トラブル連続!ジャージーをたった3 時間で超弾丸調査~まさかのオーロラ、衝撃のエニグマ、ガッカリのジャージー動物園~

コロナ禍の影響により、2020 年 9 月を最後に休載していたドメイン島巡りは、2 年2 ヶ月振りに島巡りを再開しました。復活第 1 弾はジャージー。上級者向け(使う人のあまりいない)の特殊な(微妙な)サービスを提供するインターリンクのドメイン探検隊は、ジャージー牛乳、体育の時等に着るジャージ発祥の地のイメージが強いジャージーのあまり知られていない魅力をお伝えします。ジャージーに割り当てられている ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.je」です。

◆ジャージーはどこにあるのか?

イギリス本島の約160km 南にあって、フランスから約22km の距離に位置するジャージーはイギリス王室属領の島。面積は116km²でJR 山手線内側の1.5 倍程度の大きさで、チャンネル諸島で最も大きい島です。フランスが近いこともあって、英語やジャージー語以外にフランス語も使われています。ロンドンからプロベラ機で約 1 時間程度、フランスのカルトゥレやグランヴィルからフェリーでもアクセスできます。通貨はポンド(※1 ポンド=約 165 円)とジャージーポンドです。※2022年11月時点

= 目次 =

◆オーロラに遭遇!

◆大混乱のヒースロー空港

◆乗り継ぎで大ピンチ

◆地元ラグビーチームのスタジアム

◆ナチスの暗号機「エニグマ」に会えるジャージー戦争トンネル

◆車好きにはたまらない機械遺産博物館とガッカリしたジャージー動物園

◆ジャージーの首都セントへリアの中心でジャージー牛乳ソフトクリームを食べる

◆現地でのeSIM 速度調査 ~ジャージー編~

 


◆オーロラに遭遇!

羽田空港を23 時35 分に出発する深夜便でまずはロンドンへ。ロシア情勢を受け北極圏を通過する北回りでの運行のため、通常より 3 時間長い 15 時間 40 分のフライトです。機内では映画などを見て過ごしていました。北極圏に入ったあたりで、ふと外を見るとオーロラに遭遇!北欧のオーロラ観光ツアーに参加してオーロラを見ることができなかった苦い思い出のあるドメイン探検隊の隊長は、とても感動していました。北極圏通過コースも悪くありません。


◆大混乱のヒースロー空港

ほぼ定刻通りの6 時30 分に着陸。ヒースロー空港到着後、ターミナル3 から5 へ移動して入国審査と保安検査を受けますが、7 時 55 分発ジャージー行きの便への乗り継ぎまで 1 時間以上あるので、十分間に合います。

ところが入国審査場は大行列。空港スタッフの手際の悪さもあって、予想以上に時間がかかります。自動ゲートもありますが日本のようにスムーズにはいきません。やっとの思いで入国審査を終え、保安検査へ。こちらも厳重なセキュリティチェックが行われ、なかなか列が進みません。ギリギリどころか間に合わない恐れがでてきました。空港スタッフに相談しましたが、「間に合いますよ」の一点張りで相手にされません。どんどん時間は過ぎていき、焦りが募ります。

やっとの思いで保安検査を乗り越えダッシュでゲートへ。しかしながらすでにゲートには誰もいません。搭乗手続きは締め切られていたのです。ゲートのスタッフに事情を説明したところ、ブリティッシュエアのサービスカウンターへ案内されました。サービスカウンターは我々と同じように乗り遅れた乗客で溢れています。結局、12 5 分の振替便に乗ることになりました。

 


◆乗り継ぎで大ピンチ

本来なら 7 55 分発の便に乗る予定だったので、ブリティッシュエアのラウンジで 4 時間以上も時間を潰した後、ジャージー行きのゲートへ。



ところが搭乗券とパスポートを提示したところ、空港スタッフ達は深刻な表情で議論を始めたのです。スタッフの説明によると問題は2 点。1 点目は入国審査の履歴が見つからなかった事、2 点目は我々が7 55 分のジャージー行きに搭乗済と処理されていた点です。両方とも空港スタッフ側のミスで我々に不備はありませんが、飛行機に乗せてくれません。この便を逃すとジャージーへ行けなくなり、全てのスケジュールが狂ってしまいます。

