱石施設には、島の中央部で採掘した資源を貨物船に積載するカンチレバーと呼ばれる延長ブリッジが設置されいます。ナウルは遠浅のため大型船が接岸できないため使用されます。ガイドさん曰く、稼働時には周囲に多くのほこりが飛散するそうです。

内陸に向かって車で5分程度行くと、ヤシなどの木々に囲まれたが見えてきました。

ナウルで最大かつ唯一の湖、ブアダラグーンです。水面が鏡のように反射して綺麗です。この湖は、海や川などの他の水域への流出がない内透湖に分類されます。ナウルでは淡水は稀で、この国には川や小川がまったくありません。

続いて向かったのは、ブアダラグーン近くにある旧日本軍占領時代の刑務所跡。我々が見る限りでは、目印になるようなものはありません。

古いトロッコのレールを通り過ぎ、大きな岩の間を進んで行くと刑務所の入口が現れました。

どんどん奥に進みます。

岩陰の合間に囚人を収容するための部屋が出てきました。建物というよりは岩間を利用して作られた小さな牢屋という印象です。

一番奥にあった他よりも頑丈そうな小屋。

重い罪を犯した、あるいは凶悪な受刑者用だったのかもしれません。刑務所跡は放置された状態なので、風化が激しいように見えました。


超美人なミスナウルの親戚は大阪に住んでいた

ナウル一周ツアーはまだまだ続きます。刑務所跡を出た我々は、ピナクルと呼ばれる石灰柱の近くの道を進みます。この辺りは島で最も標高の高いところです。途中、いくつものバンカーを見ました。

さらに進むと、旧日本軍が第ニ次世界大戦中に使用した高射砲が、そのまま残っていました。全体に赤く錆びています。

高射砲の近くにあった穴。射撃するスペースに入るための通路になっています。

次に向かったのはシビックセンター(市民センター)です。

近くの室内運動場のような施設で「NAURU  TOURISM  EXPO」というイベントを開催していました。

マグカップなど、ナウルに関連したお土産を販売するブース。

そして、なんとミスナウルのアレクサンドラ・ピッチャーさん(Alexandra Pitcher)もイベントに来ていたのです!

どこかで見たことがあると思ったらDigicelの広告に出演されていました。

思い切って話しかけてみると、「私の親戚は大阪に住んでいるので、いつか日本にも行ってみたいんです」と教えてくれました。とても親切で上品な、まさにミスにふさわしい方でした。

引用元:LOOP

ブリスベンからの移動で利用したナウル航空のブースもありました。

日本から来たことを伝えると、ナウル航空はかつて鹿児島や沖縄など、日本からの直行便が存在していたことを教えてくれました。スタッフの皆さんはとても親切で、どんな質問にも笑顔で答えてくれました。

シビックセンターの近くにあるナウル国立博物館に行ってみます。入館料は無料。

島内にある旧日本軍により設置された大砲の場所がひと目でわかる立体模型。該当箇所は赤いマークで表示されています。

ナウルの歴史や旧日本軍により占領されていた時代の写真や残された物などが数多く展示されています。

零戦の残骸。

使用された爆弾も展示されていました。

日本製の刀や日本のビール瓶の展示もあります。

島を案内してくれたカイコさんです。ナウル一周ツアーは2〜3時間ほどでしたが、行きたい場所もリクエストできる柔軟でユニークなガイドさんでした。


◆ナウルの料理~ナウルの食事事情~

お腹が空いたので、カイコさんおすすめのレストラン「The  Bay Restaurant」へ。カイコさんによるとナウルでナンバーワンのレストランということで、外観や中も非常におしゃれ。

奥に入ると緑に囲まれた落ち着いたスペースで食事ができます。

ドメイン島巡りでは、島にある和食レストランを訪れることもミッションにしていますが、ナウルには和食レストランも和食メニューもありません。

注文したのは、ステーキサンドウィッチ。

炒め物とマグロのお刺身。「おてもと」の割り箸もついていました。

フィッシュ&チップス、以上の4品を頼みました。料金は全部で約54豪ドル(約5,130円)。どの料理も日本人の口に合います。チップスは、さつまいものような甘い味でした。