諦めかけてスケジュールの変更を検討していたその時、空港スタッフから「写真を撮ったら、飛行機に乗ってください。」と搭乗許可がおりました。ようやく、ようやく機内に乗り込むと、乗客の男性 1 人が我々にウインクをしました。機内を見渡すと見たことのある乗り遅れた人たちばかり。同じ苦労を共にした者同士の一体感に溢れていました。

 


◆地元ラグビーチームのスタジアム

予定より 4 時間以上も遅い便でジャージーへ到着。我々に残された調査時間はわずか 3 時間しかありません。

そこでタクシーを貸し切ることに。運転手は、40 年前にイギリスのリバプールから移住してきたジェームスさん。彼のように忙しいイギリス生活を捨て、のんびりとしたチャンネル諸島に移住する人は多いそうです。

車を走らせること5 分。空港の程近くにスタジアムがあります。何
のスタジアムでしょう?

チケット売り場。誰もいません。下の方に「JERSEYREDS.JE」と書かれていますね。

ラグビーが関係しているのでしょうか。

事務所に行ってみると男性がいたので、何のスタジアムか尋ねると地元ラグビーチーム「ジャージーレッズのスタジアムであることが判明。そしてこの男性はチームのマネージャーでした。「今日はお休みだけど、案内してあげるよ」と特別に場内を見せてもらうことに。ドメイン島巡りは基本的にアポイントを取らずに取材します。再開してもこのコンセプトに変わりはありません。

まずはグラウンド。クラブはお休みのため選手はいません。

続いてクラブハウスへ。日本ではあまり知られていませんが、ジャージーレッズは 1879 年に創設された歴史あるチームで、我々が訪れた翌週にはラグビー元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏が来られる予定だそうです。

最後にジャージーレッズグッズのピンバッジと鐘をいただきました。マネージャーさん、お休みにもかかわらず、ありがとうございました。

 


◆ナチスの暗号機「エニグマ」に会えるジャージー戦争トンネル

島の内陸へ進みます。途中、ジャージー牛がいるのどかな牧場も。

ジャージーは狭い道が多い。車のスピードを減速させるバンプも多くあります。

ジャージー戦争トンネルに到着しました。ジャージー戦争トンネルは兵器庫、兵舎として掘られた地下トンネルで、ナチスによって死傷者を受け入れる病院に改
築され、現在は戦争の痕跡を伝える博物館に。

チケットを購入します。入館料は16 ポンド(約2,640 円)。

展示されている映像、写真、遺品、資料の多くは、ドイツ占領下における悲惨なジャージーの生活を伝えています。

ドイツ軍が使用していた映写機と通信室。

ガスマスクも。

ナチスの暗号機「エニグマ」を発見。復元ではなく当時使用されていたものです。エニグマは、ドイツ軍が無線を使ってやり取りするメッセージを暗号化するための暗号機で、当時としては最先端の装置。世界で最も強力な暗号鍵を生成していたと言われています。

トンネルの長さは 1 キロ以上。未完成なので、掘りかけの場所もありました。掘削作業はロシア、フランス、ウクライナ等の欧州各地から集められた捕虜によって行われました。

 


◆車好きにはたまらない機械遺産博物館とガッカリしたジャージー動物園

時間がありません。急いで向かったのはトリニティ教区にある1990 年に開館した機械遺産博物館パロット・ヘリテージ・スティーム博物館」。

トリニティ教区で生まれ育ったリンドン・チャールズ・パロット氏が収集したジャージー島で使用されていた農作業機、蒸気機関車等展示しています今のフォードを築いた名車T 型フォード1923 モデルあるようです

パロット氏は優秀なエンジニアであり、彼の創意工夫によりジャージーの農民の生活を楽にする道具を発明したこともあって「ジャージーのドン」として地元民に愛されてい人物です入館料8 ポンド(約1,320 円)。中に入ってみましょう

中に入ると、なにより目を引くのは保存状態の良いクラシックカーがたくさん!

古いはしご車と樽がついている車。

今年の夏まで車検があった車もありました。また、展示品の販売や長期貸出も行っています。

機関車も展示されていました。

博物館の隣にある車の修理工場に「スカイラインとカタカナで書かれた車がありました。 修理待ちでしょうか。

何時間でも見ていられる機械遺産博物館を離れ、ジャージー動物園に向かいます。 調査開始から、ずっと雨が降ったり止んだりです。

ジャージー動物園に到着。さまざまな絶滅危惧種を保護して自
然に還したり、希少な動物の繁殖にも取り組んでいる動物園です。1990 年にクロライオンタマリンの飼育下繁殖に成功、2022 年にもクロライオンタマリンの赤ちゃんが誕生しています。どんな動物に会えるのでしょうか。期待で胸が高鳴ります。入園料は18 ポンド(約2970 円)。

コース内にマントヒヒ、熊、タヌキのような動物の写真が展示されています。
でも、実物は見当たりません。

カエルや蛇がいるブースみたいですね。入ってみます。

青いカエルがいました。他にも蛇や亀もいました。

ブースを出ると、熊です!ようやく大きな動物に会えました。

残念ながらタイムリミットです。30 分ほどの滞在で会えたのは、熊とカエルと亀のみ。敷地は32 エーカー(東京ドーム 2.5 個分以上)の広さなので、他の動物を見つけるには時間が足りなかった可能性もあります。サモアの絶景スポット
モーリシャスの七色の大地のように、ドメイン島巡りにガッカリはつきものです。気を取り直して出発します。

◆ジャージーの首都セントへリアの中心でジャージー牛乳ソフトクリームを食べる

市街地へ向かう途中に立ち寄ったモントルグイユ城。ジャーャージーの有名な観光名所。13 世紀に建てられた古城は、約 600 年前のフランス襲来から島を守ったと伝えられています。犬を乳母車に載せて散歩中の若いカップルに日本から来たと伝えると、とても驚いていました。

ゴルフ場を発見。名前はロイヤルジャージーゴルフクラブ運転手のジェームスさんは当クラブのメンバーらしく、「明日はここでプレーするんだ。天気予
報によると晴れる予定だよ!」とウキウキです。行ってみましょう。

1900 年前後に活躍した伝説のプロゴルファー、ハリー・バードン氏の銅像がありました。同氏はジャージー出身で、全英オープン最多となる 6 回の優勝を遂げ、今日では基本となっている右手の小指(右利きの場合)を左手に重ねる握り方「オーバーラッピング」を編み出し、ダン・スイングの父として名を残しているそうです。

市街地に入るとドメイン「.jeを使った広告やお店等を目にするようになりました

ジャージー割り当てられているドメイン「.je」を管理するIsland Networks Jersey Ltd.を訪問したものの、実際のオフィスはオルダニー島にあるため担当者には会えませんでした。

ビクトリア朝時代の 1882 年にできた歴史あるセントラルマーケットへ。



やっと会えました。ジャージーと言えば、ジャージー牛乳!



ジャージーの首都セントへリアの中心でジャージー牛乳を使ったソフトクリームを食べるためだけに、セントラルマーケットに来ました

濃厚でミルクの香りが漂う味で美味しかったのですが、本場ならでは!という感じではありません。日本で食べるジャージー牛乳ソフトクリームと、あまり変わらない気がしました。

 


◆現地でのeSIM 速度調査 ~ジャージー編~

ドメイン島巡りでは、2018 6 月から2020 9 月まで、SIM カードを現地調達してその購入の様子をお伝えしてきました。しかし、販売店を探したり購入手続きに意外と時間を取られるので、今回よりeSIM を採用。eSIM に切り替えたことで、簡単にジャージーで使える回線を契約できました。ャージーのeSIM 速度はジャージー空港で計測。Airalo 31Mbps

Ubigi 25Mbps でした。海外に行く予定のある方は、「2022 年、最強の海外用 eSIM はコレだ!海外用WiFiはやめておくべきこれだけの理由を参考にしてください。

 


■今回訪れた場所

■ ジャージーまでのアクセスはこちら

■「.je」ドメインの詳細はこちら

■「co.je」ドメインの詳細はこちら

エルフの存在を信じる国アイスランドにはエルフのための法律やエルフ専門学校、エルフのペニスを展示する博物館があると聞いて行ってみた

アイスランド大学による2007年の調査によると、アイスランド人の60%以上はエルフ(妖精)が存在すると信じています。

調べてみると、アイスランドにはエルフ学校やエルフのための法律、エルフに会える場所、そしてエルフのペニスも展示している博物館まであります。エルフと聞くと、アニメやゲームに登場する耳が長くて尖った美少女を連想する方も多いのではないでしょうか?いったいアイスランドにはどんなエルフがいるのか、実際に行って確かめてきました。アイスランドに割り当てられている ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は、「.is」です。

 


◆アイスランドはどこにあるのか?