メネンホテルでの夕食。アジアのシェフが料理しているので味付けが絶妙でとても美味しい!ドリンクも含めた全7品で約87豪ドル(約8,260円)でした。

朝食は機械トラブルの影響で、提供されませんでした。

エワ地区の大きなスーパーマーケットの近くにあるTropicana Caféに、デザートを食べに行きました。

注文したのはアイスティー(1豪ドル、95円)とアイスコーヒー(2豪ドル、190円)。

そして、ソフトクリーム(1豪ドル、95円)です。アイスティーとアイスコーヒーは、成分などが表示されたラベルは無いものの、しっかりと包装されて安心して飲むことができました。味はやや甘さが強めです。ソフトクリームはミルキーな味でした。


◆日本の運転免許証で車を運転してみた

現地のレンタカー会社より、日本の運転免許証があれば島で車を運転することに問題がないことを事前に確認していました。

島のメインとなる1本しかない道路を走っていると、検問を受けました。警察官による免許証の確認です。道が1本しかないので、同じ場所で計3回の検問を受けました。通過する時間帯が異なるので、3回とも別の警察官がチェックします。検問の際は、日本の免許証を提示して有効期限がいつなのかを英語で説明して、問題ありませんでした。警察官は高圧的な態度でなく、親切に笑顔で対応してくれました。ナウルでの車の運転は国際免許を取得する必要はありませんが、もし運転免許証の有効期限が切れていたり不備があると、24時間拘束される可能性があるのでご注意ください。

ナウルでは日本から寄付された車が活躍しています。消防署で日本の国旗が貼ってある消防車を発見。

調べてみると、日本外交協会を通じて神奈川県伊勢原市から提供されていました。
こちらは、水槽付消防ポンプ自動車(寄贈部分は旧ぞうさん号の水槽部分のみ)

埼玉県川口市から提供された救急車。廃車にする予定でしたが、救急車や消防車が不足しているナウルに寄贈されました。

佐々木工務店の軽トラック。

「tas-auto.jp」のロゴが入った車。ナウルは信号がないので、歩行者は道路を横断する際は注意が必要です。


◆クレジットカードが使えるようになったナウル
~ナウルいろいろ~

現在、ナウルは台湾との国交を樹立しており、メネンホテルで見かけたような友好関係を示すようなものを見ることができます。

ガイドのカイコさんからも台湾からの人々が電気や道路の舗装などインフラ整備の工事に訪れて、しばらく滞在するケースも多いことを教えてもらいました。ナウルは2002年7月に台湾との外交関係を断交し、中国との国交を樹立。その後2005年5月に台湾との国交を再度樹立した経緯から、今後の関係は変わるかもしれません。

ちなみに、スーパーマーケットで使用されていた勤怠管理用タイムカードの打刻機は台湾製でした。

街では多くの野犬や放し飼いにされている犬を見ました。

首輪を付けたおとなしそうな犬もいますが、無暗に近づかない方が良いでしょう。

事前調査では、ATMはほとんどなく、クレジットカードが全く使えないということでした。しかし、実際に来てみると街の人が集まる場所には少なくとも2つほどATM(メネンホテルとエワの大きなスーパーマーケット)がありました。2016年からオーストラリアのBendigo  Bankがナウルでも事業を開始した影響です。

比較的新しいレストランやカフェではクレジットカードの支払いも可能なところが多く、様々な決済に対応しているカフェもありました。

ナウルは、“アホウドリの糞でできた島”として有名です。カイコさんに聞いてみると、地元の人も当然知っている紛れもない事実でした。蓄積されたアホウドリの糞で島ができて、その糞が年月を経てとリン鉱石というとても貴重な肥料の原料になりました。一時はリン鉱石の枯渇によって政府は深刻な財政危機に陥りましたが、2004年からリン鉱石の2次採掘が開始され、ナウルの主要産業となっています。