アイスランドは火山や地震が多く、日本との共通点が意外とある北大西洋上の島国です。寒いイメージがありますが、暖流の影響で首都レイキャビクの真冬の平均気温はマイナス4度程度。居住エリアは海岸沿いに集中し、内陸部はほとんど無人地帯で「ハイランド」と呼ばれています。アイスランドの大きさ(103,000 km²)は、北海道(83,454 km²)より少し大きい程度です。公用語はアイスランド語。英語も通じます。利用されている通貨は、アイスランドクローネ。1ISK(アイスランドクローネ)は、0.88円(2020年2月現在)です。

= 目次 =

◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

◆エルフ遺産保護法とエルフや悪魔に出会えるマップ

◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受けた

◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ~アイスランドの食事事情~

◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

 


◆まるで「エルフの塔」のようなハットルグリムス教会

ほとんどの旅行者は西部にあるケプラヴィーク国際空港を利用してアイスランドに到着します。荷物受け取り場では、巨大なパフィン(ニシツノメドリ)が天井からお出迎えしてくれました。

パフィンはアイスランドでとても人気がある海鳥で、国鳥的存在。街のお土産店でもたくさん見ることができます。

アイスランドは物価が高く、タクシーの利用はお勧めできません。空港からレイキャビク市内まで約45分のタクシー料金は、18,000クローネ(約15,840円)もします。ぼったくりではありません!アイスランドには電車やメトロが存在しないので、レイキャビク市街地へ行くには空港バスが便利です。我々が利用した「flybus」は2,999クローネ(約2,639円)。市内にあるホテルの近くを巡回してくれますが、巡回順によっては宿泊先ホテルへの到着が遅くなる場合がありますのでご注意を。だいたい1時間ほどの所要時間を見ておくと良さそうです。

バスは空港を出てすぐの非常にわかりやすい場所に待機しています。

レイキャビクに到着。

市内移動は、バスアプリStraetoがおすすめ。バス乗車前にアプリ上で切符を購入できます。支払いはクレジットカード。乗車の際、運転手さんにアプリ内のチケットを見せるだけで乗車できました。ルート検索もできます。

多くのお土産店、ファッションのお店、レストランなどが立ち並ぶ大通りは通るたびに新たな発見があります。エルフを思わせる小人のイラストも見かけました。

そしてレイキャビクのおすすめスポットは、ハットルグリムス教会です。まるでRPGのゲームに出てくる神秘的な「エルフの塔」のよう。

塔の前には、紀元1000年頃にコロンブスより500年程早くアメリカ大陸を発見したアイスランド人のヴァイキング、レイブル・エイリクソンの像が立っています。

ハットルグリムス教会は、レイキャビクのランドマーク的な存在。ここでゲームのキャラクターであるエルフのコスプレ写真を撮ったら、RPGの世界を満喫できそうです。

教会の内部も1階部分は無料で入場できます。

ハットルグリムス教会(アイスランド) #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

この教会のデザインは、マグマが六角形に固まってできた柱状節理と氷河を象徴しています。

ちなみに柱状節理がよくわかるのは、ブラックサンドビーチ。岩体が柱状になっていますね。

 


◆エルフのペニスも展示する世界で唯一のペニス博物館

世界で唯一のペニス専門博物館「アイスランドペニス博物館」は、レイキャビクの中心街にあります。それにしても、なかなか見つかりません。迷ってしまいました。

ようやく発見。そこは何度も通り過ぎていた場所でした。およそ博物館らしくない外観のため、気がつかなかったのです。

我々を導いてくれたのは、この看板。看板の背後で男性がファスナーに手をかけているように見えますが、この時は気がつきませんでした。我々の写真撮影に合わせて、博物館に展示して無い方を見せてくれようとしたのか、偶然なのかは定かではありません。

エントランスで、エルフのペニスなんて本当にあるのか質問してみると、「ありますよ」とのこと。行ってみましょう!入館料は大人1名1,500クローネ(約1,320円)。

中に入ると、そこは一面ペニスだらけ。博物館の名称「The Icelandic Phallological Museumo」は、訳すと「アイスランド物理学博物館」ですが、アイスランドペニス博物館と呼ばれるだけあります。

ペニス博物館 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

アシカやオットセイ、クジラなど90種以上の動物から取得された標本が展示されています。2011年1月に、同館は史上初めてヒトのペニス標本を展示。これは、死後の提供を申し出ていたドナー4名のうち1名のものです。同館は引き続き「より若く大きく状態の良い」標本を探し続けるとしています。

博物館中央の柱に飾られている人形。木の妖精でしょうか?同館内で一番高い場所に展示されているペニスです。

「RUSTIC ELF」と書かれたエルフのペニスを発見!中国語訳では「精霊」と書かれています。石みたいですね。

トロールのペニス。こちらも石みたいに見えます。

トロールとは、北欧の国、特にノルウェーの伝承に登場する妖精のこと。

こちらは、何か大きな動物のペニスなのかと思いきや「CHANGELING」と書かれています。「CHANGELING」とは「取り替え子」のことで、子供が連れ去られた時に身代わりとして密かに置かれる「エルフの子」を意味しています。エルフの子のペニス、、。形がちょっと気持ち悪いです。

山羊や羊のペニスも展示。山羊や羊とは言っても、「エルフの世界の山羊や羊」です。

この博物館の創設者であるシグルズール・ヒャルターソン氏。ペニス型の受話器で誰かとお話しているようです。受話器もですが、浮かない表情も気になりますね。

熱海の秘宝館のようなネタ満載のアミューズメントを想像していましたが、全くそんなことありません。クジラからヒトまであらゆる動物のペニスが所狭しと陳列されている、学術的価値のある博物館で、真剣に説明を読み、様々なペニスをじっくり見ている来場者の姿がとても印象的でした。同館を題材とした映画「最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~」は、2015年8月に日本でも上映されています。
博物館に併設されているお土産店もまた充実しています。

サンタクロース風ペニスのぬいぐるみ。

柄がペニスのカップ。

エルフに関する12のおとぎ話が書いてある本も売ってました。

ちなみに館内にあるトイレは、入口のドアの柄がペニス。少々やり過ぎな感じも。


◆エルフ遺産保護法とエルフにも悪魔にも出会える場所

1971年、レイキャビク近くの道路工事において、「エルフの岩」とされる岩石を誤って土壌に埋めてしまったところ、道路が冠水したり、負傷者が出たり、工事で使用する重機が故障したりと、不可解な事象が相次いで発生しました。これを受け、アイスランド道路管理局は、この岩を土壌より掘り出して洗浄。今後はこのようなことが起こらないように、2012年に「エルフ遺産保護法」が成立し、「エルフの岩」は保護指定されました。参考:AFP

 

「エルフ遺産保護法」と言われると本当に存在する法律なのか疑ってしまいますが、実は、文化遺産と考古学的に意義のある場所を保護する法律の一部で、魔法、民話、習慣、国民の信仰など、昔ながらの言い伝えに関する場所を保護する法律として実在します。

参考
mbl.is「Elf rock restored after its removal wreaks havoc on Icelandic town」
・アイスランドで書かれた実際の文化遺産法はこちら

 

また、アイスランド人がエルフと接触した正確な場所を共有するために作成されたマップがSaga財団によって公開されています。マップには、エルフの他に幽霊、悪魔等と遭遇した場所も記されています。エルフを目撃した人々によると、その特徴は「人間に似ているが、やや小型。普段は穏やかな性格。」と言われています。このマップの場所に行けば、エルフにも悪魔にも会えるはずです。

 