◆街で見かけた.nrドメイン

郵便局のメールアドレスに使われていました。

トヨタ自動車の広告にも使われていました。残念ながら多くの.nrドメインを見つけることができませんでした。街では見かけていないですが、.nrドメインが使われているものとしてはナウル政府の公式サイトなどがあります。


◆現地でのSIM購入&速度調査~ナウル編~

空港にて購入したDigicel社のSIM(2GB、31.5豪ドル(約3,000円))を使って速度を測定してみました。メネンホテル近くで測定したところ360Kbpsでした。海外に行く予定のある方は、「2023年、最強の海外用eSIMはUbigi!」をご参考にしてください。


■今回訪れた場所

■ナウルまでのアクセスはこちら

■「.nr」ドメインの詳細はこちら

■「.biz.nr」ドメインの詳細はこちら

■「.com.nr」ドメインの詳細はこちら

■「.info.nr」ドメインの詳細はこちら

■「.net.nr」ドメインの詳細はこちら

■「.org.nr」ドメインの詳細はこちら

片側のドアが無いセスナで世界遺産を遊覧飛行、広島カープ愛に溢れたお店でコウモリを丸ごと食べるパラオに行ってみた

第一次世界大戦後から第二次世界大戦で日本が敗戦するまで、日本の委任統治領だったパラオには、チチバンドはブラジャー、ダイジョーブは大丈夫を意味する「日本語と似たような単語」がたくさんあります。マリンリゾートというイメージが強いですが、10匹以上の番犬に守られている神社や片側のドアが無いセスナで高度450mまで行ったり、1匹まるごとコウモリの入ったスープを食べてみたり、親日国家パラオの魅力を調査してきました。パラオに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.pw」です。

◆パラオはどこにあるのか?

パラオは日本から真南に約3,000kmの場所にある、大小586の島々からなる共和制国家です。グアムの南西に位置し、日本と時差がありません。パラオ語と英語が使われており、世界で唯一日本語が公用語のアンガウル州もあります。人口は18,094人(2020年)、世界で4番目に人口が少ない国です。使用されている通貨は、ドルです(1アメリカ・ドル=131円※)。※2023年3月時点。

= 目次 =

◆日本語だけでダイジョーブではないパラオ

◆恐怖!片側のドアが無いセスナで遊覧飛行

◆何でも揃いそうな大型スーパーになかったもの

◆10匹以上の番犬に守られている南洋神社

◆【閲覧注意】1匹まるごとコウモリの入ったスープ~パラオの食事事情~

◆パラオで見つけた広島東洋カープ愛~パラオいろいろ~

◆街で見かけない.pwドメイン

◆現地SIM速度調査~パラオ編~

 


◆日本語だけでダイジョーブではないパラオ

我々ドメイン探検隊は台湾を経由してパラオへ向かいました。水曜日に台湾を出発、土曜日に戻る便に乗るプランです。機内は満席でした。台湾を出発してから約4時間、パラオの島々が見えてきました。

パラオ国際空港で使用できるWiFiは「PNCC PROMO HOTSPOT」です。

機内で配られた入国審査フォームと、記入済健康申告書のQRコードを用意して入国準備は万端。と思いきや1時間以上も並ぶことに。。。原因は健康申告書のQRコード読み取りに時間がかかっていたのです。パラオは湿度が高くまるで東京の真夏のような気温。汗だくになりながら入国審査の列でひたすら待ちます。QRコードで事前に入力するよりも、その場でもらった審査の際に紙に書いた方が早かった。。。ようやく我々の順番になると、コロナウイルスワクチンを何回接種したかなど、係官がメモをとっていました。入国審査では帰りの便のEチケット提示を求められるので、事前に準備しておきましょう。