◆北米大陸とユーラシア大陸を行き来できる公園

エルフのことが気になって仕方ありませんが、アイスランドと言えば一般的には「美しい大自然」でしょう。日本で見ることができない神秘的なスポットに行ってみます。いつも通り、あまり時間が無いので、「The popular Golden Circle Tour」と呼ばれる定番観光地ツアーに参加してきました。このバスツアーは、ゲイシール間欠泉グトルフォス滝シンクヴェトリル国立公園の3か所を訪れます。レイキャビクから日帰りで定番観光地を巡る、効率の良いツアーです。

 

まず最初に訪れたのは、ゲイシール間欠泉。場所の名前にもなっているゲイシール間欠泉は現在活動をしていないようです。誰もいません。

人が集まっているのはストロックル間欠泉。ゲイシール間欠泉から歩いて3分の所にあります。この辺りから、日本の噴気地帯でも馴染みのある硫黄ような匂いが鼻を突いてきます。

近づくと、グツグツしている水溜りが。しばらく見ていると、、、

ポーンという大きな音と共に、ものすごい量の水が噴出!!驚きました!!

間欠泉は約10分ごとに発生しますが、たまに不発に終わることもあります。思った以上に近づくことができるのは魅力ですが、近づき過ぎて熱湯がかかることもあるので、ご注意ください。入口には、「自己責任でお願いします」という注意書きもありました。

 

次は、グトルフォス滝です。先ほどのゲイシール間欠泉からバスで約10分。Gullfoss(グトルフォス)は、アイスランド語で「黄金」を意味します。これがゴールデンサークルの「ゴールデン」の由来にもなったようです。

この滝も、かなり近づくことができましたが、水しぶきで濡れてしまうため、予めレインコートを着用している方も多くいました。とにかく水量が多くて迫力満点。滝近くの地面は濡れていて非常に滑りやすいので、滝に落ちないようにご注意ください。

ほとんどの観光スポットにはトイレが併設されていますが、その大半は有料。でもご安心ください。有料トイレでも、クレジットカードが使えます。こちらは、1回200クローネ(約176円)。アイスランドでは、一般的な旅行ならば現地通貨であるアイスランドクローネを一切持たなくてもクレジットカードで全て済んでしまうというのは本当でした。現地通貨に換金してしまうと通貨が足りなかったり余ったりするので、カード社会の有難さを痛感しました。

バスは最後の目的地であるシンクヴェトリル国立公園に到着。グトルフォス滝からバスで約1時間かかりました。

この国立公園は、ユネスコ世界遺産に登録されています。

この公園、実は敷地内に北米大陸とユーラシア大陸があるのです。家が見える向こう岸がユーラシア大陸、こちら側は北米大陸。

遊歩道を歩いて両大陸を行き来できます。

レイキャビクには、ツアー専用送迎バスの停留所が各ホテルの近辺にあるのですが、Google Mapsにも出てこない停留所もあるので、事前確認または大きなバスターミナル (例えばBSIバスターミナル)などを利用することをおすすめします。8月等の観光シーズンでは、ツアーバスはほぼ満席になります。

 


◆「エルフを見た人900名」に会った先生の講義を受講

エルフの出没場所を把握し、博物館でエルフの存在を確信した我々は、エルフについての理解をより深めるべく、レイキャビクにある「The ELF School」(妖精専門学校)で講義を受けることにしました。講義は毎週金曜日に実施されており、受講時間は合計3~4時間。受講料は1名につき56ユーロ(約6,700円)で、ドルでもクローネでも支払いOK。クレジットカード決済も可能です。参加する際は、メールで事前予約することをおすすめします。詳細Prices and Scheduleをご覧ください。

学校の看板を発見。この雑居ビルの2階にあるようです。

学校というよりか小さなオフィスみたいな感じ。なにか怪しい気がするのは気のせいでしょうか。ドアが開いていたので中に入ってみます。

授業開始の15時より少し前に着いたので、学校関係者は誰もいません。講義を受けに来た方が一人いるだけ。しばらくすると、数名の受講者が登校してきました。ここで授業が行われるようです。教室と言うよりかは、人形や置物がたくさんある小さな部屋です。エルフの本や、変わった雑貨もたくさん置いてあります。

約15分ほど待っていると、スカルプヘイジンソン(Skarphedinsson)先生がやってきました。先生は、アイスランの大学で歴史、民俗学、人類学を学び、アイスランドの超自然に関わる団体の創設者。先生ご自身はエルフを見たことはありませんが、「エルフや一般人には見ることのできない人々(見えない人々)に会ったことがある人約900名」に会っているそうです。