常にマスク着用を促す注意書きがありました。空港職員は誰もマスクをしていません。どういうことでしょう?この後行ったダウンタウンでも誰もマスクをしていませんでした。もしかしたら撤去し忘れていたのかもしれません。

空港にあるお店は全て営業時間外。閑散としていました。

空港を出て宿泊先に向かいます。我々は宿泊サイトで一番安かったパラオホテルを選びました。

パラオは離島にホテルがほとんど無いので、コロール島メインストリートの中心に宿泊すると便利です。

ホテルエントランスの天井にクラゲの写真。かわいいクラゲのキャラクターも出迎えてくれます。

パラオには数百万匹ものクラゲが回遊しているジェリーフィッシュレイクがとても有名で、クラゲはご当地キャラとしても愛されています。しかし地元の人からは、「今はジェリーフィッシュレイクにクラゲはいないよ」と言われました。

ホテルの部屋は広くてとても綺麗。


バイキング形式の朝食は、焼きそばやワカメスープなど日本人が食べ慣れているものが日替わりで提供されています。パラオホテルの無料Wifiは速度が不安定なのでワーケーションには向いていませんが、プライベートでも来たいと思える快適なホテルでした。

日本に統治されていた影響で、パラオ語には約1,000語の日本語由来の言葉が存在し、パラオ語の2割くらいは日本語に由来していると言われています。我々も「ダイジョーブ」という単語を何度か聞きました。とはいえ、コミュニケーションを取る時は殆ど英語。日本語で会話ができるわけではないのです。

 


◆恐怖!片側のドアが無いセスナで遊覧飛行

2012年に世界遺産に登録されたパラオの「ロックアイランド群と南ラグーン」をセスナで上空から眺めることができる遊覧飛行を申し込みました。25分で140ドル(約18,300円)~と少し高いですが、ホテルへの送迎も付いています。

スタッフより最初にコースの説明。日本語なので安心です。

パイロットは、ひろさん。日本人です。アメリカの航空会社でパイロットをしていましたがコロナ禍で職を失い、5ヶ月前からパラオで観光用セスナのパイロットに。1日のフライト数は6回で、我々は本日3回目のフライトに乗ることになりました。

いざ遊覧飛行へ出発!あれ?よく見ると飛行機右側のドア(扉)がありません。なんと、ドアが無いまま25分間飛行して高度450mまで上昇するのです。これを聞いたドメイン探検隊の1名は恐怖のあまり搭乗を拒否。ドアが無い理由を聞くと「ドアが無ければ景色が見やすいでしょ?」とのことでした。

結局、ドメイン探検隊から2名とパイロットのヒロさんの合計3名で出発です。もちろんシートベルトを締めていますが、ドアが無いのでやっぱり怖いです。怖くてほとんど写真を撮ることができません。

くじらのような形をした島を発見。ドアが無いおかげで、綺麗な写真を撮ることができます。

写真でも伝わると思いますが、この遊覧飛行でパラオの美しさを存分に感じることができて幸せでした。

 


◆何でも揃いそうな大型スーパーになかったもの

観光はレンタカーを借りるのがおすすめです。我々は1日55ドル(約7,200円)のカローラを選んだのですが、なぜかカタログには載っていないマツダの車が配車されました。ホテルから頼むと、ホテルまで車を持ってきてくれます。レンタル料金も同じなのでマツダの車で調査再開です。

ドミニカ国と同じく、パラオも信号がありません。右側通行です。日本の中古車が一番安いらしく、日本車が多く走っています。バイクは1台も見ませんでした。

運転している車は右ハンドルで日本の車そのままなので、郊外の車がほとんど走っていない道路に入ると、日本に居る感覚で左車線を走ってしまい、つまり逆走してしまって2回ほど対向車が正面から来て焦ったことがありました。写真のように正面衝突したかのような車が放置されているのを何回か見ました。運転をする際はくれぐれも気をつけて下さい。ちなみにレンタカーの返却については、「空港内の駐車場にとめて、車のキーは車の泥除けの下に置いといてください」と言われました。

西側にあるメユッグス島に日本大使館がありました。面白い話が聞けるかもしれません。行ってみましょう。

入口の上に金の菊文様があります。中に入ると日本人スタッフの女性が対応してくれました。女性は、日本でパラオ人の旦那さんと知り合いパラオに移住。最初はパラオの国立病院で看護士として12年間勤務、その時の縁から大使館で働くようになったと話してくれました。現在、パラオ在住の日本人は約260人。コロナ禍により100人程減ったそうです。もしパスポートを無くした場合は、帰国のための渡航書がここで発行されます。ちなみに、大使館の日本人スタッフはパラオのドメイン.pwを知りませんでした。パラオは公の組織でもGmailを使っている人が多いそうです。なお、館内は撮影禁止です。

日本大使館で「観光客に知られていない美味しい日本食レストラン」と「パソコンや電化製品を売っているお店」を教えてもらいました。まずはレストラン「エグゼクティブラウンジ」から行ってみましょう。コロール島のメインストリートから離れた場所にありますが、地元の人に大人気で観光客がほとんど来ない穴場スポット。カラオケもあって日本の歌謡曲も歌えます。大型モニターに「雨ふらないでよ」と表示されていますが、パラオは毎日何度も熱帯雨林気候特有のにわか雨(スコール)が降ってすぐに止みます。

日本大使館スタッフおすすめのお好み焼き(8ドル、約1,000円)を注文。お好み焼きはオムレツのような見た目です。ソースもマヨネーズ味で安定の美味しさです。

天ぷら盛り合わせ(12ドル、約1,500円)もいただきます。ザクザクした食感で衣はパン粉のようです。天つゆは日本人に合うお味でした。特にかぼちゃの天ぷらが美味しかったです。高速Wifiも無料で使えました。

続いて「パソコンや電化製品を売っているお店」に行ってみます。2022年9月にオープンしたパラオ最大のショッピングモール「スランゲル」に到着。

「ALII!」はパラオ語で「こんにちは」を意味します。

入口付近には、元々小さな雑貨屋から始まった歴史がボードにまとめられています。たった2人で創業して、小さなお店から大型ショッピングモールになるなんて、まさにアメリカンドリームならぬ、パラワン(パラオ人、パラオの)ドリーム。店舗名は、パラオの大統領、スランゲル・ウィップス・ジュニア氏と同じですね。

1階の生鮮食品コーナー。広いですね。他に芝刈り機や洗濯機など大型家電もありました。

2階に行ってみましょう。このフロアでは洋服とスマートフォン、パソコン等を売っています。見た目が派手なカラオケ機器もありました。パラオの人はカラオケ好きなのでしょうか?

GALAXY、iPad、iMacを発見。店員にiPhoneがあるか尋ねると在庫切れと言われました。地元の人にもiPhoneを売っているお店を聞いてみると、「パラオでは売っていないから、みんなGALAXYを使っているんだよ」と教えてくれました。何でも揃いそうな大型スーパーでなかったもの、それは、iPhoneでした。

 


◆10匹以上の番犬に守られている南洋神社

南洋神社を訪れました。この神社は第二次世界大戦中、日本の統治下にあった時代に創建された官幣大社です。正面ゲートに到着。奥に大きな家が見えます。

Googleで南洋神社のクチコミを見ると、「敷地に入ると24匹の放し飼いの犬達に吠えられて追いかけられ、ふくらはぎを軽く咬まれた。神社を管理されている人が不在の時は行かない方が良い」と書かれています。不安を胸に坂を上り進んで行くと、たくさんの犬が威嚇してきました。我々をかなり警戒しています。

管理をされている方に南洋神社にお参りに来たと伝えると快く受け入れてくれました。犬にふくらはぎを咬まれることもありませんでした。神社の入口にはパラオと日本の国旗が描かれた狛犬がいます。