講義は談話形式でゆったりした感じで進んでいきます。渡された教科書には、エルフや見えない人々のイラスト、民話、実際の体験談などが全て英語で書かれています。しかし、講義中にこの教科書が使われることは一度もありませんでした。

先生は、ゆっくりとかつ真剣な表情でエルフや見えない人々について語っていきます。先生自身はそれらを見たことがないそうですが、家族や友人など信頼できる人からの目撃談をたくさん聞いているため、エルフや見えない人々の存在を信じているそうです。また、誰でも見ることができるものではなく、Psychic (心霊能力や超能力などのエネルギーなどを感じやすい人) だけが見えるもので、特に子供は、エルフや見えない人々を見る能力があるそうです。
先生は我々生徒の顔を見渡すと、「この中には残念ながら、Psychicはいないようです。」と言っていました。

休憩時間には、コーヒー、紅茶とともにアイスランドのパンやクレープみたいなものを頂きました。

ほどよい甘さのクレープがとても美味しくて何個も頂いていると、先生に「もっと食べなさい」とチョコレートを無理やり渡されたのも今となってはいい思い出です。

講義再開。見えない人々がこちらの世界に残したという物をいくつか見せてくれました。まず、子供たちが見えない人々に遭遇した場所にあった石。その場所に存在しないはずの石だそうです。

続いては、見えない人々が生活に使っていたとされる鍋。確かに製造会社のロゴや品番などの情報は書いてありませんが、にわかには信じがたい話です。

先生によるエルフの話が続きます。昔は海へ漁に出るかどうかは、Psychicが見えない人々の行動を見ることによって決めていた話。例え晴天であっても、見えない人々が漁に出なければ、それを真似て漁に出ない。もし漁に出ると、晴天だったのに急に嵐に見舞われたり、魚が全く取れませんでした。また、山で遭難した人が山小屋を見つけ、そこの住人に食事を御馳走してもらい助かりましたが、山小屋を出てしばらくして振り返ると、その山小屋や人が存在しなかった、というお話もしてくれました。

エルフや見えない人々は、人間を助ける存在であり、人間に対して悪事を働くことはほとんどありません。なぜ「ほとんど」なのかと言うと、子供を誘拐することがあったから。講義中は、自分の世界に引き込んでいくような語り口調で話す先生ですが、カメラを向けると、かなり陽気なおじさんになってしまいます。エルフに会った人は少ないですが、体験談等が古くから代々語り継がれており、今もなおその存在を信じている人が多いと感じました。アイスランド人にとってエルフは、なくてはならない存在なのでしょう。

講義の最後に受講証明書を頂きました。講義というよりかは、体験談やおとぎ話の紹介と言った方が正しいかもしれません。ご一緒した生徒の1人は、「私はエルフを見たことがあるから、おとぎ話よりスピリチュアルな話をもっと聞きたかった」と、やや不満げです。講義は全て英語。イギリス、アメリカ、ドイツからも受講に訪れています。万人におすすめできるかと言えば、ちょっと微妙ですが、変わった体験がしたいという方にはおすすめです。

校舎を出ると、エルフがお見送りしてくれています。もしかしたら、我々にしか見えていないのかもしれません。皆さんにも見えていますか?

 


◆死ぬ前に食べるべきパンと宇宙一のホットドッグ
~アイスランドの食事事情~

島国のアイスランドは、サーモンやタラなど海の幸が豊富な一方で、物価はと言えば、高いです。例えば、ケプラヴィーク国際空港にある売店「10-11」で売られている水1本あたりの値段は499クローネ(約439円)もします。ただ、ローカルなスーパーなどでは、ここまで高く売っていないようです。

お店の外壁に日本語でもラーメンと書いてある、ラーメン店の「RAMEN MONO」。公式ホームページで「.is」を使っています。

店内も日本の今時のラーメン店に似ています。店員さんは日本人ではありませんが、ほぼ満席だし食べている方のラーメンを見ても、かなり期待できそう。

お店イチ押しの豚骨ラーメンを注文しました。お値段、1,950クローネ(約1,716円)。スープは少し薄めで麺もかなり柔らか目でしたが、大満足なお味でした。テイクアウトもできます。