階段にはシダ植物の植木がたくさん置かれており、日本ではあまり見ない光景です。奥に本殿が見えてきました。

小さいですがこちらが本殿です。

本殿の隣りにあったのは第二次世界大戦中にパラオで戦死した日本人を弔う碑。裏面に戦死された方の名前が記されていました。

鳥小屋がありました。

中には南国らしい鮮やかなオウムがいます。

南洋神社の近くにはかつてJALの日航ホテルがありました。老朽化により2002年に閉鎖されています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Palau_Continental_Hotel_in_1977.j pg/375px-Palau_Continental_Hotel_in_1977.jpg

南洋神社は個人が管理する敷地内にあるため、訪れる際は必ず管理者に参拝や慰霊をする旨を伝えてください。

 


◆【閲覧注意】1匹まるごとコウモリの入ったスープ~パラオの食事事情~

パイロットのひろさんから教えてもらったカープレストランへやってきました。カツカレー(10ドル、約1,300円)、海老炒め(12ドル、約1,500円)を注文します。カツカレーはかなりのボリューム。エビ炒めはニンニクが効いていて食がすすみます。

メニューにコウモリのスープ(20ドル、約2,600円)を見つけたので注文。実はパラオの名物料理でコウモリはフルーツを主食としているため衛生上食べても問題ないと言われています。コウモリを食べるというよりは、コウモリの出汁を出すために入れてスープとして食べる事が多いそうです。玉葱、パプリカ、香草などの野菜が入ったコンソメ味で、コウモリの事を考えなければ美味しいです。

なかなか食が進まない我々を見かねた店員さんが、気を使ってコウモリをスープから出してくれました。

恐る恐るコウモリを食べてみます。トリノササミのような肉です。少しだけ臭みがありました。

とてもやさしい店員さん、今度はお口直しの果物をサービスしてくれました。

コウモリの頭と毛が生えている部分は残してしまいました。帰る際に頼んだタクシードライバーのベンさんは「早く呼んでくれたら俺が食べたのに。。。」と残念そう。現地の人は頭も羽も全て残さず食べるそうです。ちなみにベンさんの日本語名は“まさひろ”。おばさんの名前は“ひでこ”、おじさんの名前は“きんたろう”だそうです。

ドメイン探検隊がパラオでイチ押しの和食レストランは「B’s居酒屋夢」です。日本人が経営する居酒屋。お店の名前はB’zが好きだからではなく、オーナーのイニシャルから取っています。

マングローブ蟹(55ドル、約7,200円)。大きめの蟹ですが殻から取りづらくむしりとる感じで、意外と食べるところは少なかったです。しかし味がしっかりしていて美味しかったです。蟹は種類によってあまり味が変わらない気がしました。

揚げ出し豆腐(8ドル、約1,000円)。日本で食べる味付けと全く同じで感動しました。

赤いニワトリロゴが目印のパラオ産ビール、レッドルースタービール。スーパーでも売っているのでお土産にもピッタリ。パラオ語の「ツカレナオス」は「ビールを飲む」を意味しますが、軽く一杯飲むというより、大量のお酒を飲む意味合いが強いとのこと。こちらのお店は送迎もあります。お酒を飲む方でも安心ですね。

コロールメインストリートから少し外れたところにあるパン屋が併設されたエマイメイレイ・レストランにランチを食べに行きました。

「バターフライドチキン(10.5ドル、約1,300円)」を注文。ボリューミーなフライドチキンは味がしないので、タイの定番ソース、ナムチムガイをつけていただきます。衣がパリパリしてスナックみたい。なかなか肉に辿り着けませんが美味しかったです。

こちらは焼きラーメン(10.5ドル、約1,300円)。醤油味のインスタントラーメンを炒めたもので、大きい胡瓜とニンニクが入って日本人に合う味付けでした。

併設されているクマガイベーカリー。どのスーパーにもこちらの食パンが並んでいました。

 