アイスランド料理を食べに「スリールフラッカー(Þrír frakkar)へ。レイキャビクからちょっと歩いた閑静な住宅街にありました。

まずはメニューの一番上にある「Fermented shark Icelandic speciality and dried cod with butter」(1,240クローネ、約1,091円)。を頂きます。

左の乾燥させたタラは、乾燥イカのような食感でお酒のおつまみにピッタリ。右の発酵させたサメの肉は、ちょっとアンモニアのような匂いがして、苦手な人と好きな人がはっきり分かれそうです。

続いて国鳥的存在で人気の鳥「パフィン」」を注文。メニューの名前は、「Smoked Puffin breast with mustard sauce」(1,990クローネ、約1,751円)です。まさかパフィンを食べるなんて・・・想像もしていなかったので驚きました。薫製のパフィンは、鳥の匂いというか、獣の匂いが少し気になります。味は非常に深みがあって上品。気になった匂いはマスタードをつけることで、だいぶ抑えることができました。

メインメニューは、ワサビが添えられている「Grilled Halibut with soya butter sauce and mashed potatoes with wasabi」(3,950クローネ、約3,476円)と、

ボリューム満点の「Hashed fish with black bread “Icelandic speciality”」(3,150クローネ、約2,772円)です。サメ以外の料理は、美味しく頂きました。


アイスランドには「死ぬ前に食べるべきパン」または、「世界一おいしいパン」と評されるパン屋があります。これは絶対に食べたい!そのパンは「ブロィズ・オ・コ(Brauð og co)」が作って販売しています。お店は、ハットルグリムス教会の近くにありました。超ド派手な外観。実は「死ぬ前に食べるべき派手なパン」だったら嫌だな、と思いつつ入店。

店内は普通の小さなパン屋さんでした。安心しました。

レジの反対側では、パンを作っているところが見えます。忙しそうです。

いろんな種類のパンがあります。

死ぬ前に食べるべきパン、どれにするか迷います。

このパン屋で人気のシナモンロール(490クローネ、約431円)を、死ぬ前に食べるべきパンに決めました。これでもかというくらいに甘いのですが、パンがしっとりとしていて食感がいい。「死ぬ前に食べるべきパン」はやや言い過ぎですが、「アイスランドに来たら絶対に食べるべきパン」と断言しても良い美味しさでした。


アイスランドには世界一、いや宇宙一美味しいと言われているホットドッグもあるのです。「バイヤリン ベスタ ピルスル(Bæjarins Beztu Pylsur)」で買うことができます。お店は小さなスタンドみたいです。

これが宇宙一のホットドッグ。宇宙一とは思えない質素な佇まいです。見た目ではなく、味が宇宙一なので早速いただきます。ラムを使っているようなソースが癖になる味!ですが、それ以外は残念ながら宇宙一と言えるまでのホットドックかどうかわかりませんでした。宇宙一のホットドッグだとガッカリするかもしれませんが、お値段約500円のホットドッグとして食べれば普通に美味しく頂けます。ただ、博物館に行った直後に召し上がることはおすすめしません。

空港のお土産屋にこのホットドックのソースらしき物が売っていました。ご自宅でも宇宙一のホットドックを作れるかもしれません。


アイスランドでファーストフード店と言えば「Aktu Taktu」。マクドナルドは2009年10月31日にアイスランドから完全撤退したため、アイスランドは西側諸国の中でマクドナルドが1店舗もない珍しい国になりました。

 

レストランのスタッフから、簡単な日本語で話しかけられることがありました。アイスランドでは日本語を学ぶことが英語の次に人気があるそうです。

 


◆現地でのSIM購入&速度調査~アイスランド編~

SIMは、ケプラヴィーク国際空港内にあるコンビニ「10-11」で購入できます。

選択したのは、5GBプラン(2,900クローネ、約2,552円)。遅いと感じることはありませんでした。

fast.comで速度測定。快適にネット接続できる速度です。Glocalmeも15Mbps。レイキャビクであれば問題なく使えました。

 


■今回訪れた場所

 

■ アイスランドまでのアクセスはこちら

■「.is」ドメインの詳細はこちら