◆◆ パラオで見つけた広島東洋カープ愛 ~パラオいろいろ~

1)地元高校生によるダンスコンテスト

パラオハイスクールの学生によるパラオダンスのコンテストが開催されていました。男子もメイクをしてスカートをはいています。

こちらの衣装も素敵。似合っていますね。

日本の童謡「おたまじゃくしはかえるの子」の曲に合わせて踊っているチームもいました。

 

2)謎の遺跡「ストーンモノリス

コロール島から車で1時間ほど北に行くと、大小様々な形をした石碑が50基ほど点在している遺跡があります。規模は小さいですがイースター島のモアイ像のようです。なぜこの遺跡が作られたのかは不明です。

運がいいと猫のタマちゃんに会えます。タマちゃんには会えなかったのですが、入園チケットを売っているおばさんと一緒に来ていた可愛い女の子、ナニちゃんに会えました。

 

3)日本・パラオ友好の橋
空港とコロール島を結ぶ橋。パラオに来ると何度も通ることになります。

1977年に大韓民国の企業により架橋されましたが、1996年に落橋。現在の橋は2代目で、旧橋とほぼ同じ場所に日本の政府開発援助(ODA)資金により建築され、2002年に落成しました。

橋の下に降りることもできます。地元の家族が釣りや海水浴をしていました。

 

4)WCTC ショッピングセンター

コロール島メインストリートにあるショッピングセンター。地元の人たち向けの掲示板を発見。パラオ軍入隊募集も貼ってありました。

 

5)国立博物館

日本統治時代について日本語で分かりやすく解説されています。

入館料は 10 ドル(約 1,300 円)。

日本が統治していた時代は、パラオ人より日本人の方が倍以上いた事がグラフで分かります。

 

6)カープレストラン

「1匹まるごとコウモリの入ったスープ」を食べたカープレストランは、日本人の奥様とパラオ人のご主人のご夫婦がオーナーです。

店内には広島東洋カープの選手のポスターがたくさん貼られています。

選手のサインと鯉のぼりも。

そうです。カープレストランの「カープ」は広島東洋カープから取ったもので、奥様のひろこさんが同球団の大ファンなのです。

さらに詳しくお話を聞くと、ひろこさんがお店を経営する一方、パラオ人のご主人はカープアイランドという島のオーナーでした!ひろこさんが広島カープのファンなので、島の名前をカープアイランドにしたそうです。カープアイランドは宿泊もできます。日本人も島を購入可能か聞いてみると、パラオ人以外の島の購入はできないが借りることは可能とのことでした。

ちなみに世界遺産エリアの中心に位置する「イノキアイランド」とは、アントニオ猪木氏が名誉オーナーを務めていた島です。パラオの独立前からサンゴの保護活動などを行ってきた猪木氏に、パラオの族長が感謝の証として贈ったと言われています。

 


◆街で見かけないパラオの.pwドメイン

ドメイン探検隊は、その島に割り当てられているドメインがどのように使用されているかを調査しています。しかし、なかなか「.pw」が見つかりません。

セントルシアでもほとんど見つからなかったことを思い出しながら探していると、郵便局で使用されているのを発見。パラオでは「.com」や「.net」が広く使われ、Facebookを活用しているお店が多い印象を受けました。


◆現地でのSIM購入&速度調査~パラオ編~

パラオ用のeSIMはありません。GlocalMeなどWiFiルーターも対応していません。今回は現地SIMを購入しました。事前調査では空港にPNCC(パラオ国立通信公社)のブースがありSIMが購入できるとのことでしたが営業時間外でした。

そのためコロール島メインストリートにあるGlobusPalauで購入。7日間、12GB、25ドル(約3,200円)でした。コロール島メインストリートで計測したところ速度は40Mbpsでした。

 


■今回訪れた場所

 

■ パラオまでのアクセスはこちら

 

■「.pw」ドメインの詳細はこちら